将来のスムーズな相続をサポートする終活アプリ「そなサポ」▶︎CHECK

ふるさと納税のデメリットをきちんと確認|寄付で損する人・得する人

この記事のサマリ
  • ふるさと納税は居住地以外の自治体に寄付すると所得控除ができる制度
  • ふるさと納税はデメリットも有(限度額・自己負担金・確定申告など)
  • ふるさと納税はデメリットとメリットのバランスを考えて行う
  • ふるさと納税で災害地域の復興支援も可能

ふるさと納税ではいろいろな自治体の特産品や名物がもらえるため、もう既にやっている、あるいはこれから始めたいと考えている人も多いでしょう。

しかし人によっては、ふるさと納税をするとメリットよりもデメリットの方が大きく、かえって損になる人もいます。

ふるさと納税のデメリットとは何なのでしょうか。ふるさと納税でかえって損をしないためにはどのようにすればよいでしょうか。

今回はふるさと納税のデメリットについて解説しながら、ふるさと納税をするべきか否かの判断基準を説明していきます。

ふるさと納税とは

ふるさと納税とは自分が選んだ自治体に寄附をしたときに、寄付金から2,000円を差し引いた額を所得税・住民税から控除する制度のことです。

地方で生まれて進学や就職のために都会に移住した人の税金は、税確定で暮らしている地域を管轄する自治体が徴収します。

しかし、それでは人が集まる都会の税収ばかりが増えることとなり、納税者が生まれ育ってきた“ふるさと”の税収は減るばかりです。

税収の移動

画像引用:総務省|よくわかる!ふるさと納税

ふるさと納税は、納税者が“ふるさと”に貢献できるようにするため、また“ふるさと”以外でも応援したい自治体があれば、自分の選んだ自治体に寄付ができるようするための制度です。

自治体によっては寄付をしてくれた人に地域の特産品を返礼品として送る場合があり、税金の控除に加え返礼品もふるさと納税の大きな魅力になっています。

また自治体としても、特産品を返礼品として送ることで地元のアピールができるため、税収アップ以外にもメリットが生じています。

年金受給者でもふるさと納税できる

ふるさと納税は働いている人だけでなく、年金受給者でも行うことができます。

老齢基礎年金や老齢厚生年金などの公的年金は雑所得に分類され、支給時にあらかじめ税金を差し引いて振り込まれます。

年金額が多い人や、年金以外に所得がある人はふるさと納税より控除が受けられて、返礼品も受け取ることができます。

年金受給者のふるさと納税については以下の記事で詳しく解説しています。

ふるさと納税 【年金受給者向け】ふるさと納税のメリット・デメリットと注意点

ふるさと納税をしない方が良い人もいる

注意するエプロンの若い女性

税金から控除ができ返礼品ももらえるとなれば、ふるさと納税をやらない理由はないようにも思えます。

しかし中には、ふるさと納税によるメリットよりもデメリットの方が大きくなる人がいるため、ふるさと納税をしない方が良い人も存在します。

例えば専業主婦や学生など自分で所得税や住民税を払っていない人は、そもそも控除する税金がありません。自治体に寄付自体はできますが、自己負担がかかるだけの純粋な寄付となるため、ふるさと納税のメリットが活かされないことになります。

ふるさと納税仲介サイトで豪華な返礼品を見ると魅力を感じますが、その返礼品と同じものを普通にECサイト等で購入した方がお得になる可能性もあるのです。

ふるさと納税のデメリット

カラフルなアルファベットのデメリット

自分がふるさと納税をするかどうかは、ふるさと納税のデメリットについてもきちんと確認した上で考えましょう。

ふるさと納税で考えられるデメリットは以下の6つです。

自己負担金2,000円が必要

ふるさと納税は、寄付した金額すべてが控除対象にはなりません。

1回の寄付にあたり控除対象額から必ず2,000円が差し引かれます。この2,000円はふるさと納税の自己負担額となるため、いろいろな自治体に細かな寄付を続けていると自己負担額が積み重なり、自分が想定していたよりも損をする可能性があります。

ふるさと納税の自己負担金イメージ

画像引用:総務省|税金の控除について

所得控除できる限度額がある

ふるさと納税により所得控除できる金額には上限が設けられています。

年間上限額を超えた寄付金は全額自己負担となり、所得税と住民税は控除されません。

年間上限額はふるさと納税をする人ごとに異なります。配偶者や扶養親族の有無、社会保険料などの要素により控除できる限度額が変わるため、給与所得がいくらだから寄付金の上限はいくら、とは一概に言えません。

ふるさと納税仲介サイトの中には、ふるさと納税の限度額シミュレーションのコンテンツを用意しているサイトもあります。損のないふるさと納税をするためには、そのようなサイトであらかじめ年間上限額をしっかり把握しておく必要があります。

参考 控除上限額シミュレーションふるさとチョイス

確定申告が必要

ふるさと納税で支払った寄付金を所得控除するためには、原則として確定申告が必要です。

会社が自動的に納税申告を行ってくれる給与所得者にとっては、確定申告の手間はデメリットのひとつとして挙げられるでしょう。

確定申告を行わなくても寄付金控除が受けられるワンストップ特例制度も存在しますが、ワンストップ特例制度は年間5箇所までの自治体への寄付しか利用できません。年間6箇所以上の自治体に寄付する場合には確定申告が必要です。

年金受給者の確定申告について知りたい人は以下の記事を参考にしてください。

年金受給者の確定申告は必要か不要か|要不要の判断基準と申告方法・FAQ付

返礼品が課税対象になる可能性がある

ふるさと納税で自治体からもらえる返礼品は、税法上の一時所得に該当します。

年間50万円以上の一時所得があった人は、50万円を超過した分の所得税を支払わなければいけません。

一般的にふるさと納税の返礼品だけで年間50万円を超過することはほぼありませんが、生命保険の一時金を受けたり法人から一定額の贈与を受けた人などは注意が必要です。

なおふるさと納税の返礼品を所得として換算するときには、寄付金額の3割を目安にすると計算しやすくなります。

居住地の自治体からは返礼品がもらえない

ふるさと納税は日本のほとんどの自治体で行えますが、自分が住んでいる自治体に寄付した場合には返礼品がもらえません。

返礼品がもらえる点をメリットとしてふるさと納税を行う人にとっては、自分が住む自治体への寄付はデメリットになります。

また東京都はふるさと納税の登録を行っていないため、東京都の各市区町村への寄付金はふるさと納税の対象外です。また宮崎県都農町など、ふるさと納税の規定に違反していたために一定期間対象外とされている自治体もあります。

参考 ふるさと納税制度の見直しについて東京都主税局

節税・減税にはならない

多くの人が勘違いしているようですが、実はふるさと納税をしても節税・減税にはなりません。

ふるさと納税は、納めるべき税金の納付先や使い道を自分で選べる制度です。納税額自体は変わらないため、節税目的でふるさと納税をしようと思っている人にとっては2,000円の自己負担金の分だけ損だということになります。

節税・減税したい人はふるさと納税ではなく、別の方法を考えましょう。

ふるさと納税でメリットが大きい人とは

meritの文字と虫眼鏡とミニチュア人形

上記で挙げたデメリットを差し引いても、ふるさと納税を行うことによるメリットは十分にあります。

特に以下のようなタイプの人は、ふるさと納税のメリットが大きいと考えられます。

年収が高い人

年収が高い人は納める税金も多くなるため、ふるさと納税の控除限度額がより大きくなります。

豪華な返礼品もいろいろ選ぶことができ、控除上限までふるさと納税を行うと消費しきれないほどの返礼品が届くことになるかもしれません。

最近では特産品だけでなく宿泊や現地での食事、体験を返礼品として用意している自治体もあるため、レジャーの充実度も図れます。

参考 ふるさと納税で思い出作り! とびきりの体験特集さとふる

他の控除対象が少ない人

所得控除は寄付金控除以外にもいろいろありますが、他の控除が少ない人はふるさと納税による寄付金控除の利用がおすすめです。

例えば独身や共働き世帯の人、子供が独立した人などは配偶者控除や扶養控除が受けられません。ふるさと納税を積極的に行って、可能な範囲内で所得控除をした方が良いでしょう。

iDeco(個人型確定拠出年金)をしておらず拠出金分の控除ができない人も、ふるさと納税がおすすめです。

逆に、年間の医療費が高額になり医療費控除を受けようと考えている人は、医療費控除分だけふるさと納税の限度額が下がります。医療費控除の仕組みについては以下の記事を参考にしてください。

医療費控除 【所得控除・節税】年金受給者が知っておきたい医療費控除の仕組み

応援したい自治体がある人

ふるさと納税の本来の目的は、自分の生まれ故郷やお世話になった地域の発展に力を貸すことです。

これまで自分とは関りがなかった自治体であっても、その地域を応援する気持ちがあれば誰もが寄付できます。

災害を受けた地域の復興を支援するためにふるさと納税を利用することもできます。ふるさと納税を通じて災害地域へのエールを送り、各地の1日も早い復興を祈りましょう。

参考 東日本大震災に係る被災地方公共団体に対する寄附金及び義援金の受入口座一覧について総務省

大切なのはメリットとデメリットのバランス

メリットとデメリットのバランス

ふるさと納税には、メリットもあればデメリットもあります。

ふるさと納税に限らずどんな行動でも言えますが、大切なのはメリットとデメリットのバランスです。

デメリットの可能性を充分に把握したうえで、それでもふるさと納税をすればメリットがあると思えた人がふるさと納税を行いましょう。

まとめ

今回はふるさと納税の主にデメリットについて解説しました。

ふるさと納税の実施は、寄付した自治体で暮らす人の笑顔を増やす行為です。

見知らぬ誰かの笑顔を想像しながら、ふるさと納税の寄付先を考えましょう。

ライター紹介 | 杉田 Sugita
終活カウンセラー2級・認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。

そなサポ
「そなサポ」は、大切な資産や継承者を事前に登録することで、将来のスムーズな相続をサポートするもしもの備えの終活アプリです。

受け継ぐ相手への想いを込めた「動画メッセージ」を残すことができるほか、離れて暮らす子どもたち(資産の継承者)に利用者の元気を自動で通知する「見守りサービス」もご利用できます。

▶︎今すぐ無料ダウンロード!