- 運動は自宅など室内でもできる
- 集合住宅(マンション等)での運動は振動・音に配慮が必要
- 音や振動が少ない室内の運動を7つ紹介
- 屋外の運動と同様に室内の運動でも熱中症には注意
運動するときには、どこかスポーツジムや運動場などに出かけないといけないと思っている人が多くいます。
しかし運動は、自宅でも行うことができます。
もしご自宅がマンション住まいでも問題はありません。適切な準備をして、下の階や隣の住人に迷惑がかからないような運動方法を選べば、ご近所トラブルにならない運動が実施できます。
今回は自宅など室内でできる運動について解説します。
目次
運動不足は健康寿命を縮める
日本人のおよそ7割は運動不足の状態にあると言われています。
厚生労働省が2019年に実施した調査結果によると、20歳以上の男女で30分の運動を週2回以上している人の割合は、男性33.4%、女性25.1%でした。
画像引用:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要
運動不足は心身の健康をそこね、病気のリスクや死亡リスクを高めます。特に高齢者の運動不足はフレイルやサルコペニア、認知症のリスクを高め要介護の原因になりやすいため、継続的な運動習慣が必要です。
高齢者の運動不足については以下の記事でも詳しく解説していますので、この記事とあわせて参考にしてください。
高齢者が運動しないとどうなるか|運動不足の確認方法とおすすめ運動を紹介自宅で運動するメリット
最初に申し上げたとおり、運動は自宅などの室内でも行えます。
できるどころか、自宅で行う運動には非常にメリットが大きいのです。
以下からは自宅で運動するメリットを5つ説明します。
移動が必要ない
自宅での運動はどこかに出向く必要がないため、無駄な移動時間が発生しません。
また自宅内で普段の生活をしながら、ちょっとしたスキマ時間を活用して運動ができます。
電子レンジで冷凍食品を温めている間の3分間や、洗濯機の終了待ちをしている間の5分間など、家事の途中でも案外スキマ時間はあるものです。
家電の前でただボウっと見ているだけでなく、待ち時間を筋トレタイムにしてしまいましょう。
ながら運動ができる
何か別のことをしながらできる「ながら運動」ができる点も、自宅での運動のメリットです。
椅子に座って読書をしながら足の上げ下げをしたり、テレビの前に設置した踏み台で番組やサブスクリプションの映画などを見ながらの踏み台昇降運動は、運動以外に意識が飛ぶため長い時間の運動がしやすくなります。
以下の記事では安全に配慮したおすすめの踏み台を紹介しています。足腰が弱ってきた高齢の方は、安全性の高い踏み台を選んでください。
足を鍛えると高齢者のフレイル防止になる|おすすめの下半身筋トレ器具12選服装が自由
スポーツジムでの運動やジョギングを始めるときには、それらしい格好をしないと恥ずかしいと思ってしまう人もいるかもしれません。
自宅内の運動であれば服装は自由です。上記でご紹介した「ながら運動」や、家事の合間のスキマ時間を使った運動は、普段の服装のまま行って構いません。
ただ専用のスポーツウェアは、動きやすさや汗をかいたときの吸湿性・速乾性など、普通の服よりも運動に特化した機能があることも事実です。室内の運動でも余裕があるときにはスポーツウェアに着替えた方が、より一層運動に集中できます。
天候に左右されない
ジョギングやウォーキングは、雨が降ると行うことができません。
スポーツジムに通っている人でも、雨天のときには出かけるのがおっくうになりがちでしょう。
自宅での運動は天候に左右されず、いつでも行えます。雨に限らず、近年の夏は外出をためらうほどの危険な暑さが想定されます。
暑さ指数(WBGT)が31以上になると、屋外での運動は原則禁止されます。運動をしたい人はエアコンの効いた室内で行ってください。
画像引用:環境省「熱中症予防情報サイト」|暑さ指数(WBGT)について
周囲の目が気にならない
運動をするときは動きやすい軽装になるので、体形が気になる人も多いでしょう。
人の目が気になるからと運動自体を止めてしまう人がいます。
また女性の場合には、汗でメイクが崩れてしまうから汗をかく運動はしたくないと思っているかもしれません。
自宅内では家族以外に体形やノーメイクの顔を見られることが基本的にないため、周囲の目を気にせずに運動ができます。
マンション住まいは下階への配慮が必要
自宅で行う運動にはメリットが大きいとはいえ、マンションやアパートなどの集合住宅にお住まいの人は注意が必要です。
足踏み運動やジャンプをして振動や騒音が発生すると、階下や隣の住人に迷惑をかけてしまう可能性があります。運動が原因でご近所トラブルになる事態は避けたいものです。
もちろん一軒家でも、大音量の音楽にあわせてリズム運動をしたりすると近隣へのご迷惑になります。一軒家でも集合住宅でも、ご近所への配慮はともに必要です。
室内で運動を行うときには、住まいの状況に応じて以下のような対策を取りましょう。
- 早朝や深夜の時間帯には運動しない
- 床に衝撃吸収マットを敷く
- 衝撃音・騒音が発生する運動は避ける
室内で静かにできるおすすめの運動
以下からは、マンション・アパートにお住まいの人でも近所迷惑にならず、かつ無理なく安全に行える運動を7種類紹介します。
なお以下の記事でも、比較的静かにできる筋トレを紹介しています。本記事とあわせて参考にしてください。
高齢者におすすめの筋トレ|寝たきりを防ぐためのトレーニングスロースクワット
スクワットは基本的に無酸素運動(筋トレ)の一種ですが、やりかたによっては有酸素運動とも両立できます。
スロースクワットは、通常のスクワットよりもゆっくりと動くスクワットです。腹式呼吸をしながらスローペースで時間をかけて行えば、負担が少なく筋トレと有酸素運動が両立できます。
《スロースクワットのやりかた》
1 足を肩幅くらいに広げる
2 ゆっくりとお尻を下げる ※前かがみにならないように注意
3 ゆっくりと立ち上がる ※ヒザを伸ばしきらないように注意
4 2~3を繰り返す
ふらつきが心配な高齢者は、椅子の背や手すりにつかまった状態でのスクワットをおすすめします。その場合の椅子は体重を支えられるよう安定した椅子を選びましょう。
腰回し運動
フラフープはウエスト周りのシェイプアップに効果的な運動器具ですが、落下のたびにカシャンカシャンと階下に振動を与えてしまいます。
腰回り運動は立ったまま腰をグルグル回す運動です。フラフープがなくても同じ効果が得られます。
《腰回し運動のやりかた》
1 足を肩幅に開き、手は腰に添える
2 腰で円を描くようにゆっくり回転する
3 30回くらい回したら反対回しもする
腰回し運動によって体幹が鍛えられ、腰痛やヘルニアが予防できます。
エア自転車こぎ
エア自転車こぎは仰向けに寝た状態で両足を上げ、空中で自転車をこぐ動作をする運動です。腰から下の筋肉を鍛えると同時に、有酸素運動によって脂肪燃焼や心肺機能を鍛える効果が得られます。
布団に寝たままできる運動なので、就寝前のスキマ時間をうまく活用できます。
《エア自転車こぎのやりかた》
1 床や布団の上で仰向けになる
2 手で腰を支えながら両足を持ち上げる
3 2の状態のまま自転車をこぐようにゆっくりと足を動かす
足パカ運動
足パカ運動は、仰向けで寝た状態のまま両足を「パカッ」と開閉する運動です。
腰を浮かせないため、エア自転車こぎよりもラクに足の運動ができます。
《足パカ運動のやりかた》
1 仰向けに寝て両手を後頭部の下におく
2 軽く閉じた両足をまっすぐ垂直に持ち上げる
3 両足をゆっくり左右に大きく開く
4 ゆっくり2の状態に戻す
5 3~4を繰り返す
ヨガ
ヨガは激しい動きをしないため、大きな物音をたてたくない室内での運動に最適と言えます。
ヨガは深く腹式呼吸をしながら、さまざまなポーズをとっていく有酸素運動です。それぞれのポーズごとに目的と得られる効果が異なります。
最近ではYouTube動画で初心者向けのヨガレッスン動画がたくさんアップされています。スマホで動画を見ながら、はじめてのヨガにチャレンジしてみましょう。
ラジオ体操
ラジオ体操は日本人のほとんどが経験したことのある、身近な体操です。
音楽がかかれば自動的に身体が動き出すという人も多く、自宅など室内でも気軽に行えます。
ただしラジオ体操の動きの中には、一部ジャンプする動作があります。マンションなどの集合住宅ではジャンプの動作だけ割愛するか、飛び跳ねずに上半身の動きだけマネするようにしましょう。
エアロバイク
室内で自転車こぎができるエアロバイク(フィットネスバイク)は高額ではないか、場所をとるのではないかとの不安がある人も多いかとは思いますが、最近ではインターネット通販で安価なエアロバイクが市販されています。
ペダル部分のみの小型タイプや折りたたみ式エアロバイクは持ち運びができるため、さほど場所もとりません。
費用が高めのエアロバイクの中には心拍センサー機能が搭載されている製品もあり、運動により心臓に過度な負担がかかる前に運動を停止できます。
室内の運動でも熱中症には注意
これから自宅など室内で運動を始めようとする人に、1つだけ注意点があります。
自宅での運動は天候に左右されず、暑い夏の日ざしに照りつけられることはなくなりますが、熱中症のリスクは室内であっても同様に存在します。
消防庁の統計によると、熱中症のおよそ4割は住居で発生しているそうです。適切にエアコンを使用していないと、室内でも熱中症になる危険があります。温度を感じにくくなっている高齢者の場合には特に注意が必要です。
画像引用:独立行政法人製品評価技術基盤機構|熱中症の 4 割が『おうち』で発生
特に運動中は汗をかいて体内の水分と塩分が低下するため、体温調節機能が低下して熱中症になりやすくなります。こまめに水分と塩分を補給し、調子がおかしいと思ったらすぐに運動を停止しましょう。
まとめ
今回は自宅でできる運動のメリットと、マンション・アパート住まいでもできる運動方法について解説しました。
運動は身体を鍛えると同時に、ストレスが解消により精神も鍛えられます。
まずはスクワット1回から始めてみるのもよさそうですね。
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