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単身高齢者を狙う国際ロマンス詐欺とは|事例と詐欺被害に遭わない対策

この記事のサマリ
  • 国際ロマンス詐欺はインターネットで知り合った相手に金品を盗まれる詐欺の手口
  • 高齢者のSNS普及に伴い国際ロマンス詐欺に遭う人が増えた
  • 国際ロマンス詐欺に騙されないための対策方法を5つ紹介

生涯未婚率が増加する現代の日本では、おひとりさまの高齢者の数も増えています。

単身高齢者の増加に伴い、おひとりさまの寂しさにつけこんで金品を奪い取ろうとする詐欺師集団も残念ながら大勢存在しています、

今回は、近年増加傾向にある国際ロマンス詐欺について解説します。貴重な老後資金を奪われないよう、犯罪の危険性についてしっかり学びましょう。

高齢者の間で国際ロマンス詐欺被害が急増中

2021年に国民生活センターは、SNSや出会い系サイト・マッチングアプリなどで知り合った外国人に金銭を騙し取られる国際ロマンス詐欺について注意喚起を行いました。

国民生活センターに寄せられた国際ロマンス詐欺の相談件数は、2018年度には12件でしたが、2020年度には109件、2021年度には187件まで増加しています。

ロマンス投資詐欺の件数

画像引用:国民生活センター|ロマンス投資詐欺が増加しています!-その出会い、仕組まれていませんか?-

中でも被害者の年齢は、高齢者の割合が増加しています。人生経験の豊富な高齢者でもコロッと騙されるような、狡猾な詐欺師集団が増えているということです。

国際ロマンス詐欺とは

ノートパソコンのキーボードを叩く手元

国際ロマンス詐欺とは、恋仲となった海外の異性から金品を要求され、お金を支払った後に相手と連絡が取れなくなるという詐欺の一種です。

ほとんどの国際ロマンス詐欺はインターネット上で完結するタイプの犯罪なため、実際には犯人と顔を合わせることがありません。

犯人が本当はどんな顔をしているのか、年齢や性別、本当に外国人なのかどうかも被害者にはわかりません。

画像加工で顔を変えたり、美男美女のフリをして甘い言葉で結婚や交際をちらつかせて金品を繰り返し吸い取ろうとするやり方が国際ロマンス詐欺の特徴です。

結婚詐欺との違い

従来から存在する結婚詐欺とロマンス詐欺との違いは、犯人と被害者が実際に顔を合わせているか否かです。

恋愛関係を偽装して金品を要求する手口は同じですが、恋愛感情を抱いた相手が目の前にいる人物か、パソコンやスマートフォンの画面の向こうにいる相手なのかが異なります。

つまり国際ロマンス詐欺は、オンライン会話が一般に普及するようになった現代だからこそ発生した犯罪と言えます。

なぜ高齢者のロマンス詐欺被害が増えたのか

お茶を飲む高齢の外国人男性

ロマンス詐欺自体はどんな年齢の方でも被害に遭う可能性がある犯罪ですが、なぜ今、高齢者の間にロマンス詐欺被害が増えているのでしょうか。

ここからは高齢者がロマンス詐欺被害に遭いやすくなった理由を3つ説明します。

SNSの普及

高齢者のスマートフォン利用があたり前になった昨今では、SNSを使って友人や知人とコミュニケーションを取っている方が大変増えています。

古くからの友人だけでなく、共通の知人や趣味のグループを通じて新しい友人ができるのもSNSの特徴です。

しかし、中には会ったことも共通の知人がいる訳でもないのに、インターネット上で言葉巧みに友達申請をしてくる海外のユーザーがいます。そこで簡単に友達になってしまうと、国際ロマンス詐欺の犯人に目をつけられ、狙われてしまうケースが増加しています。

2020年からの新型コロナウィルス感染症の流行拡大に伴い、対面でコミュニケーションする機会が減少し、インターネット上でのやりとりに抵抗がなくなってきたことも国際ロマンス詐欺が増えた一因です。

おひとりさま高齢者の増加

65歳以上でひとり暮らしをしている世帯の割合は、昔に比べて増加しています。

1980年時点では、人口における単身高齢世帯の割合は4.3%、女性11.2%でしたが、2015年には男性13.3%、女性21.1%まで増加しました。

参考 令和3年版高齢社会白書(全体版)内閣府

一度も結婚したことがない方、配偶者と離別・死別した方など、おひとりさま高齢者となった理由はさまざまですが、日々の生活を共にするパートナーのいない生活は孤独なため、ふと出会った相手に心を許しがちになります。

将来の不安

家族と暮らしていないおひとりさま高齢者の場合、寂しさだけでなく将来への不安も国際ロマンス詐欺の犯人が付け入るスキになります。

病気や介護が必要な状態になったらどうしようとの心配から、将来自分の面倒を見てくれる可能性がある相手から金品を要求されても、なかなか断ることができません。

また老後資金が不安な方は「稼げる情報がある」と甘い言葉に誘われて投資詐欺にも遭いやすくなります。

国際ロマンス詐欺の事例と手口

オンライン会話のイメージ

ここからは実際に起きた国際ロマンス詐欺の事例を紹介します。

詐欺師はいろいろな手口で騙そうとしてきます。以下の事例は対岸の火事と思わず、自分に置き換えて考えてみましょう。

偽ハリウッドスターに7,500万円送金

レディース・コミックのジャンルで人気の女性漫画家 井出智香恵さんは、2018年にFacebookで知り合った偽ハリウッドスターに騙されて総額7,500万円もの大金を騙し取られました。

パソコンのモニターを介して「結婚式」を行った後、いろいろな理由をつけて要求されるお金を、家族や友人知人に借金を重ねながら送金し続けたとのことです。

現在は娘の説得により井出智香恵さんは詐欺にあっていたことに気付き、2022年にその経緯を実録書として出版しています。

参考 毒の恋 7500万円を奪われた「実録・国際ロマンス詐欺」Amazon

金塊を送ると言われ200万円以上支払い

岡山県在住の70代女性はアメリカの軍医を名乗る男性とSNSで知り合い、男性が退役後の結婚を約束していました。

男性からお金と金塊を送ると言われ、配送のために必要な保険と送料・クリアランス料として200万円以上を振り込んだ後、ロマンス詐欺だと判明したそうです。

恋愛感情につけこむだけでなく、経済的に得をすると思い込ませて金銭を巻き上げる手口です。

参考 「国際ロマンス詐欺」の手口に注意!!岡山市

SNSで投資に誘われ1億5402万円振込

山梨県在住の男性がSNSで知り合った外国人女性は、知り合って数日後にFX取引による投資話を持ち掛けてきたそうです。

「毎週数万ドルの外貨を稼げる」と甘い言葉に誘われ、外国人女性の親族を名乗る大学教授に対して4ヶ月の間に総計1億5402万円もの振込をしてしまいました。

相手からは収益として1回だけ50万円が支払われましたが、その後は支払いが途絶え、外国人女性や大学教授とも連絡がなり、警察に被害届を出しました。

1回または数回の少額な支払いを行い、被害者を信用させる策はロマンス詐欺によくある手口です。

参考 1億5400万円だまし取られる 国際ロマンス詐欺 SNSで外国籍の女を名乗る者から嘘の投資話 50代男性が被害TBS NEWS DIG

国際ロマンス被害を防ぐ5つの対策

パソコンを見る外国人女性

貴重な老後資金を奪い取ろうとする国際ロマンス詐欺には、断固として対抗しなければいけません。

ここからは国際ロマンス詐欺を見抜く方法など、国際ロマンス詐欺に金品を騙し取られないための対策を5つ紹介します。

1.プロフィールを十分にチェックする

FacebookやインスタグラムなどのSNSに知らない人からメッセージが届いたら、メッセージ送信者のプロフィールをまずはチェックしましょう。

SNSを利用してからの日数が少ない、投稿数が極端に少ないなどSNSの活用履歴が薄い場合には詐欺師の運営アカウントである可能性があります。

また国際ロマンス詐欺ではプロフィール画像を他人の顔にしていることが多いため、Google画像検索などでプロフィール画像と同じ顔を探してみると、メッセージ送信者の名前とはまったくの別人がヒットする可能性があります。

2.早い段階の口説きは疑ってかかる

国際ロマンス詐欺の犯人は1日も早く金品を奪い取りたいため、知り合ってすぐに恋愛関係に発展させようとします。

かなり早い段階、極端に言えば知り合った当日から結婚を匂わせてくることもあります。

甘い言葉に浮かれることなく「もしかして詐欺かも?」と一旦は疑いましょう。

3.外部サイトには移動しない

SNSやマッチングアプリで知り合った相手から、外部サイト・外部アプリでのやりとりを求められたら要注意です。

多くの国際ロマンス詐欺では、犯人は自分のフィールドに被害者を囲い込み、騙そうとします。最初に知り合ったSNSやマッチングアプリ等には何らかの利用規約がありますが、犯人の活動拠点には犯行を抑制する縛りがないからです。

特に投資詐欺を目的とする国際ロマンス詐欺の場合には、移動先の外部サイトが金融商品取引法などに基づく登録をしてないケースも十分に考えられます。

4.送金・投資の要求はきっぱり拒否

詐欺師集団はあの手この手で金銭を要求してきます。

《国際ロマンス詐欺の金品要求の例》
・病気・ケガをして治療費が必要
・窃盗・火事にあった
・家族に送金したい
・現在の配偶者と離婚するために慰謝料がいる
・お金を預けてくれれば倍にして返す
・プレゼント(宝石・金塊など)を贈るため保証料が必要

もし相手が本当にお金を必要としている状況だとしても、恋愛関係にある人に借金を申し込むような人は、それだけで信頼がおけません。

上記のような金品の要求をされたら、断固としてきっぱりと断りましょう。

5.怪しいと思ったらすぐブロック

請求をきっぱり断ったとしても、詐欺師があきらめずに繰り返し金品を要求してくるかもしれません。

また要求を断ったことで相手が豹変し、こちらを恫喝してくることも考えられます。

不穏な動きを察知したら、ためらわず即座に相手をブロックしましょう。

「もしかしたら国際ロマンス詐欺かもしれない」と思った時点でのブロックが理想的です。

もし国際ロマンス詐欺の被害に逢ったら

トラブルにあった人を守るイメージ

気を付けていても、ついうっかり画面の向こうにいる詐欺師に心を許してしまい、国際ロマンス詐欺の被害に遭ってしまうかもしれません。

もしかして国際ロマンス詐欺の被害にあったかもしれないと思ったら、すぐに消費者センター等に相談してください。

参考 全国の消費生活センター等国民生活センター

上記リンクからお近くの消費者センターを探すか、もしくは局番なしで「188」とダイヤルすれば消費者ホットラインに電話がつながります。「188=いやや!」と覚えてください。

また被害者を投資に誘う国際ロマンス詐欺により投資資金を国内の預金口座へ振り込んだときには、振り込め詐欺救済法に基づき一定額の被害回復分配金が戻ってくる可能性もあります。振込先の金融機関にも必ず問い合わせしましょう。

新しい出会いを不必要に恐れる必要はない

毛糸でできたハート

単身高齢者の寂しさにつけこんで狙ってくる卑劣な犯罪者は確かに存在しますが、それでも人間はたった1人では生きていけません。

これからの人生に向かって、心から信頼し合えるパートナーを見つけたいと思うのは当然の気持ちです。

また現代では、インターネット上の出会いも当然の時代になっています。国際ロマンス詐欺ではないかと過剰に疑い、新しい出会いをすべて排除する必要はありません。

本記事や以下の記事を参考にしながら、犯罪被害にあわないための心がけや高齢者の熟年再婚で気を付けることをよく考えて行動しましょう。

old_couple_in_the_garden 熟年再婚のメリット・デメリット|幸せになるためのチェック項目

まとめ

今回は国際ロマンス詐欺について解説しました。

国際ロマンス詐欺は、愛という人間の感情につけこんだ卑劣な犯罪です。そんな不貞な輩に貴重な老後資金を奪われないよう、注意深くオンライン画面の相手をチェックしていきましょう。

ライター紹介 | 杉田 Sugita
認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。

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