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シニアになってからの学び直し|人生を楽しむためのリカレント教育とは

 

この記事のサマリ

  • 学び直し(リカレント教育)は何歳でもできる
  • シニアの学び直しにはメリットがある(認知症予防・生きがいなど)
  • シニアの学び直しができる場所を紹介(大学・生涯学習センター・通信教育など)
  • シニアが学び直しをするときの注意点を紹介(体調管理・予算管理など)

大人になってからでも勉強はできます。

子供の頃に嫌々やらされていた勉強よりも、むしろ大人になってからの学び直しの方が楽しいかもしれません。これからの人生を有意義なものにするために、自分の意思で好きなことが学べるからです。

時間に余裕があるシニア世代は、学び直しのチャンスです。現役時代には時間がなくて挑戦できなかった学び直しを、シニアになったからこそ始めてみましょう。

今回はシニアの学び直しについて解説します。

学び直し(リカレント教育)とは

stadyと書かれたチップとノートと鉛筆と人形

学び直しとは、義務教育を含む学校を卒業して社会人になってから再び学習することを指します。学習の習慣を繰り返すという意味から「リカレント(繰り返し)教育」とも呼ばれ、シニア層が学ぶ場合には「生涯学習」とも呼ばれます。

現役世代の学び直し(リカレント教育)は主に昇進や昇給、転職などを目的に行われることが多いですが、シニアの学び直しは老後生活をより充実したいとの目的で行われることが多く、学習という行為自体に魅力を感じているシニアは少なくありません。

ミドルシニアの7割が学び直しの必要性を実感

いま、多くのシニアが学び直しの必要性を実感しています。

人と組織の研究・コンサルティングを行う株式会社パーソル総合研究所が2023年にミドル・シニア層の学習意欲について調査した結果、回答者の70.1%が「何歳になっても学び続ける必要がある」と回答しています。

ミドルシニアの学び直しに関する意識グラフ

画像引用:株式会社パーソル総合研究所|ミドル・シニアの学びと職業生活についての定量調査

ただし、学び直しの必要性を実感している回答者のうち、実際に学び直しを実行している人はおよそ4割しかいないという結果も明らかになっています。

「学び直しをしたい」「学び直しをしなければいけない」と思いながらも、6割以上の人は実行に移せていません。

シニアが学び直しをするメリット

黒板にMERITの文字と指示棒

せっかく学び直しをする意欲があるというのに、一歩が踏み出せないのは誠にもったいないことです。

なぜならシニアが学び直しをすると、多くのメリットが生まれるからです。

以下からはシニアの学び直しによるメリットをご紹介します。

再就職に役立つ

最近では多くの人が、シニアと呼ばれる年代になってもできる限り仕事を続けたいと希望しています。

再雇用・継続雇用ができる会社に勤めていれば定年年齢に達しても働き続けることができますが、制度がない会社だったり、継続雇用後の職種や待遇に納得いかない場合は次の仕事を自分で見つけなければいけません。

学び直しをすることによってスキルアップが図れ、資格などの取得により就職活動が有利に進められます。

いまの時代に役立つ資格は以下の記事でご紹介しています。

これからの時代に役立つ資格10選|仕事と自分の生活に必要な資格とは

また再就職ではなく、定年退職後には思い切って独立開業するという選択もできます。独立開業に役立つ資格は以下の記事を参考にしてください。

計16士業のうち定年後のシニアが取得しやすい資格とは|トップ5を徹底解説

認知症予防になる

学習をすると脳が活発に働くため、脳内の神経ネットワークが強化されて認知機能の維持向上が期待できると考えられています。

つまりシニアの学び直しは、認知症予防としても役立てられるということです。

認知症を予防する方法は学び直し以外にもあります。詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてください。

認知症を予防する方法|リスク軽減のために今からできる対策9選

社会との関わりが増える

シニアになると外出の機会が減少しがちになるため、家族以外の第三者と交流する機会も減少してきます。同居家族がいないおひとりさま世帯のシニアの場合には、一週間まるまる誰とも口を利かないといった人も珍しくはありません。

高齢者の社会的孤立は病気や認知症、また孤独死のリスクを上げると言われています。積極的に外部とのコミュニケーションをとり、社会とのつながりを維持し続けなければいけません。

自分や家族が孤独死しないための8つの対策|社会的孤立解消が孤独死を防ぐ

学び直しのためにスクールや教室に通うと、先生や勉強仲間とコミュニケーションする機会が増えるため、社会的孤立を防ぐことができます。

生きがいが見いだせ生活が充実する

新たな知識や技術を学び、もっと知識やスキルをつけたい、もっと上手くなりたいと願い努力することで人生に生きがいが見いだせます。日々の生活が充実し、よりいきいきとしたシニアライフが送れるようになります。

多くのシニアが学んでいる内容

学び直しをしているシニア層は、実際にはどのような内容を学んでいるのでしょうか。

上記でご紹介したパーソル総合研究所の調査によると、ミドルシニアがもっとも多く学んでいる趣味分野の学習内容は「英語」です。英語以外の学習は多い順に「語学(英語に特定しない)」「音楽」「スポーツ」「資産形成・資産運用」と続きます。

過去に学んでいた内容をミドルシニアになってから学び直している人だけに着目すると「ビジネス・仕事」がもっとも多くなります。学び直しをしている人は余暇の楽しみよりも、再就職等のために自分のスキルアップを目指している人が多いことがわかります。

シニアが学んでいる内容グラフ

画像引用:株式会社パーソル総合研究所|ミドル・シニアの学びと職業生活についての定量調査

シニアが学び直しできる場所

勉強机とノートとクエスチョンマーク

シニアの学び直しは、いろいろな場所でできます。

以下でご紹介する場所以外にも、学び直しができる場所は街の個人教室・カルチャーセンターなどいくつも存在します。広報誌や新聞チラシ、街中の看板などをチェックしてみましょう。

大学・大学院

大学や大学院の中には、シニアを対象とした入試制度やシニア向け聴講生制度を設けているところがあります。選抜は書類審査や面接・小論文などによるものが多いため、英・数・国などの一般的な受験勉強をする必要はほとんどありません。

また大学が開催している公開講座・オープンカレッジなども受講できます。こちらは受講者の選抜がないため、学び直したいと思う内容の講座があればすぐにでも申し込めます。

大学・大学院での学び直しについては以下の記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

定年後に大学進学|学び直しで得られるメリットと注意点

生涯学習センター

生涯学習センターとは、自治体が運営する生涯学習の拠点です。

地域に暮らす住民の学びを応援するため、講演会の開催やサークル活動の支援などの事業を展開しています。芸術・文化・趣味・教養・スポーツなどさまざまな分野で生涯学習ができ、新たに学び直しをしたい人の相談にものってくれます。

ハロートレーニング

ハロートレーニング(離職者訓練または求職者支援訓練)とは、離職後に再就職を目指す人が必要な技能・スキルを習得できるようハローワークが実施している事業です。仕事に直結する実践的な内容を学ぶことができます。

ハロートレーニングの受講には費用がかからず、さらに受講手当や通所手当(交通費)等がもらえるため、お金をかけずに学び直しがしたい人にはおすすめです。

ただしハロートレーニングはあくまでも再就職したい人が対象の訓練となりますので、再就職を希望していない人は受講できません。

ハロートレーニングについては以下の記事でも詳しく解説しています。

職業訓練とは|ハローワーク申込方法・受講内容・期間・費用・手当など解説

通信教育(オンライン含む)

健康上の理由などで外出が難しい人には、通信教育での学び直しがおすすめです。

最近の通信教育では趣味や資格取得のオンライン講座が充実していますので、自宅にいながら好きな分野の学び直しができます。

何らかの事情で高校を卒業できなかったシニアにおすすめの通信教育は、NHK学園高等学校です。高校にそもそも行かなかった人は新入生として、また高校を中退した人は編入生として入学ができます。

NHK放送学園高等学校では80代の高校生も若い人たちとともに学んでいるそうです。シニアになってからの学び直し例として尊敬に値します。

参考 NHK学園高等学校NHK学園

シニアの学び直し場所の探し方

学習用具と虫眼鏡

学び直しに挑戦してみようと思ったら、どこで学習場所を探せば良いでしょうか。

学び直しができる場所は各拠点や各サービスサイトでも探すことができますが、まだ何を学ぼうか決めていない人や、幅広く情報を網羅したいと思っている人には「マナパス」の利用がおすすめです。

マナパスは文部科学省が実施しているリカレント教育事業のポータルサイトです。大学や専門学校が開催している講座が中心になりますが、質が高いと認められた民間企業やNPO法人の講座も探すことができます。

学ぶジャンルや目的だけでなく、受講にかかる費用からも検索が可能です。

参考 マナパス文部科学省

シニアが学び直しするときの注意点

指を上にあげる2人の講師

学び直しがシニアだけでなくすべての大人におすすめしたい行動ですが、シニアが学び直しをするときにはいくつか注意したい点があります。

以下からはシニアが学び直しをするときの注意点を3つご案内します。

1.無理のないペースで勉強する

高齢になると、若い頃からは予想もできなかったほど気力・体力が衰えてきます。

健康を害しやすいシニアは無理をせず、自分に合ったペースで学び直しをするようにしましょう。

試験の前にはつい頑張って一夜漬けなどしてしまいがちですが、生活リズムを乱して体調を悪くしてしまっては本末転倒です。決して無理をせず、のんびりペースを心がけてください。

2.あらかじめ予算を立てる

学び直しには、意外に費用がかかるものです。

各講座の受講費用ばかりに目が行きがちですが、受講場所に出向く際の交通費や、必要な教科書・教材費にかかるお金なども馬鹿になりません。

学び直しに使える予算をあらかじめ設定しておかないと、学び直しの費用が老後資金を圧迫してしまう可能性があります。全体的なコストを考えてから学習を始めましょう。

3.まずは「楽しむ」

新しい知識や技能を身につけるのには苦労がつきものです。

特にシニアは加齢により脳の機能が変化していくため、物忘れをしやすかったり新しい情報の記憶が難しくなることがあります。これは認知症でなくても自然な現象です。

学び直しを始めてからも、思ったように勉強が理解できなかったり、知識や技能が身につかずに情けない思いをすることがしばしばあるでしょう。

しかしシニアの学び直しは、学習という行為をとおして人生をより楽しむためにあるものです。

上手くいく・いかないに関係なく、まずは学び直し自体を楽しむことから始めましょう。

まとめ

青空背景に「自分に挑戦」のコピー

今回はシニアの学び直しについて解説しました。

人は、いくつになっても向上できます。シニアになってもあきらめることなく、常に新しいことに挑戦し続ける気持ちを忘れずにいましょう。

ライター紹介 | 杉田 Sugita
終活カウンセラー2級・認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。

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