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自分や家族が孤独死しないための8つの対策|社会的孤立解消が孤独死を防ぐ

孤独にたたずむ老人

この記事のサマリ
  • 孤独死(孤立死)は誰にも看取られず亡くなること
  • 孤独死は10年で4倍以上増えた
  • 孤独死により周囲には経済的・精神的な影響が大きい
  • 自分や家族が孤独死しないためにできることがある

「孤独死」が大きな社会問題になっています。

高齢者の方に発生するケースが多いと思われる孤独死ですが、持病の急変や突然の事故により助けを求められないままに亡くなる孤独死の可能性は、どんな年代の方でも考えられます。

いま、日本ではどのくらい孤独死が増えているのでしょうか。孤独死によりどんな問題が起きると考えられ、孤独死を防ぐためにはどうしたら良いのでしょうか。

今回は孤独死について解説し、自分や家族が孤独死しないためにできる対策を8つご紹介します。

孤独死とは

膝を抱えてうつむく人

孤独死とは、誰にも看取られずに独りで亡くなることを言います。

家族と一緒に暮らしていない独り暮らしの方は、何らかの理由により突然亡くなったとしても、発見してもらうまでに時間がかかる傾向にあります。

死去した後の人体は急激に腐敗が進むため、発見が遅れると孤独死した方の遺体は凄惨な状態になっているかもしれません。

単身者世帯が増えた現代の日本で、孤独死は大きな社会問題になっています。

孤独死と孤立死の違い

「孤独死」と似た言葉に「孤立死」があります。

孤独死・孤立死には厳密な定義がないため、孤独死と孤立死の違いについてもさまざまな解釈があります。

一般的に孤独死と孤立死の違いは、亡くなった方が生前に社会的交流があったかどうかだと言われています。

《孤独死とは》

家族や親族、近隣住民やホームヘルパーなど日常的に交流している相手はいるが、死亡時にはそばに誰もいなかった状態

 

《孤立死とは》

仕事や社会的活動をしていない独り暮らしの方が、社会的に孤立した状態で誰にも知られず死亡した状態

高齢者の孤独死・孤立死が増えている

孤独死の発生はどんな年代の方であっても可能性がありますが、内閣府は特に65歳以上の高齢者世代において孤独死(孤立死)が増えていると考えています。

都市再生機構(UR)賃貸住宅内で発生した孤独死者数は、65歳以上の高齢者が半数以上を占めています。また1999年時点では94件だった孤独死が、2008年には4倍以上の426件にまで増加しています。

孤独死の増加

画像引用:内閣府|孤立死の増加

2017年の総務省統計局の調査によれば、高齢者の住まいは持ち家比率がもっとも大きい82.7%だそうです。

昨今の核家族化の状況を考えると、高齢者が持ち家で独り暮らししている家は昔よりずっと増えているでしょう。そのため2023年現在では、高齢者が孤立死している割合は調査時点よりもさらに増加していると考えられます。

統計からみる孤独死の現状

上記でも説明したように、孤独死(孤立死)には厳密な定義がありません。

そのため孤独死に関するデータはなかなか集めづらいのが実情ですが、いくつかの機関ができる限りのデータを収集し、孤独死に関する日本の現状を統計・分析しています。

以下、各機関が発表した統計から孤独死の現状を考えてみましょう。

死因

独り暮らししている方が自宅内で亡くなったときの死因は、病死が62.3%です。

死因不明の割合24.6%も病死だった可能性に含めると、合計86.9%が誰にも看取られず病死して、その後発見が遅れて孤独死に至った可能性があります。

孤独死の死因別統計データ

画像引用:国土交通省|死因別統計データ

発見までの日数

孤独死が発生してから遺体が発見されるまでにかかる平均日数は17日とされています。

しかし、すべての孤独死した方が2週間以上発見されないわけではありません。およそ4割近くの方は孤独死の後3日以内に発見され、3割近くは4~14日以内に発見されています。

孤独死してから15日を経過すると、その後は長期間にわたって発見されない可能性があります。発見までに90日以上かかった方もおり、孤独死した方の社会的孤立が伺えます。

孤独死が発見されるまでの日数

画像引用:日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会|第6回 孤独死現状レポート

発見した方

孤独死した方を最初に発見した方の割合は、親族が24.6%、友人が14.4%です。

男女比で見ると、女性は近親者が発見する割合が男性よりもおよそ10%高くなっています。男性よりも女性の方が社会的孤立の度合いが低いことが伺えます。

親族・友人以外の発見者の割合としては、その次には不動産管理会社や賃貸オーナーがもっとも多くなっています。これは孤独死した後に自宅外まで異臭や虫の異常発生などが起こり、それによって異変を察知したためと考えられます。

孤独死を発見した人

画像引用:日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会|第6回 孤独死現状レポート

孤独死発見の事例

孤独死した方は、どのようにして発見されたのでしょうか。

日本少額短期保険協会がリサーチした孤独死の事例では、以下のような理由が挙げられています。

《事例1:100歳超女性 発見まで6日》

家族が本人と連絡が取れず訪問し、自殺した女性を発見した。

 

《事例2:60代男性 発見まで31日》

戸室の水が流れ続けていると定期清掃会社から管理会社に連絡が入り、管理会社の訪問により発見した。

参考 第6回 孤独死現状レポート日本少額短期保険協会

孤独死によって起こる問題

悩む女性のシルエット

孤独死した方にとっては「死んでしまえば何もかも終わり」かもしれません。

ですが孤独死が発生すると、家族や知人などの関係者に大きな影響を与えます。

孤独死によって起こり得る問題を確認しましょう。

経済的な問題

自宅内での孤独死が長期間発見されなかった場合、遺体から染み出した体液や残存物を除去するために特殊清掃が必要です。

特殊清掃を請け負うマインドカンパニー合同会社では、1Kマンション洋室の特殊清掃料金を25~50万円が相場だと説明しています。

さらにウジや害虫の駆除・汚染された布団などの回収・原状復帰工事まで含めた費用の総額は300万円を超える可能性があります。

参考 孤独死後の特殊清掃料金についてMIND

上記の費用は孤独死した方の保険でまかなうか、法定相続人が支払う必要があります。法定相続人が相続放棄した場合には、アパートやマンションの所有者が代わりに支払わないといけません。

精神的な問題

孤独死ではなく普通の死であっても、誰かが亡くなれば遺族や身近な人が味わう悲しみは大きなものです。

まして孤独死なら、遺族のショックは計り知れません。

死に対する悲嘆(グリーフ)とともに、孤独死を防げなかったことに対する自責の念が遺族をさらに追い込みます。

また発見が遅れた孤独死の遺体は、普通の人が直視するにはあまりにも凄惨な見た目になっているかもしれません。葬儀で最期のお別れもできず、遺族が悲しみと折り合う機会も与えられないため、悲しみを長く引きずる可能性があります。

孤独死・孤立死を防ぐ政府の取り組み

何かをすくおうとしている手

いまや大きな社会問題となっている孤独死・孤立死に対して、政府も対策をとろうとしています。

社会的孤立が、孤独死(孤立死)を招きます。孤独死を増やさないためには、まずは孤独・孤立に悩む人を救い出す支援が必要です。

2023年5月の通常国会において孤独・孤立対策推進法が成立しました。この法律は「孤独・孤立に悩む人を誰ひとり取り残さない社会」、「相互に支え合い、人と人との「つながり」が生まれる社会」を目指すために制定され、2024年4月から施行されます。

参考 孤独・孤立対策推進法内閣官房

孤独死・孤立死を防ぐためにできること

カギのささったドア

自分が孤独死・孤立死をしないために、そして大切な家族を孤独死・孤立死によって失わないために、今からできることをやっておきましょう。

以下からは孤独死・孤立死を防ぐためにできることを8つご紹介します。

定期的に体調をチェックする

上記でも説明したように、孤独死(孤立死)した方の死因は多くが病死です。

体調が悪い状態をそのままにして放っておくと、知らないうちに病状が悪化して突然死に至る可能性があります。

定期的な健康診断や体調のセルフチェックを怠らず、病気の芽は早めに摘んでおきましょう。

健康的な生活を心がける

不健康な生活は突然死のリスクを高めます。

栄養バランスの良い食事と継続的な運動、質の良い睡眠は心身の健康状態を整え、孤独死を防ぐだけでなくフレイル予防や認知症予防の効果が期待できます。健康的に長生きするためにも日頃の健康管理に努めましょう。

シニアにおすすめのスポーツ5選!認知症や寝たきり予防になる運動とは

社会活動に参加する

孤独死をする方の多くは、社会的に孤立していたと考えられます。

日頃から近所づきあいをよくしていたり、社会活動に積極的に参加している方であれば、突然に連絡がとれなくなったときに気付いてもらえる可能性が高まります。

自宅などで突然に死を迎えることがあったとしても、遺体が悲惨な状態になる前に見つけてもらえるかもしれません。

最近では65歳以上の高齢者でも仕事を継続している方が多いですが、すでに仕事をリタイアしている方にはボランティアの参加がおすすめです。無理のない範囲でいろいろな方と交流できるため、高齢者の生きがい作りにも役立ちます。

voluntier シニアのボランティア事情を解説|ボランティアの探し方と活動内容・注意点

SNS等でコミュニケーションする

足腰が弱った高齢者の方は、仕事やボランティアのための外出もままならないかもしれません。

インターネットを利用すれば、自宅にいながらでも他者とコミュニケーションをとれます。SNSによる家族や友人との交流は、安否確認と同時に孤独感の解消にもつながりますので一石二鳥です。

スマホ シニア向けのおすすめサイト・SNS|仕事探しから友人作りまで

安否確認付サービスに申し込む

高齢者向けサービスとして、基本サービスの提供とともに安否確認を行ってくれる各種サービスがあります。

代表的なサービスは宅食サービスです。高齢者専門宅配弁当を提供する「宅配クック123」は、お弁当の配達時には利用者への直接手渡しを基本としていますので、何らかの異変があったときにはしかるべき連絡先に連絡してもらえます。

参考 トップページ宅配クック123

また家電メーカーの象印は、ポットの使用履歴を家族などにメールで送る「みまもりホットライン」のサービスを提供しています。

参考 みまもりホットライン象印

その他にも安否確認付サービスはいろいろありますので、ぜひ探してみてください。

見守り支援システムを導入する

離れている高齢の親の安否が気になる家族は、インターネットで親の生活状況が確認できる見守り支援システムを導入する案もおすすめです。

ただし、孤独死が心配だからといっても監視カメラの設置を嫌がる方もいるでしょう。

行動履歴や温度・湿度などをセンサーで確認できる「いまイルモ」はカメラ搭載ではないため、プライバシーはしっかり守りながら安心して見守りができます。

参考 トップページいまイルモ

老人ホームや介護施設に入居する

上記の対策をとっても不安が残る、または孤独感が拭い去れない場合には、老人ホーム等の高齢者向け施設への入居も検討しましょう。

ほとんどの高齢者向け施設は安否確認についてもきちんと対策をしているため、突然の異変もすぐスタッフが気付くことができます。

また老人ホーム等での生活は、仲間やスタッフとの会話が生まれて孤独感が解消できます。医療や介護が必要になったときにも適切なケアが期待できます。

老人ホーム等の介護施設は以下の記事などを参考に、適切な施設を探してください。

満足いく介護施設の選びかた|種類と入居の流れ・失敗を防ぐポイント

まとめ

今回は孤独死について解説しました。

人は誰でも、いつかは亡くなります。しかし、より良い最期を迎えるためにも孤独死は避けたいところです。

本記事をきっかけに、自分や家族が社会的に孤立していないか、孤独死の兆候はないかを今一度確認してみましょう。

ライター紹介 | 杉田 Sugita
終活カウンセラー2級・認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。

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