- 2023年10月に値上げするモノ・サービスまとめ
- 高齢者世帯は値上げによる家計負担が大きい
- 値上げラッシュから家計を守る対策を4つ紹介
各社の発表によると、2023年10月にはいろいろなモノやサービスの値上げが予定されています。
今回は2023年10月に値上げが予定されているモノ・サービスの例をご紹介しながら、なぜ値上げが起きるのか、物価上昇に備えてどんな対策をしていけば良いかについて解説します。
目次
2023年10月はいろいろな値上げが相次ぐ
2023年10月より値上げが予定されているモノ・サービスは以下のとおりです。
なお下記で紹介する値上げ予定には、電気料金やガソリン代など10月以前から値上げが続いているモノ・サービスは含まれていません。
ガソリン代については2023年10月に補助金がなくなる影響で値上げが見込まれていましたが、政府の介入により変動する可能性があるなど価格推移が流動的ですので、常に情報チェックをしてみてください。
食品
2023年10月にもっとも値上げされる製品は食品類です。以下で紹介しているのはほんの一例で、それ以外にも多くの食品が10月からの値上げを予定しています。
10月以前にも多くの商品が値上げされており、日銀の試算では2023年全体の物価上昇率を2%増と見込んでいますが、食品に関してはそれ以上の負担増が想定されます。
《食品値上げの例》
森永乳業 | 39品目の希望小売価格4%~12%値上げ |
伊藤ハム | 221品目の希望小売価格3%~30%値上げ |
丸大食品 | 350品目の希望小売価格5%~30%値上げ |
飲料・酒
食品とともに2023年10月の値上げ品数が多いモノは飲料・酒類です。
ただしビールに限っては、酒税の引き下げにより値下げが見込まれています。
《飲料値上げの例》
伊藤園 | 150品目の希望小売価格4%~16%値上げ |
コカ・コーラボトラーズジャパン | 121品目の希望小売価格6%~18%値上げ |
キリンビバレッジ | 127品目の希望小売価格6%~25%値上げ |
《酒類値上げ(家庭用)の例》
サントリー | 121品目の希望小売価格2%~10%値上げ |
サッポロビール | 121品目の希望小売価格4%~12%値上げ |
アサヒビール | 162品目の希望小売価格6%~17%値上げ |
タバコ
タバコは10月からのたばこ税引き上げに伴い、加熱式タバコの値上げが予定されています。
日本たばこ産業(JT) | 17銘柄の価格1箱あたり10円~20円値上げ |
フィリップモリスジャパン | 23銘柄の価格1箱あたり20円値上げ |
外食
外食産業はコロナ禍の影響により、2022年以前から9割超の企業が値上げをしています。
価格は据え置きでもメニューの食材量を減らすなど、実質的な値上げをしている飲食店も多く見られます。
2023年10月より値上げを発表している外食産業は以下のとおりです。
《外食産業値上げの例》
すかいらーくグループ | 5ブランドの4割メニュー平均5%値上げ |
吉野家 | 一部メニューを除き平均18.8円値上げ |
スシロー | 税込最低価格を110円→120円に値上げ |
レジャー
レジャー施設では10月からディズニーリゾートが値上げを発表しています。
なおUSJは2023年8月に期間限定の値上げを行い、その後は値上げ前の価格に戻っています。
ディズニーリゾート | パークチケットの最高価格1,500円値上げ(最低価格は据え置き) |
公共交通機関
公共交通機関の運賃に関しては、JRや東急電鉄など各社が2023年3月に相次いで値上げしたため、多くの公共交通機関では10月の値上げは予定していません。
2023年10月に値上げが予定されている公共交通機関は以下のとおりです。
京急電鉄 | 初乗り運賃(1円単位)14円値上げ |
京王電鉄 | 初乗り運賃(1円単位)14円値上げ |
配送料
大手配送会社で2023年10月に値上げを予定している企業は日本郵便(ゆうパック)です。
なおヤマト運輸および佐川急便は2023年初旬~春に値上げ済のため、10月には値上げを予定していません。
《ゆうパック値上げの例》
ゆうパック | 60サイズ(関東~近畿)20円値上げ |
振込手数料
2023年10月には三菱UFJ銀行が振込手数料の値上げを予定しています。
他のメガバンクでは10月値上げは予定されていませんが、三菱UFJ銀行の価格改定を受け11月以降に追随する可能性も充分考えられます。
三菱UFJ銀行 | ATM・窓口振込手数料(同行・他行宛)を平均445.5円値上げ |
2023年10月に値上げが多い理由
10月に限らず2023年にはいろいろな値上げが相続きましたが、どうして各社は集中して値上げを発表しているのでしょうか。
2023年10月に値上げされるモノやサービスが多い理由には、以下のような理由が考えられます。
決算期の関係
一般的に企業の決算時期は3月末・9月末が多い傾向にあります。
期末決算や半期決算のタイミングで価格変更を行えば、株主への説明や取引先との調整が比較的しやすくなるため、10月のタイミングで商品・サービスの値上げが多くなると考えられます。
原油・原材料価格の高騰
2022年から続くロシアのウクライナ侵攻の影響により、ロシアで産出されている原油の輸出量が減少しています。原油価格の上昇はガソリン代の高騰につながり、物流コストを増大させます。
またロシアおよびウクライナは穀物の生産大国です。ウクライナ侵攻の長期化により小麦やトウモロコシなどの輸出が大幅に激減し、穀物の価格に加えて穀物を飼料とする鶏や豚の飼育にも影響が生じています。
さらに、地球温暖化が原因と推測される世界的な天候不順による世界各地の人的・農産物への被害も商品・サービスの価格に大きな影響を与えています。
円安による輸入コスト増
2022年にはおよそ20年ぶりに米ドル為替相場が130円を突破し、その後も円安傾向が続いています。
円安は輸入に大きな影響を与えます。米ドル100円相場だったときには100円出せば外国から購入できた品物を、米ドル130円相場になったときには130円出さなければ購入できなくなるからです。
原料の調達を輸入に頼ることが多い日本の各産業は、円安が続けば続くほどコストが増大し、それを販売価格に転嫁しなければ赤字になってしまいます。
人件費の上昇
日本の少子高齢化や、団塊世代が定年年齢を迎えて一成退職したことにより、2023年現在は大変な人材不足の状態が続いています。
企業を運営するために必要な人材を確保するためには他社よりも高い給与を提示しなければいけないため、人件費が増大している点もモノ・サービスの値上げにつながる理由のひとつです。
高齢者の家計を直撃する値上げ事情
モノやサービスの値上げはどの世代の家計にとっても影響を与えますが、高齢者世帯には特に大きな影響が生じると考えられます。
高齢者世帯は全体平均よりも物価上昇のインパクトが大きいと言われています。高齢者 は他の世代に比べて基本的な衣食住にかかる費用の割合が高く、モノやサービスの値上げがされても節約が難しいからです。
さらに高齢者は、2022年に後期高齢者医療制度が改正され、75歳以上の医療保険の自己負担額が1割から2割になったなど医療費の増加もありました。
また2023年5月の健康保険制度の改正により、2024年以降は後期高齢者の年間保険料が引き上げられることが既に決まっています。
生活必需品の購入費と医療費の増加が、ダブルで高齢者の家計を直撃してくることになるのです。
値上げラッシュから老後資金を守る対策
できれば値上げしないで欲しいと願っても、昨今の情勢を見る限りさまざまなモノやサービスの値上げは止められません。
さまざまなモノやサービスは値上げされても、できるだけ家計に影響を受けないようにするにはどうしたら良いのでしょうか。
ここからは値上げラッシュから老後資金を守るための対策を4つ紹介します。
後期高齢者医療制度の配慮措置を受ける
2022年の後期高齢者医療制度改正で75歳以上の医療費自己負担は原則2割に変更されましたが、同時に配慮措置も設けられることになりました。
高齢者世帯の急激な家計圧迫を避けるため、医療費の負担割合が2割となる後期高齢者は3年の間、外来の負担増加を月3,000円までに抑えられます。
参考 後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)厚生労働省この配慮措置は窓口での支払いを免除するものではなく、一度支払った診療費を申請に基づき返還する形で行われます。該当する方には広域連合や市区町村から申請書が郵送されてきますので、放置せず必ず申請をしてください。
確定申告をする
後期高齢者医療制度により支払った保険料は、確定申告時に社会保険料控除として控除できます。
所得が年金受給だけの方も、控除により年金から差し引かれる所得税が下がって受け取れる年金額が増える可能性があります。支払医療費が高額になった方は忘れずに確定申告しましょう。
年金受給者の確定申告については以下の記事でも詳しく解説しています。
年金受給者の確定申告は必要か不要か|要不要の判断基準と申告方法・FAQ付仕事をする
値上げにより支出が増えても、収入が上回れば家計が赤字に転落することはありません。
高齢者と呼ばれる年代になっても、できる限り仕事を続けて収入を確保しましょう。
また仕事で身体を動かすことにより体力・筋力の維持もできて、将来的な医療費と介護費の節約も可能になります。
高齢者の仕事の探し方については以下の記事を参考にしてください。
65歳からの仕事探し|仕事の探し方と年金についてのポイントを解説物価が安い地域に移住する
現在は日本だけでなく海外でも物価が上がっていますが、地価の高い地域に住んでいる人などは家賃の低い田舎や外国に移住することで住居費が抑えられる可能性があります。
また自治体によっては移住者に対して助成金を支給しているケースもあります。
ただし、すべての移住で家計が節約できるとは限りませんので、以下の記事などを参考にして慎重に検討を行ってください。
老後の地方移住のメリットとデメリット|成功させるための3つの対策とはまとめ
今回は2023年10月に値上げされるモノ・サービスを紹介しながら、高齢者の老後資金を値上げラッシュから守る対策について解説しました。
現在の情勢を考えると、値上げはやむを得ません。できるだけの対策を取り、モノやサービスが値上げしても家計が赤字にならないよう努力しましょう。
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