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65歳からの仕事探し|仕事の探し方と年金についてのポイントを解説

65歳以降も働く高齢者

この記事のサマリ

  • 65歳以上のうち、50%以上は働いている
  • 警備や軽作業など、資格や体力に関係なく働ける仕事がおすすめ
  • 働きながら年金を受け取るなら減額や支給停止に注意

以前は60歳定年が主流でしたが、現在では65歳まで定年が延長しており、シニアになっても働き続ける方が増加傾向にあります。70歳までの雇用が企業の努力義務になったこともあり、今後もこの傾向は続いていくでしょう。

しかし、65歳以上でどんな仕事があるか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。働きながら年金を受け取る場合、支給停止にならないように注意することも求められます。

そこで本記事では65歳以降の方に向いている仕事と、年金を受け取りながら働く注意点を解説します。

65歳から上の世代に関する雇用・就労状況

円グラフ

内閣府では定期的に「高齢社会白書」を公開しており、そこにはシニア世代の就労状況が公表されています。

65歳以上の50%以上は働いている!

内閣府が公表した令和4年版「高齢社会白書」によれば、年齢階級別就業率の推移は以下のとおりです。

  • 60~64歳:71.5%
  • 65~69歳:50.3%
  • 70~74歳:32.6%
  • 75歳以上:10.5%

65歳以上でも働いている方は、実に半数以上にもなることが分かります。

高齢者の就業率

画像引用:令和4年版高齢社会白書(全体版)

同資料によると、令和3年の労働力人口は6,907万人で、そのうち65~69歳は410万人、70歳以上は516万人でした。労働力人口に占める65歳以上の割合は13.4%と、年々増加を続けている状態です。

労働力人口比率(人口に占める労働力の割合)でも65~69歳で51.7%、70~74歳は33.2%と、こちらも平成17年以降一貫して上昇傾向にあります。

参考 令和4年版高齢社会白書(全体版)第2節 高齢期の暮らしの動向内閣府

65歳以上のシニアを積極採用している企業もある

高齢者にも人気の職種としては「ビル管理・マンション管理」など、保有資格や現役時代の経験値を活かせる仕事があります。

一方で、資格がない方でも外食・小売業で働くことも可能です。これらの産業は若者向けと思われるかもしれませんが、シニア層を積極的に採用している企業もあります。

例えば、ハンバーガーチェーンのモスバーガーは古くからシニア採用に力を入れている企業として知られていて、高校生以上であれば応募に年齢制限はありません。

求人情報ページでもシニア世代のスタッフインタビューが掲載されており、働き方の参考として利用できます。

参考 モスバーガーのアルバイト・パート求人情報モスバーガー

65歳からの仕事の探し方

再雇用 ボード

シニア世代が仕事を見つける場合は元から勤めていた企業に再雇用してもらう方法が一般的ですが、それ以外にも窓口になる機関を利用する方法もあります。

再雇用

今まで働いていた会社を退職したあと、同じ会社に雇用されるのが「再雇用制度」です。

企業は再雇用の希望者を雇用することが義務になっているので、長く会社員を勤めた方には最も一般的な方法と言えます。労働する側としても慣れた環境で仕事ができるというメリットがあります。

ただし、雇用条件が見直されるため、給与が現役時代の約半額ま落ちてしまうケースもあるようです。

また配置転換によって、今までと関係のない部署に異動になる可能性もあります。

例えば、現役時代に営業や総務といった事務方で働いていた方が、再雇用を機に現場に配属されるといったケースです。

ハローワーク

全国に500以上あるハローワークでは年齢不問の仕事も多くあります。

正社員からパートまで幅広い雇用形態の仕事を取り扱っているため、体力に合った仕事を探せるでしょう。

「生涯現役支援窓口」が設置されたハローワークなら、シニア世代の履歴書・職務経歴書の書き方等についてアドバイスを受けることもできます。

シルバー人材センター

都道府県知事から指定された公益社団法人です。高齢者が働くことを通じて生きがいを得ること、地域社会の活性化に貢献することを理念としています。

仕事を請け負うためには会員登録と年会費の支払いが発生し、シルバー人材センターが受注した仕事に適任な方を会員から選んで割り振ります。

仕事に定められた報酬体系が決まっているので月額収入としては自分で仕事を探すよりも少なくなりますが、社会貢献をメインに働きたい場合には候補になるでしょう。

65歳以上でも働ける仕事

清掃の仕事

近年は外食や小売業でもシニアの採用が進められていますが、それ以外にも根強い人気があるのが「警備」「清掃」「軽作業」などの業界です。

いずれも体力的に厳しくなくシフトの融通も利くため、65歳以上のシニアでも無理なく働けるでしょう。

警備

警備は年齢や経験不問のところが多く、65歳以上でも問題なく働ける就業先として代表的な業種です。

特に「施設警備」「交通誘導」の2つの求人が多く募集されています。

施設警備は商業施設やオフィスビル、病院などの施設を警備する仕事で、交通誘導は駐車場や工事現場で車両の誘導を行います。

就業にあたって特別な知識・資格は不要で、シニア世代が活躍する姿をよく見かけます。

ただし、雨でも外で働いたり長時間立ち続けたりと、我慢強さは求められます。

清掃

清掃も65歳以上が働ける代表的な仕事です。

車内清掃(新幹線など)やホテル・病院など活躍できる場所は多く、働く場所を選びません。女性であれば日常生活で身に着けた掃除スキルをそのまま活かすことができるという意味でもおすすめです。

重労働という部類ではなく、適度に体を動かせることから健康維持目的でも有効です。

軽作業

工場や倉庫の検品・仕分け・梱包・出荷に関する業務は、まとめて軽作業と呼ばれることがあります。

雇用形態はパートや派遣待遇が多いですが、キャリアパートなどの名称で社員に近い待遇を得たり、あるいは現場を統括する正社員になれたりと、雇用形態を多いことが特徴です。

自分が働ける範囲で働きたい方に向いているでしょう。

商品によっては品質チェックや重量計測が必要で、細かな作業が得意な方に向いています。

以下の記事では老後に人気が高い仕事をランキング形式で紹介しています。こちらも参考にしてみてください。

老後の仕事 老後に人気が高い仕事ランキング|シニアが仕事を続けるメリットは3つ

これまで紹介した職業はいずれも無資格で働けるものばかりです。

ただ、なかには資格を持つことで雇用されやすくなったり有利な条件で働けたりするものもあります。

以下の記事ではシニア向け資格と取得方法について解説しています。専門的な仕事を探すなら参考にしてみてください。

watching_outside_from_the_window 老後に働くための資格7選|取得しやすく働きやすいシニア向け資格の取り方

65歳以上が働く際に知っておきたい年金の話

年金 計算

65歳以上の方が働く際に気にしておきたいことの1つに年金があります。

うまく制度を利用することで将来の受取額を増やすこともできますが、逆に支給停止になる可能性があることも知っておきましょう。

繰り下げ受給を選択すれば将来の受取額が最大84%アップ

年齢によって受け取れる年金(老齢年金)には大きく分けて「老齢基礎年金」「老齢厚生年金」があり、いずれも65歳から支給が開始されるのが基本です。

ただ、年金なしでも生活できる方の場合、受給開始年齢を後ろに繰り下げることもできます。

従来の繰り下げ受給では上限年齢が70歳でしたが、年金法が改正されたことで75歳までの延長が可能になりました。

年金繰り下げイメージ

画像引用:令和4年4月から老齢年金の繰下げ受給の上限年齢が75歳に引き上げられました|日本年金機構

繰り下げる時期は1ヶ月単位で任意に決められ、1ヶ月ごとに0.7%が増額されます。

老齢基礎年金と老齢厚生年金、どちらか一方だけ繰り下げることも可能です。

70歳まで繰り下げた場合の年金額は42%増額、75歳まで繰り下げた場合の年金額は最大84%増額となり、受取額が大きく増加します。

ただし、後から紹介する加給年金は繰り下げても増額はされません。

在職老齢年金の仕組みで受取額が減額される場合も

65歳以上で仕事を続ける場合でも、年金を受け取ることが可能です。ただし、厚生年金を受け取っている場合は収入によって老齢厚生年金の一部または全額が支給停止になってしまいます。

この仕組みが「在職老齢年金」です。70歳まで厚生年金に加入している方の期間で条件が合致した場合に支給が停止されます。

支給停止の計算式は以下のとおりです。

(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)×1/2

支給停止になる条件は「基本月額と総報酬月額相当額が合計47万円を超える」ことです。基本月額は年金の月額で老齢厚生年金を12で割った額(加給年金除く)です。要するに年金と労働収入の合計が47万円を超える場合には在職老齢年金支給停止の対象に含まれます。

賃金と年金額の合計額が47万円を超える場合、47万円を超えた半分が年金額より支給停止になるので注意が必要です。

ただし、老齢基礎年金は減額されず、全額が支給されます。

加給年金の受け取りに注意

加給年金は、厚生年金の被保険者が65歳に達した時点で、被保険者が扶養する子どもや配偶者がいる場合などの条件を満たすと支給される年金のことです。

扶養家族がいる場合に通常の老齢厚生年金にプラスで支給されるもので、生活費の補てんに利用できます。

老齢厚生年金が全額支給停止になった場合は加給年金も支給が停止されます

加給年金は前述のとおり支給額も大きいため、全額が支給停止になると年金額は大きく下がります。

加給年金を受け取るためにも、厚生年金が全額支給停止にならないように注意して働く必要があるでしょう。

加給年金の条件について詳しくは以下の記事をご参照ください。

thinking_about_money 加給年金とはどんな制度?受給条件3つ(被保険者期間・年齢・収入)を確認

まとめ

本記事では65歳以降の方に向いている仕事と、年金を受け取りながら働く注意点を解説しました。

現在はシニア世代の雇用が進んでおり、特に警備や軽作業、女性なら清掃など無資格・未経験でもできる仕事がおすすめです。専門的な資格と経験があれば、それを活かして再雇用される道もあるでしょう。

ただし、収入と年金額が一定を超えると「在職老齢年金」の仕組みで減額や一時停止もあり得るので、年金とのバランスをみて労働時間を決めることも大切です。

そなサポでは年金についても多数記事をそろえています。

以下のリンクから年金関連の記事をまとめてご覧いただけますので、あわせてお読みください。

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3つライター紹介 | 高柳政道 Takayanagi Masamichi
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