- 終活に断捨離を取り入れる方が増えている
- 断捨離はヨガの断行・捨行・離行を組み合わせた言葉
- 初めての断捨離ではやりやすい品からステップを踏むと良い
- 必要な品まで断捨離しないように注意
断捨離がブームになってから久しく、今では芸能人をはじめ多くの方が断捨離にチャレンジしています。
終活方法のひとつに「生前整理」がありますが、断捨離は生前整理にも役立つのでしょうか。また生前整理の代わりに断捨離をするときには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
今回は終活として取り組む断捨離について解説します。
目次
断捨離とは
断捨離とは、もともとヨガ哲学の断行・捨行・離行を組み合わせた言葉です。
- 断行→悪い習慣を断つ
- 捨行→不必要な物を捨てる
- 離行→お金や地位、物への執着を手離す
つまり断捨離は単に物を捨てるというだけでなく、自分の身の回りから物を少なくすることによって物事や行動、自分の意識を軽やかにしていこうと考える精神修行を意味しています。
終活の一環として行う断捨離
最近では、終活の一貫として断捨離を行う方も増えてきています。
俳優の中尾彬さんがトレードマークのストールを200本処分したり、高橋英樹さんが洋服や家具など合計33トンもの不用品の断捨離をしたというニュースも話題になりました。
また、泉ピン子さんが過去に受賞したトロフィーや賞状を処分したのも、遺族が処分に困らないようにとの生前整理が目的だそうです。
多くの方が終活目的に断捨離を行い、ご自身の断捨離の様子をブログに書いたり、YouTubeにアップしたりしています。
断捨離や生前整理以外を題材とした終活ブログも沢山ありますので、興味がある方は以下の記事も参考にしてください。
あの人の終活に学ぼう、お勧めのブログを紹介。さらにあなたも終活ブログにチャレンジ!終活の一環として年賀状をやめる方もいらっしゃいます。終活年賀状について詳しくは以下の記事も参考にしてください。
年賀状をやめたい理由と具体的にやめる方法|やめて後悔した場合はどうするか 終活年賀状の書き方(例文あり)|適切な年賀状じまいのタイミングとは生前整理と断捨離の違い
終活手段のひとつである生前整理と断捨離とは似ているところもありますが、それぞれの意味合いは少し異なります。
生前整理とは
- 自分の死後に備えて身の回りの物や情報をまとめておくこと
- 必ずしも処分するとは限らない
- 基本的には家族のための行動
断捨離とは
- 生きている自分が身の回りの物や情報を手離すこと
- できる限り処分するのが望ましい
- 基本的には自分自身のための行動
とはいえ、実際には同じ作業をすることも多いので、ヨガを極めようという方でない限りは厳密に区別しなくても問題はありません。
終活で断捨離をするメリット
断捨離を終活手段のひとつに取り入れることで、以下のメリットが生まれます。
生前整理とは違い「捨てる」を重視した断捨離ならではのメリットを見ていきましょう。
遺族の負担が減る
断捨離をしないままに亡くなると、故人の所有物は残された家族や関係者が処分しなければいけません。
人が生きていく上で必要となる所有物の量は非常に多いので、遺品整理の作業も時間的・肉体的に膨大です。
生前に断捨離をしておけば、遺族の負担を軽減できます。
相続財産がはっきりする
不要品や価値のない物の断捨離をした後は、手元には「何らかの価値があるもの」だけが残ります。
残したものに資産価値がある場合は、遺族の相続対象です。
断捨離で「相続すべきもの」「相続しなくてもよいもの」がはっきりし、相続財産が整理できるのがメリットです。
また、断捨離の過程で判明した相続財産をエンディングノートなどにまとめておけば、より一層遺族の手間が省けます。
気持ちの整理ができる
断捨離は上記で説明したとおり、物への執着を手離す離行を含むヨガ修行です。
ものと一緒に「死」への恐れをも捨て去ることで自分の意識が軽やかになり、おだやかな老後を過ごせるようになるのも断捨離の利点です。
高齢者が暮らしやすい家になる
日常生活の中で溜まりに溜まった不用品の断捨離をすれば、家の中がスッキリと片付きます。
高齢になると足元がおぼつかなくなり、散らかった家では転倒の危険性があります。人生の最期まで自宅で過ごせるようにするためには、高齢者が暮らしやすい住まい作りにしておかなければいけません。
断捨離をし、転倒予防を心がけることで、住み慣れた自宅での最期を迎えられることも可能です。自分の最期をどこで迎えるかの選択肢を増やすことができます。
断捨離の分類方法
断捨離で処分すべき物を決めるときには、まずは全ての所有物をざっくりと以下3種類に仕分けます。
残しておくもの | これからも使用する予定の服や小物など 現在使用中の家具・家電 必要な財産管理書類(通帳など) |
処分するもの | 不要となった本・衣類・食器など 古くなり未使用の家具・家電 廃棄しそびれていた空き箱・包装紙・雑誌など 旧書類など |
処分するか悩ましいもの | 思い出の品など |
初めて断捨離を行う際には、どうしても処分するかどうか悩んでしまう品物が出てきます。
そのような場合は無理に処分せず「とりあえずキープ」するものとして一ヶ所にまとめておくなどし、次回の断捨離で再考するのがおすすめです。
処分方法の選択肢
「処分するもの」に分類された品物は廃棄しても良いですが、買取業者などに売却すれば利益になります。
また、最近ではメルカリなどインターネットで個人間売買する手段もありますので、不用品を処分しつつお小遣い稼ぎをするのも良いかもしれません。
断捨離のステップ
断捨離は一度に何もかもを仕分けようとすると、もので溢れかえって手がつけられません。また、不用品の種類によって、捨てるか否かの判断がしやすい品と、判断に悩む品があります。
断捨離を初めて行う方は、比較的判断がつけやすい品からステップを踏んで進めていきましょう。
STEP1:本・雑誌
本や雑誌は比較的断捨離がしやすい分野です。
再読したい本は図書館で借りたり電子書籍を利用することにして、一切の本・雑誌を処分してしまうのも一案です。
STEP2:衣類
衣類は「2年着なくなった服」を目安に処分することをおすすめします。
フォーマルドレスなど特別な日用の衣類は登場する機会が少なく、いざ着ようと思った際には流行遅れにもなってしまいますので、必要なときにその都度レンタルした方がお得でもあります。
STEP3:家具・家電
冷蔵庫や洗濯機などの大物家電は買い替え時に廃棄処分するのが一般的ですが、ノートパソコンや携帯電話、オーディオ類、台所家電などはついそのまま置いておきがちです。
小型家電の無料回収業者などを利用し、適切に処分しましょう。
STEP4:レジャー用品
キャンプ用品などのアウトドアグッズ、スキーなどのスポーツ用品は「子供が小さい時は使っていたけれど…」と言う方が多いようです。
年齢を重ねると昔と同じようには身体が動かなくなりますし、古くなった各種グッズは経年劣化により使用に難が出ているケースもあります。今後の使用予定がないかも確認し、古びて使えない場合は処分しましょう。
STEP5:書類
DMやカタログ類、パンフレットなどは全て廃棄しましょう。
使用中の家電の取扱説明書は必要と思い取っておく方が多いですが、ほとんどのメーカーでは公式サイトから取扱説明書が閲覧できますので、廃棄しても問題はありません。
原本でないといけない重要書類以外は、スキャンしてデジタルデータに残しておけば廃棄可能になります。
STEP6:思い出の品・アルバム
古いアルバムや手紙などの思い出の品は、心情的に一番断捨離をするのが難しい品物です。
写真はスマホアプリを利用してデジタル保存し、過去の年賀状なども最新の住所などを控えてシュレッダーで廃棄しましょう。
手紙については、中には家族が中を見てあまり気を良くしない種類の内容のものもあり得ます。そのような類の手紙は記憶の中だけに留めておき、家族の目に触れないうちに処分することをおすすめします。
終活と断捨離はどの年代から始めるべき?
断捨離はどの年代で始めても問題ありません。10代~20代の若年層から、20代~40代、50代の働き盛り、もしくは60代以上のシニア層まで、等しく行うことができます。
終活についても同じことが言えますが、20代の若年層が行う終活と、60代以上のミドル・シニア層が行う終活は、終活の目的や手段が若干異なります。
10代~20代、30代~40代、50代~60代、70代以上の各年代におすすめの終活方法については以下記事を参考にしてください。
終活はいつから始めるべきか|年代ごとの方法と年齢以外に必要な要素とは終活で断捨離をするときの注意点
いろいろなメリットのある断捨離ですが、実行に際しては注意しなければならない点もあります。
すぐに始めるのではなく、あらかじめ注意点を確認しておきましょう。
必要なものまで処分しない
断捨離をすると気分がスッキリしますので、ベテランになるに従って「あれも捨てよう」「これも捨てよう」と、何もかも捨ててしまいたくなる傾向があります。
勢いづいて本当に必要な物まで処分してしまい、後であわてるケースもあるため、要不要の仕分けをした後はいったん間をおいて処分前に再考しましょう。
また家族と同居している方は、家族が処分に同意しているかどうかも確認する必要があります。家族が使っている物を勝手に処分するのは絶対に控えましょう。
回収業者などの選定は慎重に
不用品の回収業者を利用する場合、悪徳業者につかまって契約トラブルになるケースが多く見られます。
回収業者に頼む前には見積内容をよく確認し、想定外の費用が発生しないかを確かめましょう。
また買取業者への売却や個人間売買でも、契約トラブルになる可能性があります。インターネットの口コミや評価を確認し、信用のおける相手かどうかきちんと見極めてから契約を行ってください。
まとめ
今回は終活のひとつとして断捨離を行ったときのメリットや手順、注意点などについて解説しました。
断捨離で身も心もスッキリさせることで、人生の最期への道筋もまっすぐに見えやすくなります。
より良い人生を送るための終活と断捨離を、自分の生活に取り入れてみましょう。
家族に対する思いやりのひとつとして、終活という家族への大きな贈り物を用意しておきましょう。
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