- 年賀状をやめたい方が若年層を中心に増加している
- 年賀状をやめたい理由は「SNS経由での交流」「作成の負担」「終活の一環」など
- 終活年賀状を送付すればスマートに年賀状をやめられる
- 年賀状をやめて後悔したら復活または別の手段で年始挨拶を
毎年恒例の年賀状ですが、最近では年賀状をやめたいと思っている方が増えているそうです。
年賀状をやめたいと考え始める理由は何なのでしょうか。そして、実際に年賀状をやめるときにはどうしたら良いのでしょうか。
また、年賀状をやめてから後悔した場合はどうしたら良いでしょうか。
今回は年賀状をやめたい理由と、年賀状をやめる方法について解説します。
目次
年賀状をやめたい方が増えている
かつては円滑な社交のためには欠かせない存在だった年賀状も、現在ではやめたい方が増えています。
日本郵便の発表によれば、2022年(令和4年)用の年賀はがきの総発行枚数は19億枚を超える程度でした。
19億枚も発行されていると聞くと多いような気がしますが、2020年(令和2年)用年賀はがきの総発行枚数23.5億枚に比べて20%も減少しています。
さらに2010年(平成23年)の総発行枚数38億枚に比べると半数にまで減少しており、すでに年賀状は年始挨拶に欠かせない存在ではなくなってきているのです。
若い世代ほど年賀状をやめている
年賀状をやめている層は、特に若年層に多く見られます。
保険会社のシンクタンクとしてさまざまな社会調査を行っているニッセイ基礎研究所が2020年に実施したインターネット調査によれば、年賀状を出した方の年齢は60代が68.1%、対して20代以下は31.7%でした。
30代から50代の割合も、年代が下がるごとに年賀状の送付割合も下がっています。
画像引用:ニッセイ基礎研究所|男女、年代、地域別、年賀状を出した人の割合(2020)
現時点で年賀状をやめている方が、年を重ねて年賀状を出すようになる可能性は限りなく低いでしょう。そのため、将来的にはどの年代の方であっても年賀状を出す割合は低下していくと推測されます。
年賀状をやめたい気持ちに男女差はない
上記のニッセイ基礎研究所のインターネット調査では、男女の年賀状送付割合についても調べていました。
年代については差異が見られましたが、性別による年賀状送付割合の差異はほとんど見られません。
画像引用:ニッセイ基礎研究所|男女、年代、地域別、年賀状を出した人の割合(2020)
年賀状をやめたくなる気持ちは、男女ともに変わりない事実が伺えます。
年賀状をやめたくなる理由
上記のように年々送る人の数が減っている年賀状ですが、それでは実際に年賀状をやめた方は、どうして年賀状の送付をやめようと思ったのでしょうか。
以下からは年賀状の送付をやめたくなる理由を挙げて説明します。
SNS等で交流することが増えた
いまやSNSやインターネットのメッセージサービスは、若い方だけのものではありません。
2021年(令和3年)の総務省情報通信白書によれば、Facebookやツイッタ―などのSNSは、日本国内でおよそ半数の方が利用しています。メールやLINEなどのメッセージングサービスも同様です。
年代別に比較すれば60代以上よりも20代の方が利用率は高めですが、60代以上でもおよそ30%はSNSやメッセージングサービスを利用しており、すでにSNSはシニア層にも利用してあたりまえのツールとして浸透しています。
画像引用:総務省|令和3年 情報通信白書(第1章第1節 国民生活におけるデジタル活用の現状と課題)
日頃からSNS等で交流している方の場合、年始のご挨拶も年賀状ではなくSNSでメッセージを送ろうと考える方が多いようです。
シニアのSNS等の利用については以下の記事でも詳しく解説しています。
シニア向けのおすすめサイト・SNS|仕事探しから友人作りまで年賀状の作成が負担
もらって嬉しい年賀状ではあるものの、年賀状を作ることは案外手間がかかって面倒だと思う方もいらっしゃいます。
デザインと文面の検討、手書きもしくはパソコンによる作成、住所録の確認と修正、年賀はがきや切手の購入、投函まで、毎年の年賀状作成にかなりの時間と労力を費やしている方も多いでしょう。
特に高齢者の場合には老眼や手の震えなどの理由により、年賀状を作成する作業が大きな負担となり、やめたいと感じ始める方も多いようです。
また2022年現在、年賀はがき1枚の値段は63円です(寄付金付き年賀はがきを除く)。たくさんの年賀状を送る方にとっては、1枚たった63円といえども積もり積もって大きな金銭的負担になる可能性があります。
引っ越し等で人間関係をリセットした
子供の頃には新級や進学などで人間関係をリセットする機会は多く訪れますが、大人になると人間関係をリセットする機会は少なくなります。
引っ越しなどの理由により顔を合わせる機会が減った方に対しては、これまでどおり年賀状を送って近況を知らせたいと考える方がいる反面、これを機に一切の交流を終わらせてしまおうと考える方も存在します。
将来的にはそれこそ「年賀状のやり取りだけのお付き合い」になることが想定される相手に対しては、最初から年賀状の送付自体を行なわない考えも一案です。
相手から年賀状が来なくなった
一般的に、相手からの年賀状が2年こなくなったら「年賀状送付のやめどき」だと言われています。
もちろん相手からの年始挨拶がなくても年賀状を送り続けて構いませんが、一方通行の交流では、こちらの気持ちも疲弊していくものです。
お互いに年賀状を卒業して、それぞれの道を歩みましょう。
終活の一環として
終活の方法のひとつである生前整理の一環として、年賀状の送付をやめたという方も多く存在しています。
生前整理は単なる荷物の片付けだけではありません。人間関係の整理も生前整理の一部に含まれます。
生前整理について詳しくは以下の記事をご覧ください。
生前整理はモノ・情報・気持ちのお片付け|モチベーション維持が成功のカギ生前整理は断捨離とよく混同されがちですが、生前整理と断捨離は似て非なるものです。
ですが、断捨離を行う際に保管していた古い年賀状を処分し、それを機に年賀状のやりとりを終了させる方もいますので、断捨離が年賀状をやめるきっかけになる場合もあります。
断捨離については以下の記事で詳しく解説しています。
初めての断捨離のやり方と注意点|終活で断捨離するとこんなメリットも上手に年賀状をやめる方法
年賀状をやめたいと思う理由は人によりさまざまですが、できることならば、スマートにうまく年賀状をやめたいものです。
自分ひとりで年賀状をやめる決定をしても、相手がその事実を知らなければこれまでどおり年賀状を送ってくるかもしれません。
受け取った側としてもいらぬ罪悪感を抱いてしまいますし、もしかすると不義理を責められる可能性があるかもしれません。
これまでのご縁を次につなげるためにも、年賀状をやめるときには相手にその意思を伝えましょう。
終活年賀状の送付
年賀状の送付を今年かぎりで終了させることを「年賀状じまい」と呼び、年賀状じまいをするときに送る最後の年賀状を「終活年賀状」と呼びます。
終活年賀状は通常どおりの年始挨拶の文章とともに年賀状の作成を今年で終了する旨を記載し、相手に「これまでありがとう」との気持ちを伝える年賀状です。
年賀状をやめたい理由が終活とは関係ない場合でも、最後のご挨拶として終活年賀状を送って差し支えありません。終活年賀状とは一般的な俗称ですので、終活年賀状を送る方が必ずしも終活をしなければならないという決まりはないからです。
以下の記事では終活年賀状の書き方を、具体的な例文を挙げながら解説しています。終活年賀状を作る際の参考にしてください。
終活年賀状の書き方(例文あり)|適切な年賀状じまいのタイミングとは年賀状をやめて後悔する方もいる
年賀状をやめてすっきりする方がいる一方、年賀状をやめて後悔する方もいるようです。
年賀状の切れ目が縁の切れ目となり、ふと気付いたら親しく交流していた友人が誰もいなくなってしまった…という事態も考えられます。
孤独によるストレスは健康にも悪影響を与えます。ストレスが認知症リスクを高める原因になるとの説もあり、特にシニア層は孤独を避けるべきだと考えられます。
年賀状をやめたいと思っている方は、年賀状をやめて本当に後悔しないか、いま一度考えてみましょう。
年賀状をやめて後悔したら
すでに年賀状じまいを終わらせていて、今まさに後悔している方がいるかもしれません。
後悔している方は、何の遠慮もいりません。来年から年賀状を復活させましょう。
年賀状はやめるも自由、また新たに始めるも自由です。終活年賀状を出しておいて復活させるのが気恥ずかしいと考える方は、年賀状の代わりに寒中見舞いやクリスマスカードをお送りする方法をおすすめします。
まとめ
今回は年賀状をやめたいと考える理由と、年賀状をやめる方法について解説しました。
ただ一度きりの人生です。儀礼的なお付き合いを排除してすっきりとした人生を送るか、それとも引き続き年賀状で交流の糸をつないでおくか、よく考えて後悔のない選択をしましょう。
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