- 死亡届を出す理由は「戸籍の閉鎖」「公的給付の停止」「火葬・埋葬の許可」等
- 死亡届の書き方・出し方をわかりやすく解説
- 死亡届を提出する前の注意点を確認
人が亡くなったときの手続きのひとつに、役所に死亡届を出すというタスクがあります。
一般的には葬儀社の担当者に書いてもらい、提出まで代行してもらう人が多いですが、実は死亡届は自分でも書くことができます。
今回は死亡届の書き方について解説します。大切な家族を見送るセレモニーの一環として、死亡届の提出も検討してみましょう。
目次
家族が死亡したら自治体に届出が必要

日本では、誰かが死亡した時には「死亡届の提出が必要」と法律で定められています。
この法律は日本人であっても、日本に暮らす外国人であっても同様です。さらには日本の国籍を持つ人が海外で亡くなった場合でも、やはり死亡届を提出しなければいけません。
正当な理由なく死亡届の提出を怠った場合には、最大5万円の過料が課せられます。
また、死亡時の手続きは死亡届の提出だけではありません。社会保険や公的給付の停止や生命保険金の請求など、遺族がやるべきことは山積みです。
以下の記事では死亡届の提出も含め、家族の死後に遺族がやることをチェックリストにしています。すべての手続きに漏れがないよう、やるべきことを明確にしてください。
死亡届を提出する理由

どうして死亡届を提出しなければいけないのでしょうか。
法律上の決まりだけではなく、以下5つの理由があります。
1.戸籍を閉鎖(除籍)するため
国は、日本国籍を持つ人を戸籍で管理しています。
戸籍とは日本国民の身分関係を公的に記録する制度のことです。誰がいつ、誰の子として生まれて、いつ結婚し、いつ亡くなるかまでが一連で管理されています。
人が亡くなったときには故人の戸籍を閉鎖(除籍)しないと、法律上ではいつまでも故人が生きていることになってしまうため、戸籍制度がおかしくなってしまうのです。
なお日本に暮らす外国人は戸籍を持っていませんが、代わりに居住地の住民票で管理されており、日本国内で亡くなった際には住民票の除票が必要です。
2.公的給付を停止するため
ほとんどの高齢者は年金や介護保険など、さまざまな公的給付を受けています。
《高齢者が受けられる主な公的給付》
・公的年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)
・医療費の軽減(健康保険)
・介護サービス(介護保険)
・所得扶助(生活保護)
上記は生きている人だけが受けられる給付なため、死亡届の提出により給付を停止しないと不正受給となり、詐欺罪で逮捕・起訴される可能性があります。
3.故人を埋葬するため
死亡した人をお墓に埋葬するためには、自治体が発行する火葬許可証(埋葬許可証)が必要です。この書類がないと葬儀後に火葬することも、お墓に納骨することもできません。
火葬許可証は死亡届の提出と引き換えに役所窓口で受け取れます。なお多くの自治体では火葬許可証と埋葬許可証がセットになっていますが、自治体により2通に分けられるところもあります。
なお火葬後の遺骨を散骨する、または自宅等で手元供養する場合には、埋葬許可証の提出は必要ありません。お墓について詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。
4.生命保険金の給付請求をするため
死亡した人が生前に契約していた生命保険の給付金請求をするときには、死亡届のコピーが必要です。
死亡届が手元にない場合には役所で取得できる「死亡届記載事項証明書」でも代用が可能ですが、そもそも死亡届が未提出だと死亡届記載事項証明書も取得できません。
せっかく故人が遺族のために掛金を支払ってきたのに、死亡届が無いために遺族へ保険金が支払われなければ、故人の努力が無になってしまいます。
5.相続を開始するため
死亡した人が所有していた財産は相続の対象になりますが、預貯金等の名義変更や不動産の所有者変更は、被相続人の死亡を証明する書類(除籍謄本など)が必要です。
死亡届が出されていない人は法的には「生きている人」になってしまうため、そもそも相続手続きが行えません。
死亡届を提出後の相続手続きについて知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
死亡届と死亡診断書(死体検案書)はセット

以下からは死亡届の書き方について説明しますが、説明の前に1点注意事項を申し上げます。
死亡届は単独の用紙ではなく、死亡診断書(死体検案書)とセットで1枚の用紙になっています。左側が「死亡届」右側が「死亡診断書(死体検案書)」です。
右側の死亡診断書もしくは死体検案書は、故人の死亡を確認した医師もしくは助産師(死産の場合)だけが記入できます。資格がない人や、たとえ医師でも死亡を診断しなかった人が勝手に記入すると公文書偽造罪に問われる可能性があります。
用紙の右側は決して記入しないように注意しましょう。
死亡届の書き方

死亡届に記入する各項目の書き方を具体的に説明します。
前述のとおり、用紙の右側は医師もしくは助産師の記入が必要です。もしまだ記入がされていない場合は、先に右側の記入を依頼してください。
記入にあたっては鉛筆や消えるペンではなく、ボールペンを使用しましょう。
| 項番 | 項目名 | 書き方 |
| (1) | よみかた | 死亡した人の氏名をひらがなで記入します。 |
| (2) | 氏名 | 死亡した人の氏名を漢字で記入します。 |
| (3) | 生年月日 | 死亡した人の生年月日を和暦で記入します。 |
| (4) | 死亡したとき | 死亡診断書の記載内容を転記してください。 |
| (5) | 死亡したところ | 死亡診断書の記載内容を転記してください。 |
| (6) | 住所 | 死亡した人の住民票上の住所および世帯主名を記入します。 |
| (7) | 本籍 | 死亡した人の本籍地および筆頭者(戸籍の最初に書かれている人)の氏名を記入します。 |
| (8)(9) | 死亡した人の夫または妻 | 配偶者がいる場合は「いる」にチェックし満年齢を記入し、いない場合は「未婚」「死別」「離別」のいずれかにチェックします。 |
| (10) | 死亡したときの世帯のおもな仕事と | 死亡した人が属する世帯の就業状況にあてはまる項目にチェックします。不明な場合は空欄でも可。 |
| (11) | 死亡した人の職業・産業 | 死亡した人の就業状況にあてはまる項目にチェックします。不明な場合は空欄でも可。 |
| (-) | その他 | 特記事項があれば記入します。なければ空欄にします。 |
| (-) | 届出人 | 死亡届を提出する人の情報を記入します。 ・死亡した人との関係 ・住所 ・本籍地および筆頭者 ・署名(押印) ・生年月日 |
末尾の「届出人」は役所に書類を持参する人ではなく、遺族など故人の関係者です。詳しくは下記で説明します。
死亡届の出し方

以下からは記入を終えた死亡届の出し方について説明します。
入手先
死亡届は市区町村役場の窓口で入手できます。自治体によりホームページからダウンロードも可能です。
病院で死亡した場合は、一般的には右側(死亡診断書)が記入されたものを死亡退院時に渡されるケースがほとんどです。自宅内や外出時に死亡して検死が行われた場合には、検死した医師が記入した死体検案書を警察でもらえます。
提出先
死亡届の提出先は以下いずれかを管轄する市区町村役場の戸籍課です。24時間365日受け付けています。
- 死亡した場所
- 死亡した人の本籍地
- 届出人の所在地
提出する人
死亡届を提出する人(届出人)は、死亡した人の親族・同居人・家主・地主・土地家屋管理人・成年後見人など、死亡した人と何らかの関係があった人です。
葬儀社に書類の提出代行を依頼した場合でも、死亡届の「届出人」欄には提出する人の情報を記入してください。
提出時に必要なもの
死亡届の提出時に必要なものは以下のとおりです。
- 死亡届を持参した人の身分証明書(免許証・マイナンバーカードなど)
- 届出人の印鑑(認印可・シャチハタ不可)
提出期限
死亡届を提出しなければいけない期限は、届出人が「死亡の事実を知った日から7日以内」です。孤独死などの理由により死亡確認が遅れるケースがあるため「死亡してから7日以内」とはなりません。
なお海外で死亡した場合には、提出期限は「死亡の事実を知った日から3か月以内」に延長されます。
死亡届を提出する前の注意点

以下からは死亡届を提出するときの注意点を2つ説明します。市区町村役場に死亡届を持って行く前に必ず確認してください。
土日祝・夜間は火葬許可証が発行されない
死亡届は市区町村役場の戸籍課窓口で24時間365日受け付けてもらえますが、土日祝日や夜間は書類の受理だけしかされないため、その場で火葬許可証を発行してもらうことができません。
提出と同時に火葬許可証が欲しい人は、役場の開庁時間に行くようにしてください。
死亡届は生命保険給付金請求にも必要
死亡届を役場に提出しても控えなどはもらえないため、原本は手元に残らなくなります。
しかし死亡届は生命保険金の給付請求などにも必要な書類です。後々の手続きに備え、必ずコピーを複数枚とっておきましょう。
まとめ

今回は死亡届の書き方について解説しました。
家族が亡くなったときに行う手続きのひとつひとつが、大切な人を見送るセレモニーです。死亡届の記入や提出も、心の区切りをつけるための手段のひとつとして、心を込めて書いてみてください。
ライター紹介 | 杉田 Sugita終活カウンセラー2級・認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。
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