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シニアの就労について真面目に考える|シニアと企業がそれぞれ望む働きかた

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この記事のサマリ
  • 深刻な人材不足によりシニアの就労が求められている
  • 定年後にも働き続けたいシニアが増えている
  • 老後には無理なく働きたいと考えるシニアが多い
  • シニアの働きぶりに課題を感じている企業がいる

かつての日本では、会社を定年退職したシニアはそのまま悠々自適の引退生活に入り、就労を止める人が一般的でした。

しかし昨今の人材不足により、定年退職後のシニアは引き続き労働力として期待されています。

また現代のシニアは年齢を重ねても気力・体力ともに充実した人が多いため、会社を定年退職した後でも就労の意欲がある人が多いです。

働きたいシニアと、シニアに働いて欲しい企業とでは、需要と供給がマッチしているようにも思えます。しかしシニアの就労にはいくつかの課題も取りざたされています。

今回はシニアの就労に関するシニア側の意見と企業側の意見を真面目に取り上げて考えます。

2030年には生産年齢人口が6割以下になる

急降下する労働人口

現在の日本では、多くの企業が深刻な人材不足に悩まされています。

その理由のひとつには、日本の生産年齢人口の低下が挙げられます。生産年齢人口とは、年齢が15歳から64歳で主に労働を担う世代の人数のことです。

2025年にはいわゆる団塊の世代がいっせいに75歳以上の後期高齢者になったことで、生産年齢人口は急激に減少しました。

その減少は今も続いています。2030年には生産年齢人口が日本の全人口の6割を切ると推計されており、この問題は「2030年問題」とも呼ばれています。

2025年問題・2030年問題・2040年問題とは|社会への影響と解決策を考える

働き手がいなくなったら、社会は維持していけません。仮に今すぐ日本の出生数が増加して人口が増えたとしても、生まれた子供が就労できる年齢に達するまでには長い時間がかかるため、生産年齢人口の増加には至りません。

つまり日本の健全な社会生活を維持していくためには、生産年齢人口の上の世代、つまりシニアの就労参加が不可欠と言えます。

シニアの半数以上は就労を続けている

総務省統計局の発表では、2021年のシニア就労率は25.1%です。

高齢就業者数グラフ

画像引用:総務省統計局|高齢就業者数は18年連続で増加し909万人と過去最多

しかしこの数字は、65歳以上のすべての人に対する割合です。シニアとひとくちに言っても、65歳でシニアになりたての人と、80代、90代の人では状況が異なります。

シニアの年齢層を65歳~69歳に限定すると、就労率は50.3%となり大幅にアップします。つまり60代シニアの半数以上は何らかの形で就労を継続しているということです。

シニアの就業者数は過去10年間で毎年増加しているため、2025年現在ではさらに高い就労率であると考えられます。

働きたいシニアが増えている理由

考えるハイクラスミドルビジネスパーソン

なぜ現代ではシニアの就労率が増えているのでしょうか。

働きたいシニアが増えている理由は、以下の3点が考えられます。

1.継続雇用・再雇用の増加

2021年に改正高年齢者雇用安定法(70歳就業法)が制定され、各企業は定年制度の延長や廃止、再雇用・継続雇用の整備が努力義務となりました。

65歳に到達しシニアと呼ばれる年齢になっても、就労したい人はこれまで勤めていた会社で継続して働き続けられるように国が支援しています。

再雇用制度については以下の記事で詳しく解説しています。ただし70歳就業法が制定される前の2020年に掲載した記事ですので、再雇用の対象となる年齢は現在とは異なっています。

再雇用制度の概要や再雇用のメリット・デメリットなどは基本的に変わりませんので、参考までにご覧ください。

再雇用制度とは|定年後も働くことのメリット・デメリット

2.物価高の影響

2022年頃から始まった日本の物価高は、2025年現在でもおさまる兆しがありません。

食品や日用品などが毎年のように値上げされ、電気・ガスなど生きていくために必要なライフラインも値上げされています。

2023年10月値上げラッシュまとめ|値上げの理由と高齢者の老後資金を守る対策

シニアになったら悠々自適の年金生活をもくろんでいた人も、いざ年金受給が始まってみたら物価高のために想定よりも生活が苦しくなり、再び就労を検討し始める人が多いようです。

3.「生きがい」作り

就労の喜びは、金銭的な喜びにとどまりません。

社会の一員として責任ある仕事をまかせられることで「生きがい」ができ、イキイキとしたシニアライフが過ごせるようになります。

また仕事に出かけるための外出により適度な運動にもなるため、介護予防やフレイル対策にも役立つ効果があります。

シニアが老後の就労で重視すること

若い女性と拳を合わせるスース姿のシニア女性

シニアが働きやすい環境が増えたとはいえ、高齢になると体力面ではどうしても若い頃より劣ってきます。

そのため多くのシニアは、現役時代よりも無理のない働きかたを目指す人が多いようです。

公益財団法人産業雇用安定センターが2024年に実施したアンケート調査の結果、シニアは老後にも就労を続けるにあたって、以下の3点を重視していることがわかりました。

参考 「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」結果概要について公益財団法人産業雇用安定センター

1.仕事内容・働きやすさ

シニアが希望する仕事内容は、事務作業や梱包などの軽作業、マンション・アパート管理人など比較的体力面で楽な仕事が人気でした。

特にも「行政・公的機関での事務補助(年単位雇用)」や「事務補助・雑務」、「学校校務支援」などの補助的な仕事の希望度が高くなっています。

清掃やルートセールス、警備、バスやタクシーの運転業務は希望度が低くなっています。また同じ仕事内容であっても、夜勤の有無により希望度は変わり、夜勤ありの仕事は希望度が低い傾向にあります。

2.就労場所・通勤時間

通勤時間が長すぎると疲労が蓄積しやすくなるため、無理のない働きかたを求めるシニア層は自宅からの通勤時間が短い場所での就労を好むようです。

アンケート結果では、特に女性の方が通勤時間を重視する傾向が見られました。通勤時間を重視する60歳~64歳の男性が29%であったのに対し、同年代の女性は42%が重視しています。

3.就労日数・就労時間

就労日数や就労時間の希望にも男女差や年齢差が見受けられます。

60歳~64歳の男性は「6~8時間勤務を週5日」をもっとも多く希望し、女性および65~69歳の男性は「2~3時間勤務を週3日」をもっとも多く希望しています。

シニアは給料をさほど重視していない

電卓と高齢夫婦の人形

前述のアンケートでは興味深い結果が出ました。

それはシニアが望む働きかたでは、給料を重視している人が全体の25%しかいなかった点です。

一定金額の年金受給額が見込めるシニアは、金銭的な利益よりも生きがいや仕事のやりがいに就労の価値を見出していることがわかります。

企業側がシニア就労で抱えている課題感

不穏な空気の中で並ぶビジネスマン人形

これまではシニア側の就労に対する希望や意見を紹介してきましたが、はたして企業側ではシニアの就労についてどのように思っているのでしょうか。

もちろん企業としても人材不足解消のためシニアの労働力には期待しているところですが、パーソル総合研究所の調査によれば、実際には以下のような課題も抱えているようです。

参考 企業のシニア人材マネジメントに関する実態調査(2020)パーソル総合研究所

モチベーションの低さ

現役世代の社員に比べ、シニア社員ではモチベーションが低いと企業側は感じているようです。

企業は定年退職後の社員に対して継続雇用や再雇用の制度を設けてはいますが、継続雇用・再雇用後には仕事の内容が変わったり、給与が下がる場合が多くあります。

教育費や住宅ローンなど大きな出費がなくなったシニア世代だと、経済面でも比較的余裕があるため、頑張って働いて給料を上げようという気が起こらない人が多いのも理由のひとつに考えられます。

パフォーマンスの低さ

現在65歳以上のシニア世代だと、ITスキルが若手に比べてとぼしい人も多く見られます。

最近ではどのような仕事でもパソコンやタブレット端末の操作は必要なことが多いため、ITスキルの不足はパフォーマンスの低下につながります。

また肉体面でも若手に比べれば劣るため、力仕事や立ち仕事が長く続けられない、疲れて仕事のパフォーマンスが下がるなどの理由もあります。

マネジメントの困難さ

シニア就労をマネジメントする管理職は、いずれも働くシニアよりも年下です。

自分よりもずっと経験の深いシニアに対して指示を出すやりづらさを、多少なりとも管理職は感じています。

またシニア側でも、年下の上司の指示を聞かない人がいるのも事実です。定年前には会社で役職についていたり、重要な仕事をまかせられていた人ほどその傾向が強くなりがちです。

上記で説明したモチベーションやパフォーマンスの低さが原因で、与えられる仕事が限定されてしまうこともマネジメントの困難さにつながります。

シニア就労は企業とシニア双方努力が必要

打ち合わせ・ミーティングするビジネスマン

シニアの就労は求められている半面、まだ課題が多いことがわかりました。

働きたいシニアが無理なく働け、シニアを雇用する企業がシニアに十分な価値を見出してもらうためには、企業側とシニア側の双方が歩み寄る必要があります。

企業はシニアの仕事に対するモチベーションを高めるために、仕事のやりがいをもっと感じられる環境を作るなどの努力が必要でしょう。また働くシニアの方も、年齢を理由にせず責任をもって働く姿勢が大切です。

企業とシニアの双方の努力が、これからの労働力確保には必要になってくるでしょう。

まとめ

向かい合って話す作業着の男性と女性の後ろ姿

今回はシニア就労について解説しました。

シニアは豊富な経験と知識を有する、これからの日本にとって欠かせない存在です。シニアの就労参加は単に人材不足が解消できるだけでなく、職場の多様化にも役立ち新たな製品・サービスが生まれるきっかけになるかもしれません。

シニアは自分がまだまだ求められていることを知り、積極的に社会へ出ていきましょう。

ライター紹介 | 杉田 Sugita
終活カウンセラー2級・認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。

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