- シニアにおすすめのスポーツ1位はウォーキング
- 週1~2回の運動から徐々に運動強度を上げていく
- 目標を設定することで老後のモチベーションアップに
シニア世代がスポーツを楽しむことは、単なる趣味に留まりません。
筋肉をつけることでケガや転倒を防止したり、脳を刺激して認知症予防効果が期待できたりと、さまざまなメリットを享受できます。
今回はシニアが運動をすることのメリットと、シニアに人気のスポーツについて解説します。
目次
スポーツを行っているシニアは全体の約3分の2
2017年に「大和ネクスト銀行」が全国のシニア1,000人に行ったスポーツやレジャーに関する調査によれば、シニア男性の71.8%、女性の63.0%が日常的に何らかのスポーツを行っています。
健康意識の高まりもあり、多くのシニア層が日常生活に運動を取り入れていることが分かります。
画像引用:シニアのスポーツと日帰りレジャーに関する調査|大和ネクスト銀行
参考 シニアのスポーツと日帰りレジャーに関する調査大和ネクスト銀行半数以上のシニアが「運動に自信がない」と回答している
運動をしている方が、必ずしも運動が得意ということではありません。
大和ネクスト銀行の調査では「体力に自信がある」と答えた方は46.1%であったのに対し、体力に自信がないと答えたのは53.1%でした。
シニアの約3分の2が日常的に運動していることを考えると、大半の方が得意か不得意かにかかわらず何らかのスポーツをしていることになります。
シニアがスポーツを始めるメリット
シニアがスポーツをはじめるメリットは以下のとおりです。
健康維持につながる
スポーツを始めることで、全身の筋力が鍛えられます。日常生活の動作が楽になるだけでなく、体力の向上にも役に立ちます。特に大臀筋(お尻)や太ももを中心とした下半身の筋肉を鍛えることは、転倒防止にも効果的です。
高齢化によって運動量が減少すると、自然と汗をかくことが少なくなって代謝が落ちます。スポーツで代謝を上げることで自然な発汗を促し、代謝を上げることが可能です。
適度な運動で疲労することで深い眠りにつけ、睡眠の質を上げることもできます。
高齢者におすすめの筋トレ|寝たきりを防ぐためのトレーニング記憶力の向上や認知症防止になる
シニアがスポーツに興じることは、スポーツ医学の観点からも推奨されています。
運動によって記憶をつかさどる「海馬」が肥大化して認知症予防に役立つほか、サッカーをはじめとして複数人で楽しむチーム戦を通じて脳機能を活性化させることが期待されます。
目標達成のために作戦を練るなど日常生活とは違う環境に身を置くことで、脳に良い刺激となります。
シニア向けスポーツイベントへの参加でモチベーションアップに
一人で黙々とスポーツをするだけでも、もちろん健康維持に役立ちます。
シニア向けのスポーツ競技会に参加するという目標を持つことも良いでしょう。
目標を高く持つことでモチベーションアップにつながり、老後の生活にハリがでることが期待されます。
例えば「シニア健康スポーツフェスティバル」に参加してみるのはどうでしょうか。
シニア世代に適したスポーツ健康づくり活動をとおして、シニア世代の社会参加や仲間づくり、世代間交流を促進するとともに、スポーツ実施率の更なる向上を目指すことを目的とした東京都内在住の59歳以上の方を対象としたスポーツイベントです。
大会は、ラージボール卓球、テニス、ソフトテニス、ソフトボール、ゲートボール、ペタンク、マラソン、弓道、剣道、
サッカーの10種目で実施されます。引用元:東京都体育協会|シニアスポーツ」
ゲートボールのようなシニア向けのスポーツのほか、テニスや弓道、剣道など本格的な武道・スポーツも含んでいます。
毎年10月に開催され、約2,500人が参加するビッグイベントです。
シニアにおすすめのスポーツ5選
シニアにおすすめのスポーツは以下のとおりです。
1.ウォーキング
ウォーキングは、運動量が不足しがちな方でも始めやすいスポーツです。自分でスピードをコントロールできるほか、時間さえあればスキマ時間を使って簡単に行えます。
シニア世代が行うスポーツの中でもっとも人気が高いスポーツの1つです。
「大和ネクスト銀行」がアンケートを集計したところ、「日頃行っているスポーツ」でウォーキングが73.7%で1位でした。
同アンケートの「シニアが行っていたらカッコいいと思うスポーツ」でも1位であり、お金をかけずに健康に良いスポーツとして人気の高さがうかがえます。
膝や腰に負担がかかることが不安な場合は、プールの中を歩く「水中ウォーキング」もおすすめです。水の浮力で体重を感じることなく軽やかに歩けるほか、全身運動になることで下半身以外にも筋肉を付けられます。
2.ゴルフ・ゲートボール
全速力で走り回るような激しいスポーツの場合、転んでけがをする危険があります。
一方で「ゴルフ」「ゲートボール」であれば、のんびりと楽しみながら汗を流すことが可能です。対戦形式でほかの参加者と競い合いながら楽しめるのも、ウォーキングにはない魅力と言えるでしょう。
ゴルフであれば広いゴルフ場をひたすら歩くことで、自然と「ウォーキング」の効果も得られます。
一方で、大人数で審判もいるゲートボールよりも気楽にできるのが「グラウンドゴルフ」です。個人競技であり、一人でも時間さえあれば気楽にチャレンジできます。
3.水泳
高齢者に人気のスポーツの代表が「水泳」です。ただ泳ぐだけではなく、歩く・踊る(エアロビクス)などさまざまなバリエーションが存在します。
ただ漠然と泳ぐのではなく、自己記録の更新などの目標を設定するとやりがいにつながります。
全身運動になって身体の代謝が高まり、心身ともにリラックスできるでしょう。
4.テニス
優雅なイメージのあるテニスですが、シニアが行うスポーツとしても適しています。
足や腕・腰など全身を使うスポーツであり、身体の一部分だけでなく全体をバランスよく鍛えることが可能です。
テニスラケットやシューズ、ウェアなど初期費用がかかるものの、初心者でもスクールに通えば一人でも始めることができます。
スクールで共通の趣味をもつ同世代の仲間を作ることも魅力です。
5.シニアヨガ
「ヨガ」というと、若い女性が行うものというイメージがあるかもしれません。最近では「シニアヨガ」というジャンルが登場しています。
若い世代のヨガとの違いは「優しいヨガであること」です。
自分の身体だけを軸にマットの上でポーズを取るのではなく、補助器具を使ったり椅子に座ったりしてポーズをサポートできます。
そして「ポーズにはこだわらない」のもポイントです。仮に「膝が曲がらない」など身体の自由が利かなくてもチャレンジできます。
ゆったりとした呼吸で身体をほぐし、無理せず簡単なポーズを重ねることで少しずつ身体を変えていくのが目的です。
難しいトレーニングは不要で、隙間時間があれば一人で練習できる気軽さもシニアに嬉しいポイントです。
シニアがスポーツを始める際の注意点
シニアがスポーツを始める際の注意点は以下のとおりです。
体力に合ったスポーツを選ぶ
高齢者が若い世代と同様の激しい運動を行うと体力が続かないだけでなく、ケガをするリスクもあります。
まずは自分の体力に合った運動を選ぶことが大切です。気楽にできるウォーキングから始め、体力がついてきたらゴルフや水泳など運動強度が高いスポーツを選択すると良いでしょう。
一時だけ上手にできることが目的ではないはずです。末永く続けることがシニアの健康維持の秘訣といえます。
無理はしない
疲れを感じたら無理をせず、しっかりと休憩をとることが大切です。運動終わりにも急に椅子に座るのではなく、ストレッチなどの軽い運動で息を整えましょう。
体力にもよりますが、まずは週1~2回の運動量でも良いでしょう。慣れてきたら少しずつ運動強度を上げていけばいいのです。
水分補給をこまめに
運動中は夢中になってついつい水分補給を忘れがちです。高齢になるほど体内の水分が失われやすいため、脱水症状や熱中症が懸念されます。特に夏場はこまめに水分補給を忘れずに行いましょう。
大手スポーツクラブ・ジムにもシニア向けプログラムがある
シニア向けのプログラムを用意しているスポーツクラブなら安心です。
コナミ
スポーツクラブとして有名なコナミでは、「OyZ」という60歳以上向けの運動スクールを開校しています。
管理栄養士や健康運動指導士による身体ケア・栄養指導まで一貫して行うプログラムがあるのが特徴です。
参考
OyZコナミスポーツクラブ
カーブス
女性向けのフィットネス「カーブス」では全国に2,000店舗以上を展開しています。高齢者でも気楽に取り組めるプログラムになっているのが特徴です。
短い時間で効果が出るオリジナルのトレーニングを採用しているほか、スーパーや商業施設内に展開している店舗が多く、事前予約なしに立ち寄れます。
気が向いた時に立ち寄れる気軽さから、専業主婦のシニア女性に人気です。
参考 女性だけの30分フィットネスカーブス 老後の趣味の見つけ方。これから優先したいことは「趣味」が5割まとめ
健康意識の高まりから、多くのシニア層が日常生活にスポーツを取り入れています。
介護を必要としないシニアライフを満喫するためにも、定期的に運動して筋力をつけることは重要です。しかし、激しい運動をすれば何でも良いというわけではありません。
シニアの方の運動は「無理をしない」「体力に合った種目を選ぶ」といったポイントを守って楽しむのが鉄則です。
末永くスポーツを楽しめるように、ご自分のペースでゆっくりと運動していくことを意識してみて下さい。
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