- ゆうちょ銀行は他の銀行よりも相続手続きが大変
- ゆうちょ銀行公式サイト「相続Web案内サービス」を活用すると便利
- あらかじめ家族に金融機関取引状況を伝えておくと安心
相続財産として挙げられるもののひとつは、故人が銀行などに預けていた預貯金です。
亡くなった人の預金口座を他人が勝手に引き出すことは認められていないため、正規の手続きを踏んで、相続人が預金口座の払い戻しを受ける必要があります。
預金の払い戻し方法は銀行により異なります。
中でもゆうちょ銀行の払い戻しは、他の銀行と比べて手続きが大変だと言われています。
具体的にはどのような点が違っていて大変なのでしょうか。
今回は、ゆうちょ銀行の相続手続きについて解説します。
目次
ゆうちょ銀行は他銀行と手続きが異なる
ゆうちょ銀行が他の銀行と手続きが異なる点は、主に以下の2点です。
- 各種書類を提出する前に「相続確認表」の提出の必要がある
- 貯金事務センターで処理を行うため、窓口で処理が完結できない
上記の理由により、最低でも3回はゆうちょ銀行の窓口か郵便局に行かなくてはならず、手続きに不備があればさらに訪問する回数が増えてしまいます。
手続きのたびに窓口へ出向かなければならないため、平日に休みづらい会社勤務の方にとっては大変です。
処理にかかる日数も長いため、できるだけ早く相続を完了させるために、あらかじめ十分な準備をしておきましょう。
ゆうちょ銀行の相続手続きの流れ
ゆうちょ銀行の相続手続きは、通常は以下のような流れで行われます。
間違いの起こらないよう、ステップごとに確実な処理をこころがけましょう。
相続確認表は各窓口でも受け取れますが、公式サイトからもダウンロードが可能です。記入例も公式サイトより確認できます。
案内に記載されている必要書類(原本)を準備し、相続確認表を提出したところと同じ窓口に提出します。
審査にかかる日数は、特に問題がなければ通常は1~2週間程度です。処理が混みあっている時期や、提出書類に不備があった場合には1ヶ月程度を要するケースもあります。
ゆうちょ相続手続の注意事項
一般的な銀行の相続手続きであれば、払い戻しはどの銀行口座でも振り込めるのが一般的です。
しかしゆうちょ銀行の場合、相続払戻金は原則として代表相続人のゆうちょ銀行口座にしか入金できません。
ゆうちょ銀行口座への入金を希望しない場合には小切手払も可能ですが、決済に必要な日数や手間がかかることもあり、おすすめできません。
また小切手の換金は窓口での現金渡しとなりますので、高額な現金を持ち運ぶには防犯面での心配があります。
ゆうちょ銀行の相続手続きの際には、代表相続人がゆうちょ銀行に預金口座を作っておいた方がスムーズで安全だと言えるでしょう。
ゆうちょ銀行に提出する必要書類一覧
ゆうちょ銀行の相続に必要とされる一般的な書類をまとめました。
- 相続確認表
- 相続手続請求書
- 被相続人の通帳・貯金証書・キャッシュカード
- 被相続人の除籍謄本または法定相続情報一覧図
- 遺産分割協議書
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書
- 委任状(代理手続きによる来店)
- 来店者の本人確認書類(免許証・健康保険証など)
ゆうちょ銀行の相続手続きをするための必要書類は、個々の相続状況により異なりますので、一概にどれが必要とは言えません。
実際に必要な書類の確認は、ゆうちょ銀行公式サイトの「相続Web案内サービス」を活用するのがおすすめです。
「相続Web案内サービス」については、後ほど詳しくご説明します。
手数料
ゆうちょ銀行への相続申し込みや相続払戻金の振込みに際しては、相続人が費用を負担することはありません。
ただし、相続が完了した後に相続税の申告を行う際には、ゆうちょ銀行の残高証明書が必要です。
残高証明書の発行料金は1通につき520円(税込)です。
ゆうちょ銀行「相続Web案内サービス」とは
ゆうちょ銀行の公式サイトでは、ゆうちょ預金口座を相続する人のために「相続Web案内サービス」が提供されています。
サービス内容は「相続手続きナビゲーション」と「相続シミュレーション」があり、これらを活用してあらかじめ必要書類などを確認しておくと、実際に窓口に行った際にも手続きがスムーズです。
サービス利用料金も無料なので、一度アクセスしてみることをおすすめします。
ただし、このサービスでは一般的なケースを想定した案内なので、相続状況が特殊な場合には別途書類が追加される可能性もあります。
また、故人がゆうちょ銀行で投資信託の取引をしていた場合には、相続Web案内サービスは利用できませんのでご注意ください。
相続手続きナビゲーション
相続手続きナビゲーションのページでは、遺言書の有無や相続状況をWeb上で回答することにより、ゆうちょ銀行の相続手続きに必要な書類を案内してくれます。
音声と画面を使った設問に答えるだけなので、回答も簡単です。
ただし、ご自身で印刷ができる環境がある方を想定しているため、印刷環境がない場合は、ゆうちょ銀行に直接、必要書類を取りに行く必要があります。
相続シミュレーション
相続シミュレーションのページでは、故人と相続人の関係を画面の家族関係図に当てはめていくことで、相続人の確認ができます。故人が遺言書を残している場合には、相続シミュレーションページへの入力は不要です。
遺言書が存在しない場合には、上記の相続ナビゲーションから引き続き入力が行えますので、ゆうちょ銀行への手続きがさらにスムーズになります。
サービス名称が「シミュレーション」とはなっているものの、あくまでも相続人の構成から相続割合を算出するための入力ページなので、その点はあらかじめ理解しておきましょう。
まとめ
今回は、故人がゆうちょ銀行の口座を保有していた場合の相続手続きについて解説しました。
ゆうちょ銀行は特に大変だと言われていますが、ゆうちょ銀行に限らず、銀行の預貯金の相続手続きとは面倒で手間がかかるものです。
また、故人がどの金融機関に口座を保有しているのかがわからないと、そもそも相続手続きを行うことすらできません。
ゆうちょ銀行をはじめとする金融機関の取引状況は、いざというときに家族がすぐ確認できるよう日ごろから家族間のコミュニケーションをとっておくのが大切です。
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