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おひとりさまこそ終活が必要|終活すべき3つの理由とおすすめの方法を解説

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この記事のサマリ
  • おひとりさまは孤独死などのリスクがある
  • 終活は家族がいる方もいない方も等しく必要
  • おひとりさまの終活は早めの40代からスタートがおすすめ

家族と同居している方に比べて、一人暮らしの「おひとりさま」は終活の意識が比較的低いと言われています。

「終活は家族のために行うもの」だから、「単身者に終活は不要」と考えている方も多いようですが、果たしてそうでしょうか。

むしろ「おひとりさま」こそ終活が必須だと考えられる理由があります。

今回は、これからますます増加していくと考えられる「おひとりさま」の終活について解説します。

増えている「おひとりさま」

日本の未婚化、長寿化が進むにつれ、おひとりさま世帯は年々増加しています。

親から独立、または両親が死去しており、配偶者や子のいない独身者を単身世帯=おひとりさまと定義しています。

1970年代には日本の婚姻率(人口千人当たりの婚姻件数)は10.0%を超えていたのがその後低下し、2016年時点の婚姻率は過去最低の5.0%と、1970年代前半と比べておよそ半数です。婚姻率、婚姻件数とも年々減少しています。

婚姻率の低下

画像引用:内閣府|未婚化の進行

結婚した方でも配偶者と離婚、または死別によって老後一人暮らしになる方も多く、おひとりさま世帯は年齢や性別に関係なく発生しています。

おひとりさまに終活が必要な理由

海を見る男性

「家族に面倒をかけたくない」との理由で終活をしている方は多いですが、同居家族のいないおひとりさまの場合は、どうして終活が必要なのでしょうか。

ここからは、おひとりさまに終活が必要な理由について確認しましょう。

孤独死の危険性がある

多くのおひとりさまが一番不安に感じているのが、誰にも看取られずに亡くなる、いわゆる「孤独死(孤立死)」の危険性です。

一人暮らししている高齢者の60%以上が、もしかしたら自分も孤独死してしまうかもしれないと感じています。孤独死を身近な問題だと捉えている方の割合は、夫婦世帯の14.6%に対して、一人暮らしの方は45.4%と大幅にアップしています。

孤独死を問題視している割合

画像引用:内閣府|平成30年版高齢社会白書(全体版)

定期的に見守りをしてくれる相手がいないと、孤独死という寂しい最期を迎える結末になってしまいます。

そのため、孤独死をどう防ぐかといった対策をとる必要があります。

介護で頼れる相手がいない

突然死とまでいかなくとも、病気になって身体が動かなくなることもあり得ます。

また、老後になると認知症の心配があります。

心身ともに健康で身体が動くうちであれば問題なかった一人暮らしも、介護などの必要が出てきた際には頼れる相手がいないので生活に支障をきたしてしまいます。

将来的に介護・看護や財産管理を頼める相手を確保しておかないと、そのときになってから探すのは非常に困難です。

万が一の場合に、自分に変わって財産管理や手配をしてもらう成年後見人契約も検討が必要でしょう。

遺産の行き先がない

「自分には大した財産がないから」と遺言書を書かないおひとりさまは多いですが、実際に財産がまったくない状態で亡くなる方は非常に少数です。

法定相続人が指定されない故人の財産は、国庫に帰属することになります。

遺言書があれば、生前にお世話になった相手や、死後の事務手続きなどをしてくれた相手に対して遺産を残すことができ、感謝の意も伝えることができます。

遺産分割や死後事務を誰に委託するかを記しておくと良いでしょう。

おひとりさまだからこそ、老後の生活も死後の手続きも自衛手段をとったり、他人の力を借りたりするような終活が必要です。次に、おひとりさま終活で必要なことを具体的に説明します。

おひとりさま終活で必要なこと

ToDoリスト

おひとりさまでも終活が必要な理由を理解したところで、ここからは実際におひとりさまが終活で何をすべきか、おすすめの終活手段をご紹介します。

一口に「おひとりさま」と言っても、親や子、兄弟などの身近な親族が別世帯で暮らしているおひとりさまと、まったく身寄りがないおひとりさまでは具体的な方法が異なります。

自分の状況にあったおひとりさま終活を考えましょう。

老後資金の確保

終活は死後の処理だけでなく、自分の最期の迎え方についても考える必要があります。

希望通りの最期を迎えるために、まず先立つものはお金です。

自分が老後に使えるお金がいくらあるか、働けなくなったとき、介護や看護が必要になったときに金銭的に困らないか、財産の棚卸しをしましょう。それと同時に年金や生命保険・医療保険などで得られるお金についても確認しましょう。

任意後見契約

任意後見契約とは、国が認めている後見人制度に基づく契約です。

本人の判断能力がまだ十分にあるうちに後見人を決めて、認知症などで判断能力が低下してからの財産管理・看護・介護などの利用契約や事務手続きを行ってもらいます。

任意後見人は本人と候補者の同意さえあれば、未成年者等の例外を除き誰でもなれます。

また代理権の範囲も自由に決められます。

死後事務委任契約

葬儀

上記の任意後見契約は本人が生きている間の後見契約ですが、死後事務委任契約は本人の死後に必要となる事務手続きなどをあらかじめ委任しておく契約です。

おひとりさまの場合、任意後見契約と死後事務委任契約を同時に締結することが多いです。

死後事務委任契約では以下のような業務を委任できます。

  • 病院・介護施設などの退去手続き
  • 葬儀・納骨の手配
  • 役所などへの届出
  • 遺言執行者の指定
  • 遺品整理

孤独死対策

同居家族がいない方は、自宅で突然倒れたときでも代わりに救急車を呼んでくれる方がいません。

孤独死・孤立死を回避するためにも、安否確認サービスや見守りサービスを契約するなどして、不測の事態に備えましょう。

安否確認サービスには以下のようなものがあります。

警備サービス ①セコムホームセキュリティ|高齢者見守りサービス      ②ALSOK|高齢者・シニア向けみまもり
訪問型サービス 郵便局|郵便局のみまもりサービス
センサー式 ①象印|みまもりホットライン        ②アイトシステム|親子のドアシル

墓の生前予約

先祖代々の墓がない方や、墓があっても供養してくれる後継者がいない方は、納めた遺骨をお寺が供養してくれる永代供養墓を生前予約しておくことをおすすめします。

海に遺灰を撒く海洋散骨を希望している方は、以下の様な海洋散骨サービス業者で生前に散骨の予約ができます。

海洋散骨の生前予約

画像引用:ブルーオーシャンセレモニー|散骨の生前予約をお考えの方へ

遺言書の作成

故人の相続財産は遺言書がない限り、基本的には法定相続人もしくは特別縁故者以外に相続させることができません。

特別縁故者は非同居の場合では家庭裁判所で認められにくいため、特定の人物に財産を遺したい方は必ず遺言書を作成しておきましょう。

親族や法定相続人以外に遺産を譲ることを遺贈と言います。遺贈について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

遺贈とは?相続・死因贈与との違いと遺産の残し方を検討するポイント

おひとりさま終活で参考になるもの

山登り

おひとりさま終活とは言え、たった1人で行う必要はありません。

終活仲間を作ったり、専門家に相談するなどして周囲のサポートを受けながら楽しく終活をしましょう。

以下では終活の参考にできるさまざまなお助けツールをご紹介します。

書籍

市販されている終活本の中には、特におひとりさまの終活に特化した内容の書籍もあります。

高齢者の見守りや防災対策、老後のお金から終末期医療、葬送までが網羅されている一冊を手元に用意しておき、必要な際に読み返して参考にできるのが書籍の利点です。

参考 三省堂|「おひとりさまの終活 自分らしい老後と最後の準備」中澤まゆみ著

ブログ

実際におひとりさまがどのような終活を実践しているのかを知りたいときには、終活ブログで終活体験者のブログを読んでみるのも良い手段です。

他のおひとりさまはどのように終活を進めているのか、どのようなトラブルが生じたのか、参考になる部分が多いでしょう。

おひとりさまに限らず、終活ブログを読んでみたい方は以下の記事も参考にお好みの終活ブログを探してみてください。

あの人の終活に学ぼう、お勧めのブログを紹介。さらにあなたも終活ブログにチャレンジ!

終活セミナー

日本全国のいろいろな場所で開催されている終活セミナーに参加してみるのも良い方法です。

講師の話を参考にしたり、終活関連の相談員(終活カウンセラー、終活アドバイザーなど)のアドバイスを受けたりすることで効率の良い終活が進められます。

参考 イオンの終活|終活イベント

また昨今の新型コロナ感染症の影響により終活イベント・終活セミナーに参加できなくても、電話などで終活に関する相談を受け付けてくれるので安心です。

参考 イオンの終活|イオンライフ終活カウンター

自治体サポートも要チェック

最近では各自治体もおひとりさま向けに終活サポート事業を実施しておりますので、お住まいの市区町村でそのような事業があれば、安心して死後の備えができます。

横須賀市の終活支援

画像引用:横須賀市|わたしの終活登録(パンフレット)

上記の横須賀市以外でもさまざまな自治体でおひとりさまの終活支援を行っていますので、自治体のホームページや広報紙で確認してください。

参考 神奈川県横須賀市|わたしの終活登録 参考 神奈川県大和市|おひとり様などの終活支援事業 参考 兵庫県高砂市|エンディングプラン・サポート事業

おひとりさま終活は40代からスタート

一般的に終活は60~70代で始める方が多い傾向にありますが、おひとりさまの場合にはもっと早い40代から終活をスタートすることをおすすめします。

理由は、40代にもなると両親が高齢化しお亡くなりになるケースが多くなるため、何かあっても親に頼ることができなくなってしまうからです。

また40代以降は体力が低下したり、健康面でも衰えが出てきます。病気になるリスクも40代以上では増えてきますので、心身ともに元気なうちから終活の準備をしましょう。

まとめ

森の中の女性

今回はおひとりさまに終活が必要な理由を挙げ、具体的に「おひとりさま終活」で何をすべきかを解説しました。

2030年には日本人口の約半数が独身者となるとも予想され、おひとりさま世帯はますます増加していくものと考えられます。

最期まで有意義なおひとりさま生活を満喫できるよう、それぞれの個人がしっかりと終活に取り組みましょう。

家族に対する思いやりのひとつとして、終活という家族への大きな贈り物を用意しておきましょう。

ライター紹介 | 杉田 Sugita
認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。

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