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タイの移住は簡単じゃない?メリット・デメリットと移住前の注意点を解説

タイランド

この記事のサマリ

  • タイへの移住には出国前手続きの他、ビザの取得が必須
  • タイの物価は安く生活も便利だが、円安・バーツ高でコストは上昇している
  • 日本の田舎にはないタイ独自の魅力を探すのが長期滞在成功のコツ

リタイアした日本人の移住先として、マレーシアやインドネシアと並んで人気があるのが「タイ」です。ただ、現在は為替が円安・バーツ高になっている影響もあり、割安感が薄くなっているという問題もあります。

本当にタイ移住を決断するか、メリット・デメリットを明確にしておくことをおすすめします。

本記事ではタイ移住の簡単な流れとメリット・デメリット、移住成功のポイントについて確認していきましょう。

タイに移住する際の流れ

移住

出国前の手続き

出国する前には「パスポート」「ビザの手配」という必須の手続きのほか、人によっては海外転出の手続きも必要です。

出国前に必要な手続きの詳細を確認しておきましょう。

パスポート

タイに入国するためには、「パスポートの残存期間が6ヶ月必要」というルールがあります。

出国する際に残存期間を確認しておき、必要なら新しいパスポートに替えておきましょう。

海外転出届

1年以上タイに長期滞在する場合、「海外転出届」の提出が必要になります。

海外転出しない場合はタイに住んでいたとしても、国民年金保険料、国民健康保険料、住民税などの支払いが発生する点に注意しましょう。出発前に必ず決めるべき大事なポイントといえます。

海外転出届の提出は居住している市町村の役場で、渡航の14日前から行えます。マイナンバーカード・住民基本台帳カードも返納することになるので持参しましょう。

ビザの手配

長期滞在で重要なのは、「ビザ」の手配です。

家族ビザ、ビジネスビザ、リタイアメントビザなどの種類があり、タイで長期滞在する場合はいずれかのビザが求められます。

ビザ申請の煩雑な書類プロセスを個人で行うのは大変であり、実務は知識と経験のあるエージェントや専門の士業(弁護士や行政書士)に任せるほうが安心です。

留守宅をどうするか

タイに長期滞在するなら、長く空けることになる自宅をどうするかも考える必要があります。

アパートなら解約することになりますし、自己所有でも日本に戻る気がないなら売却手続きが必要になるでしょう。

自宅を賃貸にすることで老後の収入源として利用することも可能です。

入国時の手続き

日本からの出国時だけでなく、タイに入国する際もさまざまな手続きが必要です。

住まい探し

タイで長期滞在をするのですから、居住物件探しは必須の作業です。賃貸住居を探す際は「日本人経営の不動産会社を使う」「口コミで探す」のいずれかの方法で探すことになります。

日本大使館在留届

海外に3ヶ月以上滞在する場合、日本大使館に「在留届」を提出する必要があります。

手続きはオンラインでも可能なので、大使館まで足を運ぶ必要はありません。

日本人会

世界各地に日本人会がありますが、タイの日本人会は特に歴史が古く、1913年に始まりました。

在留邦人がタイで安全に生活を送るようにサポートしてくれるほか、会員相互の親睦やタイ社会との交流などを目的に活動しています。

入会することで子育て支援や優待店サービス、同好会とサークル活動への参加などさまざまなメリットがあるので、入会することで長期滞在の不安を解消できるでしょう。

タイに移住するメリット

物価

タイは日本にはない観光名所やご当地グルメなど多くの魅力がありますが、長期滞在にも優れています。

ここではタイに移住することのメリットを見てみましょう。

物価が安い

タイは日本と比べて物価が安い国として古くから知られています。

外食文化のあるタイでは屋台・フードコートで安く食事を済ませることも容易で、電車やトゥクトゥクなどの交通費も日本より割安なものが揃っている点が魅力です。

現地の食材やローカルな交通手段で済ませることで、生活費を安く抑えることができるでしょう。

居住環境が良い

タイでは500万円のコンドミニアムから1億円を超える不動産までさまざま種類の建物がありますですが、外国人は土地を買えません。購入するなら「コンドミニアム」が主流でしょう。

アパートやマンションのようなものですが、日本で購入するものよりもワンランク上の物件を購入できます。

賃貸なら2LDKで家賃が10万円前後と日本の都市部に住むのと大差ありませんが、「家具家電付き」「警備員常駐」「ジムなどの施設が付く」などのメリットがあります。

日本人街のコミュニティがある

タイではバンコクをはじめとして古くから日本人が住んでいるエリアがあり、いくつかの日本人街を形成しています。

日本人街では日本語が通じるサービスが多く、何かと重宝するでしょう。日本の食材が買えるスーパー、デパート、邦画も観られる映画館、日本人経営のスーパー銭湯まで揃っている場所もあり、医療機関でも日本語が通じます。

タイ人の日本人への感情が良い

タイは世界的に見ても親日的な国です。日本とタイの王室が密接に交流していることだけでなく、文化の面でも日本の映画・漫画・アニメは高い人気があります。

日本人への感情が良いので、住みやすいと感じる機会も多いでしょう。

タイに移住することにはデメリットもある

言語

タイは比較的安価に東南アジアでの移住生活を楽しめるメリットがありますが、デメリットに感じることもあります。

英語だけでなくタイ語の練習が必須

日本人街では日本語が通じますが、日本語だけでタイ生活を満喫することはできません。また、英語ができる方でも同様です。英語が通じる可能性があるのは首都のバンコクくらいで、チェンマイなど地方都市では観光地であってもほとんどの地域は英語が通じないことが多いです。

タイで不自由なく生活するなら、やはりタイ語の習得が欠かせないでしょう。

思ったほど物価は安くない

タイの物価は安いと紹介しましたが、日本円とタイバーツの為替レートは円安タイバーツ高の状況が続いています。

2023年4月25日時点のタイバーツ/円のレートは1バーツ=3.91円です。

約10年前の2013年には1バーツ=約3.17円だったことを考えると、ずいぶん円安の状態に傾いていることが分かります。

円安の傾向にあることで、日本人がタイに移住する際は不利な条件になってしまっている点には注意が必要です。

1万円をバーツに両替しようとした際、2013年なら約3,155バーツに両替できたものが、現在では約2,557バーツにしかなりません。為替は常に変動しているので、今後は円高バーツ安の状況になることもあるかもしれません。

ただ、2012年頃からは一貫して円安バーツ高で推移しています。すぐにトレンドが転換するかは不透明です。

ビザの取得が必要

タイへの移住ではビザの取得が必要です。

老後にタイで第2の人生を送りたい方もリタイアメントビザを取得する必要があります。

タイのビザ審査は混みあって時間がかかるので、手間に感じる方も多いでしょう。

日本食などの輸入食材は高い

タイの物価が安いのはすでに紹介したとおりですが、輸入品に関しては別です。

日本の日用品や食料品はタイに輸入する過程で関税がかかっているため、日本で購入するよりも割高になっています。

日本産のものだけで生活しようとすると「生活費を安く抑えられる」というメリットを感じにくくなってしまうので注意が必要です。

タイの移住で後悔しないためのポイント

後悔

せっかくタイに移住するのですから、ぜひ成功させて快適な生活を送りたいですよね。

ここではタイ移住を成功させるポイントを紹介します。

まずは1~2ヵ月現地で住んでみる

タイに長期滞在をした経験がないままタイに移住すると、イメージとのギャップで後悔することになりかねません。

まずは1~2ヵ月ほどタイで生活してみて、移住しても生活できそうかを判断することがおすすめです。

観光ビザを利用すれば最大で90日間は滞在できるので、移住をイメージして生活してみると良いでしょう。

貯金は必須

タイに移住する場合、一定以上のお金を持っていることが条件になっていることがあります。

たとえばリタイアメントビザの申請では手続きに必要な費用以外に、以下の条件のいずれかを満たさなければいけません。

① 直前の3ヶ月で80万バーツ(約20.5万円)以上をタイ国内の銀行に預金している
② 毎月の年金収入が6万5000バーツ(約1.66万円)以上であること
③ 預金および収入の合計が80万バーツ以上であること

また、実際にタイで生活するための資金も必要です。

以下に、タイで生活するのに必要な費用相場の一部をまとめました。

費用項目 費用の目安/月
家賃 (1LDK):約35,000円~約87,000円

(2LDK):約87,000円~約260,000円

水道光熱費 8,000円~12,000円程度
食費 30,000円~40,000円程度

※1人暮らしの場合

そのほかBTS・MRTなどの運賃で1回100~200円程度、タクシー初乗り1km120円程度の交通費も発生します。

タイでの生活には月10~15万、予備費をみて20万円程度が目安になるでしょう。

年金を受け取れれば大半の生活費をカバーできるので、自身がいくらの年金を受け取れるのか、事前に確認しておくことをおすすめします。年金だけで足りないことが分かれば逆算して貯金を始めましょう。

以下の記事では老後に海外で年金を受け取る方法を解説しているので、海外での老後を夢見ている方はこちらも読み進めてみてください。

island 老後の海外移住で年金を受け取りたい方必見|手続き方法と受け取り方の注意点を解説

「日本の田舎」ではダメな理由を明確にする

タイへの移住について、華やかなイメージをお持ちの方も少なくありません。

ただ、現在は円安バーツ高も手伝って、物価が安いという恩恵が得にくい状態です。また、英語も日本語も通じにくいというのは日常生活で大きなストレスになります。

タイに移住するなら「日本の田舎暮らしではダメな理由」を明確にしておくことが大切です。

日本の田舎は都市部よりも土地代や物価が安くなり、日本語が通じない心配もありません。健康保険も問題なく適用されるので安心です。

これらと比較してもタイに魅力を感じているなら、きっと挫折しないで長期間生活できるでしょう。

まとめ

タイは以前から「日本の半分の物価」と言われており、比較的安価に移住できる場所として人気があります。

ただ、2012年頃から円安・バーツ高の状態が続いており、日本人がバーツに両替して得られるお金は少なくなっているのが現状です。

安いというメリットが弱くなりつつある一方、「日本語が通じにくい」「日本食が高い」といったデメリットは健在なので、現地で1~2ヶ月は生活してみて移住できそうかを肌で感じてみることをおすすめします。

3つライター紹介 | 高柳政道 Takayanagi Masamichi
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)。老後に安心して暮らすための知識とノウハウを紹介いたします。

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