- 終活にネガティブな印象を抱く人がいる
- 親が終活せずに亡くなると家族が苦労する
- 親に終活を勧めるときのうまい切り出し方を紹介
いまは元気に生活している人でも、いつかは最期の瞬間が必ずやってきます。
自分の親も例外ではありません。遅かれ早かれ、子どもが親の死を看取る日は訪れます。
離れて生活している親子の場合、子どもが親の生活スタイルや資産状況を知らないというのは珍しい話ではありません。しかしそれでは、親が亡くなったときに子どもが葬儀や墓の手配、相続手続きに際して大変な苦労をしてしまいます。
いざというときに備えて、親には今のうちから終活に励んで欲しいと願っている人も多いでしょう。
今回は親に終活を勧めるときのうまい切り出し方について解説します。
目次
親との終活の話し合いは避けて通れない

終活をせずに人が亡くなると、残された家族は故人の後始末をするために大変な苦労を強いられる可能性があります。
例えば生前整理をせずに親が亡くなると、モノが溢れかえった実家の片付けに追われるかもしれません。ゴミの処分にも費用がかかるため、できれば少しずつ身ぎれいにしておいてもらいたいものです。
また、財産をどうするかを生前に家族で話し合っておくことも重要な終活です。相続トラブルは財産が少なくても起こり得るため「たいした財産もないから大丈夫」と思っていても、後から親族同士で揉め事が発生してしまうかもしれません。
親の死後に直面する苦労を避けるためにも、まだ親が元気なうちからしっかりと話し合っておく必要があります。
親が終活をしたがらない4つの理由

すべての親がそうだとは限りませんが、親の中には終活を勧めても嫌がったり、終活の言葉を聞くだけで怒り出してしまうような親も存在します。そのため子どもの側から終活について切り出すのは繊細な注意が必要です。
親が終活をしたがらない場合には、以下のような4つの理由が考えられます。
1.「死」に対する忌避感がある
忌避感(きひかん)とは、特定の対象に対して心理的な抵抗や拒絶を示す感情のことです。死や病気はネガティブな印象を与えますから、忌避感を覚える人は一定数います。
終活とは自分の終末期に備える行動なので、終活の過程では自らの死に対して真っ向から向き合う必要があります。死や病気が身近に迫ってきた高齢者だからこそ、忌避感は強くなりがちです。
2.自分の老いを自覚させられる
いくつになっても、人にはプライドがあります。自分が「終活を始めるべき年齢」と子どもから思われている事実が、親のプライドを傷つけてしまう可能性もあるでしょう。
子どもから終活を勧められても「まだそんな年齢じゃない」と片意地を張ってしまうかもしれません。
また逆に、自分の死について話をすると子どもが不安になるのではないかと心配している親心から、終活の話を避けている可能性もあります。
3.財産狙いではないかと誤解する
終活する際には親の資産や生命保険の話など、生々しい内容について踏み込んだ話もする必要があります。
遺言書の作成をお願いしたり、家族信託契約について相談を持ち掛けることで、もしかしたら子どもが財産狙いなのではないか、自分の財産が奪われてしまうのではないかと誤解してしまうかもしれません。
4.やることが多そうで不安
終活に嫌な感情を抱いてなくても、行動に移すのは面倒という人がいます。
終活は真面目に取り組もうとすると、やることが多くて大変です。家の片付けや財産目録の作成、万が一のときに知らせるべき知人のリスト作成など、膨大な作業を想像して始める前から不安になってしまう人もいます。
終活は「終わり」ではなく「始まり」の活動

終活にネガティブな印象を抱く人は、親の世代だけでなく現役世代、また若い人でも少なくはありません。
そのような印象を抱いている人に、改めてお伝えしたいことがあります。
終活は死に向かうための活動ではなく、これからの自分がより良く生きるための活動です。自分の身の回りを整えることで気持ちがすっきりし、万が一の備えができているという安心感も生まれます。
終活がポジティブな活動であるという事実を子どもの側が認識し、終活のメリットを親にも味わってもらいたいと思う気持ちが大切です。
終活のメリットは以下の記事でも触れています。本記事とあわせて参考にしてください。
親に終活を勧めるうまい切り出し方6選

以下からは親に終活を勧めるときのうまい切り出し方を、具体的なセリフを例にとりながら説明していきます。
どの切り出し方でも、切り出すときには気軽な感じで話を始めてください。真剣な面持ちで話を切り出してしまうと、親が身構えてしまう可能性があります。
いたずらに親を不安にさせることなく、笑顔で終活の話を始めてみましょう。
1.子ども自身が終活を始める
「こないだから終活を始めてみたんだけど、やってみると結構楽しいね」
人を動かすにはまず自分から、と言います。親に終活を勧める一番の方法は、まず子どもである自分自身が終活してみることです。
終活の実体験を子供から聞けば、じゃあ自分も…と親が考えやすくなります。親と子どもが終活仲間になることで、互いの進捗状況を報告しあえるため張り合いも生まれます。
実際に、終活はどの年代の人が始めても構いません。以下の記事では年代ごとの終活方法を紹介していますので、自分が終活を始めるときの参考にしてください。
2.身近な人の具体例を出す
「親戚のおばさんのお葬式、遺影写真がピンボケでかわいそうだったよね。どうせなら自分が気に入っている写真を使ってほしいよね」
身近な人の具体的な例を挙げることで、終活は他人事ではなく自分事だと思えるようになります。親の知人で思い当たる例がないときには、自分自身の知り合いの例でも構いません。
3.終活している芸能人を話題にする
「中尾彬が生前整理でネジネジのスカーフを200本も処分したんだって」
直接の知り合いではなく、芸能人の終活例などを話題に挙げる方法も一案です。芸能人の噂は話題に出しやすく、茶飲み話のひとつとして気楽に切り出せます。
4.楽しい話題から自然な流れで切り出す
「どこか旅行してみたい場所とか、やってみたいことはある?」
将来が楽しみになるような前向きな話題から会話を始め、そこから自然な流れで終活の話題につなげていくとスムーズに話ができます。
5.不安な気持ちを正直に話す
「考えたくないけど、万が一のことが起こったときにちゃんとできるか不安だな。今から教えておいてくれない?」
親のためでなく、子どもである自分のために終活してほしいとお願いする切り出し方も良い方法です。
いくつになっても親は子どもから頼られたいものです。「教えて欲しい」と子どもからお願いする形で切り出せば、親のプライドも傷つきません。
6.「終活」の言葉を使わない
「空いている部屋を使わせて欲しいから片付けさせて」
「保険証書ってどこにあるんだっけ?」
「今度みんなで家族写真を撮ろうよ」
あらためて「終活」と言われると、身構えてしまう親も多いです。
終活の言葉はあえて使わず、確認しておきたい事項を少しずつ聞いて子どもがまとめておく「終活代行」の手段を取ってみても良いでしょう。
親に終活を勧めるときの注意点

上記のような切り出し方をすれば、親は納得して終活に一歩踏み出してくれる可能性が高まります。
しかし、どんなうまい切り出し方をしても親が納得してくれないケースはもちろんあります。また、せっかく終活を始めたのに不適切な発言をしたら、親のやる気が削がれて終活を止めてしまうかもしれません。
以下からは親に終活を勧めるとき、そして親が首尾よく終活を始めてくれた後の注意点を3つ説明します。
1.終活を拒否されたら無理せず時間を置く
いろいろな切り出し方をして終活を勧めてみても、やはり終活はしたくないと親が拒否するかもしれません。
そのようなときには、その場はゴリ押しせず話題を変えましょう。
嫌がっている人に無理矢理に終活をさせてもうまくはいきませんし、終活を無理にさせようとして言い争いになったら、親はますます意固地になってしまいます。
しばらく時間を置いた後、タイミングを見計らって再びチャレンジしてみてください。
2.親のペースに合わせて終活する
終活でやることはたくさんあるので、早いペースで効率良く終活を進めたいと子どもとしては考えがちです。
今日は生前整理、明日はエンディングノートの作成…と、予定を盛りだくさんに詰め込んだ計画表を既に作成している人もいるかもしれません。
しかし、相手は体力が衰えた高齢者です。早すぎるペースであれもこれもやろうとすれば身体に負担がかかる恐れがありますし、何よりも心が折れてしまいます。
ゆっくりと、親のペースに合わせて少しずつ終活するようにしてください。
3.親の終活を否定しない
親の終活にあたっては、子どもと相談しながら進めていくことが多いでしょう。
親が考えている墓や葬儀の希望、終末期ケアなどの希望が、子どもの希望と必ずしも合致しない可能性があります。そのようなとき、子どもからの意見や要望を伝えることはもちろん構いませんが、親の希望を無理矢理ねじまげてはいけません。
あくまでも終活の主役は親自身です。子どもは基本的に親の終活を否定せず、アドバイスを求められたら応じるだけに留めておいてください。
まとめ

今回は親に終活を勧めるときのうまい切り出し方をいくつかご紹介しました。
親にスイッチが入る切り出し方をいろいろと模索して、前向きな気持ちで終活がスタートできるよう上手に声掛けしましょう。
ライター紹介 | 杉田 Sugita終活カウンセラー2級・認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。
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