- 30代~40代の人でも終活を始めている
- 終活にはメリットが多い(生前にも役立つ)
- 終活は3種類(生前整理・エンディングノートや遺言書・葬儀場や墓の予約)
- 効率的な終活にはおすすめの手順がある
終活に興味はあるものの、何をすれば良いのか見当がつかず、なかなか始められないという人がいます。
具体的に何をすれば良いのか、効率良く行うためにはどんな手順で進めれば良いのかが分かれば、終活がスムーズに始められます。
また、そもそも終活は何のために行うのか、どんなメリットがあるのかわからない人も多いでしょう。
今回は、終活のメリットや具体的な活動内容、始める時期や効率良く進める手順を解説していきます。
目次
終活とは
終活とは、自分の人生の終わりに向けて行う活動(終焉活動・終末活動)のことを指します。2010年頃から徐々に認知されるようになりました。
以前は、死について口にするのは縁起でもないとタブー視されていましたが、近年では世情が変化し、自分の死生観について話をすることが不自然ではなくなりました。
日本の少子化により、子供に死後の面倒をかけたくないと考える人も増えており、生きているうちに身じまいをしておきたいという気持ちも終活を後押ししています。
終活を行う時期
終活は高齢者だけが行うものと考えている人もいますが、30代~40代の若さで終活を始める人も多くいらっしゃいます。
特に不要品の片付けなどは体力を要するため、若い人の方がアクティブに動きやすいという利点もあります。
比較的若い年代の人が終活をするタイミングとして、結婚や子供の誕生・マイホーム購入など人生の節目をきっかけにする人が多いようです。
終活を始めるのに年齢制限はないため、思い立ったときにいつでも始められます。
終活を行うメリット
自分が生きているうちに死後の事柄について考えておく終活には、さまざまなメリットが考えられます。
ここで改めて、終活のメリットを確認してみましょう。
メリット①:死後の不安が解消する
「死ぬのが怖い」と思う気持ちの中には、死そのものの恐怖に加え、自分が死んだ後の家族や周囲の人々に対する影響についての不安もあります。
終活で自分の死後のことについて取りまとめておけば、不安な気持ちは全てとは言わないまでも、ある程度は解消できます。
メリット②:家族の負担が減る
家族の誰かが突然亡くなると、遺された家族は一度にいろいろなことを決定し、実行しなければいけません。
あらかじめ葬儀やお墓などが決まっていれば、遺族の負担は大きく軽減できます。
また、遺産相続に関するトラブルは財産の多寡に関係なく起こる場合があります。遺産争いが起きないように相続先や相続方法を明記しておくことで、スムーズで関係者が納得する相続ができる可能性が高まります。
メリット③:生前から役に立つ
終活の一環として不要品等の整理整頓を行うことにより、身の回りがすっきりして暮らしやすくなります。
また、終活の思わぬ副産物として多くの経験者が挙げているのが、生命保険情報がわかりやすくなることです。
生命保険に医療保険特約を付けている人は、ケガや病気で入院した際の給付手続きをするときにエンディングノート記載の保険情報が役に立ちます。
いざというときのための備えは、亡くなったときだけでなく生きている間にも便利だということです。
メリット④:前向きに人生を楽しめる
人生の終わりを意識して、死に対する漠然とした不安や心配事を整理しておくことで、残りの人生をより良く生きようという気持ちも湧いてきます。
いろいろなことをポジティブに捉えることができ、終活を始めてからかえって人生が楽しめるようになってきたとの感想を抱く人も多いようです。
終活の種類
一口に終活と言っても、いろいろな終活があります。
どのような種類の終活があるか確認してみましょう。
生前整理・断捨離
生前整理とは自分の身の回りの品物を整理・処分などして、自分の死後に荷物の片付けをする人の労力を減らす作業です。
遺族の目に触れさせたくない品物についても、生前に処分してしまえば問題になることがありません。
不必要な家具や家電、服、食器、本などの処分を行う断捨離も、生前整理と並行して行えば一石二鳥です。
生前整理で処分するモノや方法などを知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
エンディングノート・遺言書の作成
エンディングノートとは自分が亡くなった後に遺族が確認することを前提として、葬儀・墓の希望、相続の希望などを書き残しておくノートです。
親しい知人の連絡先や生命保険情報、預金や有価証券の情報など、葬儀や相続に必要な情報に加え、家族への感謝の気持ちや言い残しておきたいことなどを自由に記述できます。
それに対し、遺言書とは主に遺産相続方法を中心に記しておくもので、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があります。一般的によく書かれているのは自筆証書遺言です。
遺言書を作成する際には、財産を明確にするため、目録を作成します。この作業は最初は手間がかかりますが、一度作成しておけば、後から財産の整理、更新するのが楽になります。
簡単なエンディングノートの作り方や法的に有効な遺言書の書き方については以下の記事も参考にしてください。
エンディングノートと遺言書の違い
エンディングノートと遺言書の違いは以下のとおりです。
◎法的効力
エンディングノート | 法的な効力はない |
遺言書 | 法的な効力が認められている |
◎相続方法の希望
エンディングノート | 希望を述べるのみ |
遺言書 | 相続割合、財産の指定ができる |
◎書き方
エンディングノート | 自由に記述できる |
遺言書 | 正しく書かないと無効になる |
葬儀・お墓の準備
自分の生前に葬儀場やお墓の予約をしておくのも終活の一環です。
葬儀場の予約をしておくと、亡くなった後すぐに遺族が指定の葬儀業者に連絡をすることができますので、ご遺体の搬送や葬儀手続きがスムーズに行えます。
生前に建てたお墓は生前墓、あるいは寿陵墓(じゅりょうぼ)と言います。寿陵墓は長寿や子孫繁栄につながる大変縁起が良いものとされ、開眼法要では慶事に使用する紅白の熨斗(のし)が使われます。
終活を行う手順
上記でご説明した終活の種類はどこからでも始めることができますが、より効率的に終活を進める手順があります。
正しい手順を踏むことで、手戻りがないスムーズな終活が行えます。
ここからは終活をどのようにスタートすれば良いか、おすすめの手順を解説します。
手順①:自分の希望や家族の意向を確認する
まず実際の作業に着手する前に、自分の気持ちをはっきりさせましょう。自分の死後、周囲にどうなって欲しいか落ち着いて考えるのが一番大切です。
最近では各地で終活セミナーや終活イベントが開催されているので、参加してみると思わぬ発見があります。エンディングノートをプレゼントしてくれるイベントなどもあります。
終活イベントについては以下の記事も参考にしてください。
また、自分が亡くなった後で実際の手続き等を行うのは、自分ではなく身近な家族になります。
家族の意向にあまりにも反していると、せっかく終活で自分の希望をまとめても意味がないものになってしまいますので、家族の考えもある程度知っておいた方が良いでしょう。
手順②:エンディングノートや遺言書を書く
自分や家族の考えが決まったら、エンディングノート・遺言書を作成します。
エンディングノートは一度にすべての記述を完成させようと思うと手を付けづらくなるので、書ける箇所から少しずつ書いていくのがポイントです。
文具店などで市販のエンディングノートも販売されていますが、日頃パソコンに慣れ親しんでいる人でしたらパソコンでの作成が追記・変更もしやすくおすすめです。
以下のサイトでは簡単なアンケートに答えるだけで無料のExcel版エンディングノートが手に入りますので、是非チェックしてみてください。
手順③:不用品を処分する
不用品の処分方法にはゴミとして処分したり、リサイクルショップへの売却、寄付、寄贈などがあります。
不用品の種類によって適切な方法を選択しましょう。
また生前整理を専門業者へ依頼する場合は、信頼できる業者かどうかをよく見極めるようにしましょう。
生前整理普及協会などの団体が認定している生前整理作業技能士や生前整理アドバイザーが在籍している業者であれば比較的安心です。
手順④:葬儀場やお墓の予約(遺影の準備)
葬儀場の予約や生前墓の建立は、他の終活がある程度落ち着いてからでも遅くはありません。優先順位は少し下げつつ、余裕が出てきてから検討しましょう。
葬儀場・お墓は最初からひとつに絞るより、いくつかの葬儀場・墓地を見学して見積を比較するようにしましょう。上記でご説明した終活イベントの中から墓地見学会などのイベントを探すのも一案です。
葬儀準備の中でも、遺影の準備だけは早めにやっておくことをおすすめします。
気に入らない写真を家族が遺影に選んでしまう可能性もありますので、生前にこれぞという写真を遺影に指定しておけば安心です。
まとめ
今回は終活とは何か、終活の種類、メリット、おすすめの手順について解説しました。
終活は「死」をポジティブに捉え、その後の自分の人生を楽しむための活動です。
明るく前向きな終活をして、より良い毎日を送りましょう。
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