- サブスク契約は死後に解約しないと支払継続・延滞金発生などのリスクがある
- 死後に遺族がサブスクを解約する方法を説明
- サブスク型のスマホアプリはApple IDまたはGoogleアカウントの停止が必要
最近では、若い人に限らずたくさんの人がサブスク(サブスクリプションサービス)を利用しています。
定額料金を支払えば提供サービスが使い放題になる便利なサブスクですが、サブスクは契約者が亡くなっても自動で解約することはないので、契約者の死後には遺族が代わりに解約手続きをしなければいけません。
今回は家族のサブスク契約を、死後に遺族が解約する方法について解説します。
家族の死後にはサブスク解約を忘れがち

家族の死後に遺族が行う手続きは非常に多いです。
死亡届の提出から始まり、葬儀や納骨の手配、年金や社会保険の停止、そして相続の手続きなどやるべきことは満載です。
ただでさえ家族との別れで悲しみにくれている状態で、やるべきことをひとつひとつこなすのは苦労するものです。急ぎではない手続きはどんどん後回しにしがちにして、そのうちに放置したまま忘れてしまう手続きも出てくるでしょう。
しかしサブスク契約をそのまま放置しておくと、思わぬリスクが発生する可能性があります。サブスク解約は急いでやらなければいけない手続きではありませんが、うっかり忘れてしまわないように「やることリスト」に加えておきましょう。
以下の記事では親の死後に子供がやるべき手続きを時系列で一覧にしています。この手続きは亡くなった人が自分の親でなく配偶者や兄弟姉妹などの死後手続きでも同様ですので「やることリスト」を作成するときの参考にしてください。
サブスク契約を死後に放置する4つのリスク

家族の死後にやるべきことに追われ、サブスク契約を解約する手続きを忘れてしまうと思わぬトラブルが発生します。
以下からは故人のサブスク契約を放置すると生じる4つのリスクを説明します。
1.料金が発生し続ける
サブスクリプションサービスの料金は月額、あるいは年額で支払われます。ほとんどのサブスクではクレジットカード決済や口座引き落としによる自動支払です。
契約者の死亡の事実はサブスク提供元へ自動的に連絡されることはないので、支払に使っていたクレジットカードや銀行口座を停止しない限りは、いつまでも料金が発生し続けることになります。
2.遅延損害金・延滞金を督促される恐れがある
死後には銀行口座が凍結されるから、サブスクの料金も引き落とされなくなるので放置しておいても良いと考えている人もいるかもしれません。
しかし解約せずに支払だけを止めてしまうと、サブスク利用料は未払いの状態になります。契約者の生死やサービス利用の有無はまったく関係ありません。
各サブスクサービスの規定にもよりますが、料金が未払いのアカウントに対しては延滞金や遅延損害金などを上乗せして自宅に督促状を送付してくるかもしれません。
3.クラウドデータが消失する恐れがある
サブスクの中にはインターネット上に契約者の占有スペースを設け、契約者が画像や動画などのデータを保存できるようにしているサービスがあります。インターネット上のデータをクラウドデータと呼びます。
一定期間利用がなかったり、料金が未払いになったサブスクのアカウントは、各サブスクサービス提供元の規定により停止されます。アカウントに紐づいていたクラウドデータも消去され、二度と復元できません。
きちんと解約手続きをしてクラウドデータを適切な場所に移動しておかないと、重要なデータや大切な思い出の写真などが完全に消失する恐れがあります。
クラウドデータについては以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
4.相続放棄できなくなる恐れがある
ネットフリックスやAppleミュージックなど、サブスクの中には家族アカウントを作って複数人で共有できるサービスがあります。
自分が契約している場合とほとんど変わりなく利用できるため、契約者の死後にも家族が特に気にせずサブスクサービスを利用し続けてしまうかもしれません。
しかし故人のアカウントに紐づく家族アカウントでサブスクサービスを利用した場合、その行為が故人の財産を単純承認したと見なされる可能性があります。
《単純承認とは》
被相続人の財産を、マイナスの遺産も含めすべて受け継ぐ相続方法
もし家族にマイナスの遺産があり相続放棄をしたくなったとしても、単純承認をした人は相続放棄が認められなくなります。
サブスク契約を家族の死後に解約する方法

以下からは、家族の死後に遺族がサブスク契約を解約する方法を説明します。
とは言っても、家族がどんなサブスクサービスを利用していたかを完全に把握している人は少ないでしょう。そこで今回は、まず契約しているサブスクサービスを調べるところから説明していきます。
STEP1:故人の預金通帳を確認する
亡くなった人が保有していた預金通帳を確認し、定期的な引き落としの履歴があったらそれが何の引き落としなのかを調べましょう。
月額支払ではなく年払いにしているケースも考えられるため、最低1年分はチェックしてください。
サブスクサービスの引き落としは、提供サービスの会社名もしくは収納代行会社の名称で記載されます。収納代行会社の名称が記載されている場合にはサブスクの種類はすぐにはわかりませんが、この時点では定期的な支払いの洗い出しだけで大丈夫です。
STEP2:故人のカード決済履歴を確認する
預金通帳と同様、亡くなった人のクレジットカードの明細もチェックしましょう。カード明細も必ず最低1年分は調べてください。
銀行引き落としに比べクレジットカード決済で収納代行会社を経由するサブスクサービスは少ないものの、一部のサブスクサービスではカード決済でも収納代行会社名を経由するケースがあります。
PayPalなどは通常のオンライン決済でも利用している人が多いため、毎月同額、または1年ごとに同額の決済がされているものをピックアップしましょう。
また明細に「APL* APPLE BILLAPPLE COM」や「GOOGLE PLAYG.CO」などの定期的な表記があったら、それはスマホのアプリ経由で請求されたサブスクサービス料金です。サブスク型のスマホアプリを解約する方法については後述しますので、この時点では決済履歴の確認だけしておいてください。
STEP3:PC・スマホのメールを検索する
サブスクサービスの利用料金が支払われる際には、各サービス提供元から通知メールが登録メールアドレスに届きます。
故人のパソコンやスマホのメールボックスを開き、サブスクサービスから以下のようなワードを含む通知メールが来ていないかを調べてください。
- 請求
- 決済
- 更新
- 領収書
- 決済完了
- 定期購入
- 自動支払
- Invoice
- Receipt
- Payment
- Billing
サブスク利用料金が収納代行会社を経由して支払われていた場合でも、受信メールの日付と照らし合わせれば何のサブスクサービスだったかがここで確認できます。
なお故人のパソコンやスマホにロックがかかっている場合には、パスワードがわからなければロックが解除できません。無理に解除しようとするとデバイス内のデータが消失する恐れもありますので、慎重に作業してください。
スマホのロック解除方法については以下の記事も参考にしてください。
STEP4:サブスクの内容を一覧にまとめる
STEP1~3で洗い出したサブスクサービスは、一覧にしておくと解約の進捗が管理しやすいのでおすすめです。
STEP5:各社のカスタマーサポートを調べる
故人が契約していたと思われるサブスクサービスを一覧にまとめ終えたら、それぞれのサービス提供元の公式サイトからカスタマーサポートの連絡先を調べてください。
サイトマップで「お問い合わせ」「お客様サポート」「ヘルプセンター」などのページを探してください。海外系サブスクの公式サイトでは連絡先がなかなか見つけづらい場合がありますが、その場合はSTEP3で調べた通知メールに連絡先が記載されていることもあるので、あわせて調べましょう。
STEP6:サブスク解約を申し込む
それぞれのサブスク提供元のカスタマーセンターに連絡し、解約を申し込みます。
カスタマーセンターへの連絡方法は電話・Webフォーム問い合わせ・有人チャットなど、各サブスク提供元により異なります。
解約を申し込む際は、どの連絡のやりかたでも「サービスを契約していた家族が死亡したので解約したい」の意思を伝えれば大丈夫です。サブスクのアカウントがわからなくても、ほとんどのサブスク提供元は遺族からの解約を受け付けています。
後はサポート担当者の指示に従って、解約手続きを進めてください。
遺族からの解約申込では、サブスク提供元から死亡届や戸籍謄本のコピーなどを求められる場合があります。指示があったら提出しましょう。
死亡届については以下の記事でも解説しています。
サブスク型のスマホアプリを解約するには

サブスク型のアプリをiPhoneまたはAndroidのスマホからダウンロードして有料契約を結んだときには、サブスク料金はAppStoreもしくはGoogle Playから請求されます。
アプリを解約するときには、アプリ単体ではなくApple IDかGoogleアカウントを停止しなければいけません。
iPhoneを使っていた人、またはAndroidスマホを使っていた人の死後に遺族がアカウントを停止する手順は以下のとおりです。
故人のスマホがiPhoneの場合
iPhoneに紐づくApple IDがわかっている場合や、亡くなった人が生前に家族を「故人アカウント管理連絡先」に指定していたときには、以下URLから手続きが可能です。
参考 亡くなったご家族のApple Accountへのアクセスを申請するAppleサポートApple IDがわからず、故人アカウント管理連絡先の指定がされていなかった場合でも、アカウント所有者の遺族など正当な代理人と認められれば以下の手順で申し込みできます。
- Appleサポート(0120-277-535)に電話し、アカウント所有者が死亡したためApple ID を停止したい旨を伝える
- サポート担当者の案内に従い、戸籍謄本等などの画像を専用フォームからアップロードする
- Appleによる書類の確認と審査が行われ、問題なければApple ID削除とクラウドデータの消去が実施される
故人のスマホがAndroidの場合
GoogleもAppleのように死後のアカウントを管理できる相手を決めておくことができますが、Googleが提供するアカウント無効化管理ツールはアカウントの利用が一定期間なかった場合のみ実行できます。
すぐにGoogleアカウントを閉鎖したいときには、以下の手順で申し込みましょう。
- 専用フォームの「故人のアカウントを閉鎖する」を選択する
- 必要事項を入力し、ページに記載されている必要書類の画像データを添付して送信する
- Googleによる書類の確認と審査が行われ、問題なければGoogleアカウントの閉鎖とクラウドデータの消去が実施される
まとめ

今回はサブスク契約者の死後に遺族が解約する方法について解説しました。
サブスクは今後ともますます普及やサービス拡大が見込まれます。自分の死後に遺された家族が解約する面倒が少しでも減るように、契約しているサブスクをエンディングノートに書いておくなど、できるだけのことをしておいてあげましょう。
ライター紹介 | 杉田 Sugita終活カウンセラー2級・認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。
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