- 入院で必須なものは病院から渡される「しおり」を参照
- 持っていくと便利なもの15種類を紹介
- 病院から持ち込み禁止されているもの6種類を紹介
年齢を重ねると、突然の体調不良が起こりやすくなります。
自分や家族がいきなり入院する事態になったら、ほとんどの人は慌ててしまうでしょう。病院から指示された入院に必要なものをあれこれと持参しても、いざ入院生活が始まったら「あれもない、これもない」と困ってしまうかもしれません。
今回は入院するときに必要なものや、持っていくと便利なものなどについて解説します。事前に何が必要かを知り、いざというときに困らないようにしてください。
目次
入院するときに必要なもの
入院することが決まったら、ほとんどの病院では「入院のしおり」を本人や家族に渡してくれます。
しおりの中には入院生活で必要なものについても記述してありますので、そのとおりにすれば入院後にも最低限の日常生活は送ることができます。
病院により若干の違いはありますが、一般的には以下のものが必要とされています。
健康保険証 | マイナンバーカードまたは「資格情報のおしらせ」でも可 |
衣類 | パジャマ・下着など |
洗面用具 | 歯ブラシ・歯磨き粉・洗顔料など |
タオル類 | バスタオル・フェイスタオル |
洗髪用具 | シャンプー・リンス |
食事用具 | 箸・スプーン・湯呑など |
室内履き | かかとがあるもの |
薬 | 常備薬・おくすり手帳 |
室内履きに関しては、スリッパやサンダルは避けてください。院内事故防止の観点から、現在は多くの病院でかかとがない履き物は禁止されています。
パジャマはレンタルも可能
ほとんどの病院では、入院患者のためにパジャマのレンタルサービスを提供しています。タオル類も一緒にレンタルできる病院が多いようです。
1日数百円程度で借りられ、汚れたり汗をかいたりしたときにはいつでも交換できる便利なサービスです。パジャマやタオルの洗濯が難しい場合にはレンタルサービスの利用をご検討ください。
感染症予防のため不織布マスクは必要
新型コロナウィルス感染症の位置付けが5類に移行し、2025年現在では外出時にマスクを着用している人も少なくなりました。
しかし、現在でも医療機関や高齢者施設では不織布マスクの着用が推奨されています。
参考 マスクの着用について厚生労働省入院したときに着用していたマスク1枚だけだと、その後に入院生活が続く間ずっと同じマスクで過ごさなければいけません。替えのマスクを多めに持参し、常に衛生を心がけてください。
入院保証金が必要な場合があるので注意
病院の中には、入院する患者に対して入院保証金の納付を要求する病院もあります。
入院保証金とは、退院時の支払いが滞った場合に備えて一定額をあらかじめ病院が確保しておく金銭です。
入院保証金の相場は5万円~10万円程度です。退院時には清算してもらえますが、病院によっては入院する時点で多額の現金が必要になる可能性も把握しておきましょう。
入院保証金の詳細や、入院保証金が支払えない人に対する救済策については以下の記事をご覧ください。
入院するときに持って行った方が良いもの
上記で説明した「入院するときに必要なもの」は、病院で最低限必要なものです。
入院生活を少しでも快適にするためには、以下の品物も持っていくことをおすすめします。
携帯電話・スマートフォン
いまや携帯電話やスマートフォンは、どんな年代や状況の人にとっても必須のものと言えます。
特にスマートフォンは家族等との連絡手段としてだけでなく、暇つぶしや情報収集にも役立ちます。充電器も忘れずに持参してください。
院内でフリーWi-Fiが提供されていない病院に入院するときには、ポケットWi-Fiの契約をしておくこともおすすめします。
羽織りもの
病院内はエアコンが常時稼働しているため、少し肌寒く感じられる場合があります。
レンタルできるパジャマは薄手の綿素材ですので、カーディガンや前開きのフリースなど、気軽に羽織れる防寒衣類を用意しましょう。
スキンケア用品
エアコンが常時稼働している院内は非常に乾燥しています。
リップクリームやハンドクリーム、化粧水などのスキンケア用品は忘れずにお持ちください。
アルコール入りウェットティッシュ
ウェットティッシュが手元にあると、ベッドサイドテーブルなどが汚れたときにさっと拭けるので便利です。手肌に使えるアルコール入りウェットティッシュであれば。ベッドから起き上がれないときでも手指や口元を清潔に保てます。
レジ袋
手提げのレジ袋はさまざまなシーンで役に立ちます。
買い物袋やゴミ袋としてつかうだけでなく、汚れものを入れたり私物の仕分けをするなど、いくつあっても困りません。小さくたたんで何枚か荷物に入れておきましょう。
洗濯ばさみ
洗面台で手洗いしたハンカチやタオルをベッド脇で干すときに、洗濯ばさみがあると便利です。レジ袋をベッドの横に引っ掛けるときにも役立つでしょう。
ジップロック
ジップロック(ジッパー付ビニール袋)はお見舞いで頂いたお菓子のおすそ分けをするとき、また財布や小物入れ代わりとしても使えます。
千円札・小銭
自動販売機で飲みものを買ったり、院内のコインランドリーで洗濯をするときには現金が必要です。
多額の現金は持ち込むべきではありませんが、ある程度の小銭は持って置き、貴重品入れに入れてしっかり管理しましょう。
ベッド備え付けのテレビが観られるテレビカードは、ほとんどの病院では千円札しか使えない自動販売機で販売しています。小銭とともに千円札も持っておけば安心です。
クリアファイル
医師の説明書や入院・手術の同意書など、病院内ではさまざまな書類が飛び交います。
クリアファイルを数枚持っていくと、書類がきちんと分類できるので持参がおすすめです。
ボールペン・メモ帳
書類にサインをしたり医師・看護師の説明をメモするために、ボールペンとメモ帳は必須アイテムです。
ボールペンを用意するときには、フリクション(文字が消せるボールペン)は避けてください。同意書などの大事な書類にはフリクションは使用できません。
イヤホン
ベッド備え付けのテレビを視聴するためのイヤホンは病人内の売店でも販売されていますが、最近のスマートフォンはイヤホンジャックではなくBluetoothやUSB-Cポートにイヤホンを差し込むタイプが多くなってきています。
自分の利用したいデバイスに合うタイプのイヤホンを持参してください。
置き時計
多くの病院では各病室に壁掛け時計を設置していますが、ベッドの位置によっては時計が見えにくい場合があります。ベッドの周囲にカーテンを引いている場合も同様です。
小さい置き時計がひとつあると、検査や診察で何かと忙しい入院生活での時間把握がやりやすくなります。
サコッシュ・ポシェット
点滴をしている人はトイレやシャワー、売店などに行くときにも点滴棒を片手で押しながらの移動が必要なため、手持ちバッグでは両手がふさがってしまいます。
肩にかけられるサコッシュやポシェットの利用が入院生活ではおすすめです。ただし斜めがけするボディバッグ等は点滴チューブに引っかかるため避けてください。
眼鏡ケース・コンタクトレンズケア用品
目が悪い人は病院に行くときにも眼鏡やコンタクトレンズを装着しているため、忘れるということはまずありません。
しかし、忘れがちなのが眼鏡ケースやコンタクトケア用品です。眼鏡やコンタクトを使用している人は忘れずに荷物に入れてください。
紙コップ
入院中に水やお茶を飲んだり、うがいをするときのコップは基本的に入院患者自身が洗う決まりです。
毎日洗うのが面倒だったり、ベッド内安静で自分でコップを洗えない人は、紙コップを持っていけば使い捨てにできます。
入院後に病院で購入が必要なもの
入院する理由となった病気やケガによっては、病院から購入が指示されるものがあります。
《購入が必要なものの例》
・弾性ストッキング
・T字帯
・大人用紙おむつ
・片胸帯や前開きブラ 他
病院内の売店で購入する、もしくは退院時の請求に購入代金が含まれるなど、支払い方法は病院により異なります。入院先の病院で医師・看護師に確認してください。
限度額認定証の取得は98%必要ではない
高額療養費の申請のため、かつては入院時に限度額認定証を取得して病院への提出が必要でした。
しかし最近ではマイナ保険証(オンライン資格確認システム)の普及が進んだため、限度額認定証がなくても健康保険の資格確認ができるようになりました。
2024年12月時点では、国内の98.8%がオンライン資格確認システムを利用しています。ごく一部の例外を除き、現在では限度額認定証は必要なものではありません。
高額医療費制度や限度額認定証については以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
高齢者が入院するときに必要なもの
高齢者が入院するときには、さらにプラスして持参するものがあります。
入院する人が要介護者の場合は、健康保険証だけでなく介護保険証も必要です。日々の介護に必要なものがあったら、入院時にも忘れずにお持ちください。
義歯の保管容器や補聴器の替え電池も忘れずに持参しましょう。
入院するとき持ち込み禁止なもの
入院するとき必要なものとは逆に、入院するときに持って行ってはいけないものについてもきちんと理解しておきましょう。
以下の物品は防犯や院内のトラブルを未然に防ぐために多くの病院が持ち込み禁止としているものです。病院内の決まりを守り、決して持ち込まないようにしてください。
貴重品・多額の現金
貴重品や多額の現金は盗難の恐れがあるため、入院時には持ち込んではいけません。万が一盗難が発生しても、病院では管理責任を負う必要がないとされています。
タバコ(加熱式を含む)
タバコは健康を害するだけでなく、火災の危険があるため持ち込みは厳禁です。
紙タバコだけでなく加熱式タバコも禁止です。
酒
飲酒はトラブルの原因にもなり、入院患者の病状が悪化する恐れもあるため禁止されています。
刃物
かつては見舞いの果物をフルーツナイフで切って食べるという光景がよくありましたが、現在では多くの病院で刃物の持ち込みが禁止されてるため見られなくなっています。
刃物が持ち込み禁止となった理由は、防犯上の目的に加えて意図しないケガや医療機器の損傷を防ぐためでもあります。
発火するもの
刃物と同じ理由で、マッチ・ライターなど発火するものも禁止されています。
ドライヤー等の家電
病院内のアンペア数には限りがあるため、入院患者が好き放題に家電を持ち込むと電気を圧迫する恐れがあります。
特にドライヤーなど熱を発するものは消費電力が大きいため、ほとんどの病院で持ち込み禁止です。シャワー浴の後に髪を乾かしたい場合は病院から貸してもらえます。
パソコンやスマートフォンの充電はOKとされていますが、生命に直結する医療機器の稼働に影響を与えないよう、際限なく家電製品を持ち込むことは差し控えましょう。
まとめ
今回は入院に必要なものについて解説しました。
普段と違う入院生活は、どんな人でも不安になるものです。必要なものをセレクトして持っていき、安心して治療に専念できるよう準備しましょう。

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