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高齢者が本当に行きやすい運動施設とは|立地・料金・シニアへの配慮を比較

この記事のサマリ
  • 高齢者は運動施設に「近さ」「安さ」「高齢者への配慮」を求めている
  • 高齢者が通いやすい運動施設を紹介
  • 高齢者は運動施設利用時の事故に注意

運動は特別な専用施設だけでなく、自宅でも行えます。

ですが自宅にいると、ついつい気が緩んで運動する気も起きなくなってしまうものです。

周囲の人たちが全員頑張ってスポーツしている姿を見れば「自分もよし、やるぞ!」と運動する気が高まります。

今回は高齢者が通いやすい運動施設を、立地・費用・高齢者への配慮の点から比較して紹介します。

健康寿命を伸ばすためには運動が大切

階段を登る高齢者女性

高齢者になると若い頃より身体を動かす機会が減ってきます。

定年退職した後は毎日の通勤もなくなり、出かけるのは近所のスーパーやコンビニエンスストアだけ…という高齢者も多いでしょう。

しかし身体を動かさないと、人間の肉体はどんどん衰えます。医学の進歩により平均寿命は延びていますが、健康的で自立した生活ができる期間である健康寿命が短くなる危険性は避けられません。

ですから若い頃よりも、むしろ高齢者になってからの方が意識的に運動するチャンスを作っていく必要があると考えられます。

健康寿命を延ばす運動以外の対策については以下の記事をご覧ください。

【最新データ】2022年の健康寿命を伸ばす方法|寝たきりを防ぐために大切なこと

高齢者が運動施設に求めていることランキング

粘土の王冠とRANKINGの文字

世の中にはたくさんの運動施設がありますが、どこに行けば良いかが悩みどころです。

若い人ばかりが集まるオシャレなフィットネスクラブは自分が浮いてしまうかもしれませんし、高額なジムは費用面も心配です。

経営コンサルタント会社のピー・アンド・イー・ディレクションズが実施したアンケート結果を元に、シニア世代と呼ばれる高齢者が運動施設に対して何を求めているかをランキング形式で紹介します。

参考 シニア世代の運動に対する意識及びスポーツ施設利用に関する実態調査株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズ

1位:自宅から近い

まず、もっとも優先されるべきは自宅からの距離の近さです。

遠い場所にある運動施設では移動が面倒になり、いつの間にか三日坊主で終わってしまいます。運動を継続するためには、思い立ったらすぐに行ける距離であることは必須とも言えます。

自宅の近くにある運動施設であれば、スポーツウェアのまま行き帰りができる点も継続を後押しします。シャワーや風呂が設置されていない運動施設であっても帰宅後にすぐ汗を流せるため、通う運動施設の種類の幅も広がります。

2位:料金が安い

継続して運動施設に通うためには、料金の安さも重要なポイントです。

あまりにも高額な料金がかかる運動施設だと、高齢者の老後資金を圧迫してしまう可能性があります。お金がもったいなくなり行く回数を控えてしまっては、運動の機会はどんどん減ってしまいます。

無理なく支払え、経済的な不安を感じずに通える運動施設を選ぶ必要があります。

3位:シニア向けプログラムがある

高齢になると体力や筋力が衰えてくるため、若い人と同レベルの運動はなかなかこなせなくなります。

転倒による骨折など思わぬケガをする可能性があるため、特別な注意が必要です。

安全に配慮されたシニア向けプログラムが用意されている運動施設であれば、ケガや運動時のトラブルに遭うリスクが低減できます。

どこが一番通いやすい?運動施設を徹底比較

虫眼鏡の中に「比較」の文字

上記のアンケート結果に基づき、以下からは日本全国に存在する運動施設の中から、高齢者が通いやすい運動施設はどこかを比較していきます。

ランキング1位の「自宅に近い」については、すべての人のご自宅を調べることはできないため、施設数の多さで比較することをご了承ください。

また高齢者向け運動施設については以下の記事でもご紹介していますので、この記事とあわせて参考にしてください。

高齢者が運動不足を解消する方法|おすすめ健康グッズ・スポーツ施設を紹介

フィットネスクラブ

施設の多さ:〇
料金の安さ:△
シニア向けプログラム:△

民間のフィットネスクラブは駅前や商店街など人が集まる場所で運営されていることが多いため、行きやすさの点では利点があります。

フィットネスクラブによっては平日昼間限定で利用できるお得な「シニア割引」を設定しているクラブもあるので、うまく利用すれば料金が節約できます。

参考 ゆとりすとの選択Daysデイズコナミスポーツクラブ

シニア向けプログラムの有無はクラブにより異なります。ご自宅の近くにあるフィットネスクラブに問い合わせてみましょう。

パーソナルジム

施設の多さ:△(都市部には多い)
料金の安さ:×
シニア向けプログラム:〇

パーソナルジムは利用者ひとりひとりに合わせた運動プログラムを組んでくれますので、自分の目標や体調に合わせた運動ができます。

トレーナーがマンツーマンで付いてくれる点も、安全面では大きなメリットです。

ただしパーソナルジムは普通のフィットネスクラブに比べて料金が高い点がデメリットです。パーソナルジムで正しい運動のやり方を身につけた後は別の運動施設に乗り換え、トレーナーから教わった運動方法で運動を続けるのも一案です。

自治体スポーツセンター

施設の多さ:△
料金の安さ:〇
シニア向けプログラム:〇

自治体が運営する公営スポーツセンターは、利用料金の安さが最大のメリットです。

また、多くの自治体では高齢住民の健康増進や介護予防を目的に、シニア向け運動教室を開催しています。高齢者が無理なくできる運動を低料金で教えてもらえるため、近所の人と誘い合わせて参加してみることをおすすめします。

参考 シニア(60歳以上)スポーツ教室案内渋谷区 参考 シニア向け教室川崎市麻生スポーツセンター

ジムで運動をするアクティブシニア

老人福祉センター

施設の多さ:〇
料金の安さ:〇
シニア向けプログラム:〇

老人福祉センターとは高齢者が健康で楽しい日常生活を送れるよう、各種相談の受付やレクリエーション、軽スポーツなどの企画をとおして高齢者に憩いの場・健康増進の場を提供している自治体運営の老人福祉施設です。

運動だけでなく囲碁や将棋などの娯楽やカラオケなどもできたり、浴場が併設されている老人福祉センターでは入浴も可能です。

もともと老人福祉センターは地域の中でも高齢者が行きやすい住宅地に設置されていることが多いため、案外行きやすい点もポイントです。

なお自治体や施設によっては「老人福祉センター」ではなく「老人憩(いこい)の家」を運営しているところがあります。ほぼ同じ目的の施設ですので、自宅のお近くに老人福祉センターがない場合は「老人憩の家」も探してみてください。

公立小中学校の体育館

施設の多さ:〇
料金の安さ:〇
シニア向けプログラム:×

公立小中学校の中には、放課後や休日に学校の校庭や体育館を地域に開放しているケースがあります。

ほとんどの場合は無料で利用できるため、できるだけ費用を抑えて運動施設を利用したい人にはぴったりです。

ただし公立小中学校の地域開放では専任のスタッフがいるわけではないため、高齢者の安全面についてはやや不安要素が残ります。

リハビリ特化型デイサービス

施設の多さ:×
料金の安さ:介護保険の有無により異なる
シニア向けプログラム:〇

リハビリ特化型デイサービスとは、デイサービスの中でも機能訓練(リハビリ)に特化した施設です。

デイサービス利用者の中でも比較的自由に動ける人や、運動だけでなく入浴や食事などのサービスを受けたい人のニーズにあわせて最近増えてきています。

リハビリ特化型デイサービスとデイケアとの主な違いは、医師が常駐しているか否かです。デイサービスとデイケアの違いについては以下の記事をご覧ください。

デイサービスとデイケアの違いを確認!相違点と共通点からおすすめ施設選び

ただしリハビリ特化型デイサービスを利用できるのは要介護1以上の認定を受けている人だけです。自立や要支援の高齢者は介護保険を使わず自己負担100%で利用できます。

高齢者が運動施設利用時に注意すること

粘土人形と「注意点」と書かれたブロック

これからどこかの運動施設に行ってみようと思っている人に、いくつか注意点があります。

近年、フィットネスクラブなどの運動施設における高齢者の事故が増えています。高齢になっても運動しようという心がけは大変素晴らしいですが、事故やケガによるトラブルが起きてしまっては、健康増進どころではありません。

以下の注意点をしっかり確認し、事故なく安全に運動しましょう。

無理せず自分の体力にあわせた運動をする

高齢者は加齢により体力や筋力、バランス感覚が低下しています。

若い頃と同じような感覚で運動しようとすると、思わぬケガをしてしまうかもしれません。

また男性に多い事例ですが、運動施設で自分と同じように運動している人を見て、相手より運動能力が高いところを見せつけたいと無理な負荷を上げてしまいケガをする例があります。

周囲と競い合って運動しても、何の得にもなりません。決して無理をせず自分の体力と相談しながら、自分のペースで運動しましょう。

持病がある人はかかりつけ医と相談する

運動は健康増進のためには良い行動ですが、中には運動がかえって健康を害する元になってしまう場合があります。

例えば循環器系の持病を抱えている人が激しい運動をすると、心臓に負担がかかり発作の原因になってしまうかもしれません。

持病がある人は運動を始める前に必ずかかりつけ医に相談して、どの程度までの運動なら行って大丈夫かを確認しておきましょう。

安全管理が整った運動施設を選ぶ

トラブルは、いつどんな形で降りかかってくるかわかりません。

運動施設におけるトラブルも同様です。運動時にケガをしたり、運動している最中に突然の体調不良が発生する可能性があります。

近年増えている無人店舗のスポーツジムは、スキマ時間を使って気軽に運動できる運動施設ですが、高齢者の利用は万が一のトラブルに対応しづらくなるためおすすめできません。

高齢者が万が一のトラブルに遭ったときにもすぐ対応してもらえるよう、スタッフ常駐やAED設置など、安全管理が整っている運動施設がおすすめです。

契約内容をよく確認する

民間フィットネスクラブやパーソナルジムの中には、解約しようとする利用者を引き留めるために中途解約を拒否したり、強引に長期契約をせまってくる悪徳業者もまれに存在します。

不要なオプションのトレーニングやプロティンの定期購入を押し付けてくるスポーツジム等も存在しますので、契約の際はしっかり契約書を確認し、わからない点はスタッフにきちんと質問してから契約しましょう。

また、入会後にもし契約トラブルが発生したときには、速やかに消費生活センターへの相談をおすすめします。

参考 全国の消費生活センター等独立行政法人国民生活センター

まとめ

 

今回は高齢者が安心して運動できる運動施設を紹介しました。

運動施設では、多くの人が運動しています。同じ目的を持つ仲間との出会いが、これからの人生をさらに有意義なものにしてくれるかもしれません。

健康増進とともに、人とのふれあいも求めて積極的に運動施設へ出かけてみましょう。

ライター紹介 | 杉田 Sugita
終活カウンセラー2級・認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。

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