- 訃報(とは)人が亡くなった事実を関係者に伝える通知
- 多くの相手に送る訃報は優先順位をつけて連絡すると良い
- 訃報の具体的な書き方を3パターン紹介
芸能人や有名人が亡くなったときには、よくテレビのニュースで「訃報」が報じられます。
しかし訃報とは、有名人が亡くなったときばかりのものではありません。自分の大切な家族がこの世を去ったときには、自分自身が訃報を誰かに伝える必要が生じてきます。
今回は訃報とは何か、訃報を伝える相手やタイミングなどを説明し、具体的な訃報の書き方についてもあわせて紹介していきます。
目次
訃報(ふほう)とは
訃報とは、人が亡くなったときに故人や遺族の関係者に対して死去の事実を報じる(知らせる)ことです。読み方は「ふほう」です。
一般的には故人を看取った遺族が、親族や知人に対して訃報を伝えます。
訃報を伝える際には死去の事実だけでなく、関係者が故人と最期のお別れができるように葬儀日程や葬儀の場所も案内する場合が多いです。
人が亡くなったばかりのときには、遺族は訃報を各所に伝える以外にもやることがたくさんあります。家族が亡くなったときにやるべき手続きについて知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
死後にやるべき手続き15選!その1【2週間以内】 死後にやるべき手続き7選!その2【2週間以降】訃報を伝える相手(優先順)
訃報を伝える相手が多いときには、各所への連絡だけでも大きく時間をとられます。
故人や遺族と相手方がどのような関係だったかに応じて、優先順位をつけていきましょう。
優先度1:親族
真っ先に訃報を伝えるべき相手は、故人の看取りができなかった家族や親戚などの親族です。
親族への連絡を後回しにした結果、訃報を他の人から聞かされて恥をかいた、悲しい思いをしたと思わぬトラブルになる可能性があります。親族への訃報連絡は間をおかず、伝えるようにしましょう。
優先度2:故人の親友
故人と特に親しかった友人にも、できるだけ早く訃報をお伝えしたいものです。
親友と呼べる間柄の人は、葬儀よりももっと前に故人のもとに駆け付けて別れを惜しみたいと思っているかもしれません。また、故人自身もそれを願っていることも考えられます。
なお親戚関係と違い、故人の友人関係は家族であっても把握していないことが多いです。
自分に心からの親友がいて、自分が亡くなったときには訃報を早急に伝えてほしいと希望している場合には、エンディングノートなどに重要な連絡先として記載しておいた方が良いでしょう。
エンディングノートについては以下の記事でも書き方を解説しています。
終活(エンディング)ノートが10分で完成。6個の質問に答えるだけ優先度3:葬儀会社・菩提寺
病院で亡くなった人は葬儀会社が連絡を受けて故人を自宅などに搬送しますが、自宅で亡くなるなどして葬儀会社にまだ未連絡の場合には、速やかに連絡しましょう。
ほとんどの葬儀会社は24時間365日電話を受け付けています。死後には遺体の処置もしなければならないため、状況に応じて訃報の優先度を上げてください。
多くの場合、菩提寺への連絡は葬儀会社が行ってくれます。
優先度4:故人の勤務先
故人が仕事をしていたら、勤務先にも訃報を伝える必要があります。
業務上の問題だけでなく、故人が加入していた社会保険や雇用保険の脱退手続きを会社が行ってくれます。
また社員が亡くなったときには会社の規定に応じて死亡退職金や弔慰金が出る会社もあります。弔慰金については以下の記事をご覧ください。
遺族へ支給される「弔慰金」とは|税制や死亡退職金との違いを解説優先度5:遺族の関係者
遺族の勤務先や学校にも訃報をお伝えすべきです。
故人の勤務先と同様、親族が死去した場合でも慶弔休暇や弔慰金が発生します。また葬儀に参列したいと相手先から希望された際には、葬儀日程などについてもご案内します。
優先度6:町内会・自治体
故人が住んでいた町内会や自治体にも訃報を伝えます。
町内会から住民に報じる訃報連絡は地域によって回覧板や掲示板など手段が異なりますが、近隣の方が葬儀に参列できるように葬儀日程なども記載されるのが一般的です。
もし葬儀を家族葬にする場合には、町内会長や班長に家族葬で葬儀を行うため参列をお控えしていただく旨も伝えておいた方が良いでしょう。
訃報を伝えるタイミング
訃報を伝えるタイミングは、上記で説明した優先度合いによって異なります。
優先度1の親族と優先度2の故人の親友に関しては、故人が病院から自宅等に戻り、安置が済んだ時点で速やかに連絡すべきです。
訃報を伝える時点でまだ葬儀日程が決まっていないときには、決まり次第改めてご案内します。
優先度3の葬儀会社と菩提寺についても、間を置かず訃報を伝えてください。葬儀の詳細が決まらないことにはその後の連絡ができません。
優先度4以降への訃報は、葬儀スケジュール等が決定してからの連絡で構いません。
訃報の手段
訃報を伝える方法は、かつては電話や電報が主な手段でした。
現在では電報を活用する人はほとんどいなくなり、以下のような手段を利用している人が多いようです。
電話
優先度の高い親族や故人の友人など、取り急ぎ訃報を伝えることができる手段は今も昔も電話にかなうものはありません。
ただし電話はかけた相手がすぐに出られないこともあり、多人数に連絡しなければいけないときには遺族の負担も大きくなります。
親戚関係など横のつながりがある相手ならば、信頼のおける1人に他の人への連絡をお願いしても良いでしょう。
FAX
葬儀日程や開催地の連絡は電話だと間違いも起こりやすいので、文書での連絡をおすすめします。
郵送は相手に届くまで日数がかかるため、相手先にFAXがあればFAXも活用しましょう。
メール・SNS
メールやSNSでの訃報は、以前にはマナー違反だと言われることもありました。
しかし最近では、連絡のしやすさや多人数へ同時に訃報が伝えられる利便性などの理由により、インターネットを利用した訃報が一般的になりつつあります。
ですが年配の人の中には、いまだにメール等での訃報を良く思わない人もいらっしゃいますので、訃報を伝える相手に応じて連絡手段は検討してください。
またSNSで訃報を伝える際には、公開先を友達限定にするなどの配慮を怠らないようにしましょう。
訃報の基本的な書き方
葬儀の詳細が決まってから訃報をFAXやメール等で送るときには、以下の内容を記載します。電話で連絡する場合には、間違ってお伝えすることがないよう十分にご注意ください。
- 故人の名前
- 亡くなった日
- 死因(※)
- 葬儀(通夜・告別式)の日程
- 葬儀(通夜・告別式)の場所
- 宗派
- 喪主の名前
- 連絡先
※死因は必ずしも書く必要はありません
家族葬のため葬儀への参列をご遠慮いただく場合は、葬儀を家族葬で執り行う旨を記載し、葬儀の詳細は割愛します。
また献花や香典を辞退する際にも、遺族の意向をあらかじめ記載しておいた方が相手にとって失礼がなくなります。
訃報の文例(ケース別)
以下からは訃報の具体的な書き方を、ケース別の文例でご紹介します。
状況に応じて内容を変更し、ご自由に活用してください。
一般的な訃報
家族が亡くなった場合に送る一般的な訃報の書き方は以下のとおりです。
○○年○月○日、父(故人の名前)が病気により永眠いたしました。
生前は多大なるご厚情を賜り、謹んでお礼申し上げます
葬儀は以下のとおり仏式にて執り行います。
通夜 (日時・会場名・住所)
告別式 (日時)同上
(喪主の名前)
(連絡先)
会社役員・社員の訃報
会社の役員や社員が亡くなり、遺族の知らせを受けて会社が従業員に周知する場合の訃報は以下のような書き方をします。
訃報
(故人の役職名・所属部署と名前)殿が、○○年○月○日に逝去されました。
葬儀が下記の日程で行われますので謹んでお知らせ申し上げます。
記
1.日時
通夜 ○○年○月○日 ○時~○時
告別式 ○○年○月○日 ○時~○時
2.場所
(会場名・住所・電話番号・最寄り駅)
3.喪主
(喪主の名前)様
4.問い合わせ先
(部署名・担当者・電話番号)
家族葬・直葬を執り行う場合の訃報
葬儀を行わず火葬のみ(直葬)で故人を送る場合や、近親者のみの家族葬にした場合には、葬儀が終了した後で関係者に訃報を伝えることが一般的です。
父(故人の名前)が○○年○月○日に永眠いたしましたこと謹んでお知らせ申し上げます。
なお葬儀は○○年○月○日に滞りなく相済ませました。
故人に代わり、生前のご厚誼に深く感謝申し上げます。
○○年○月○日
(訃報を伝える人の名前)
故人や遺族との関係性が薄い相手には、訃報ではなく喪中ハガキで近親者の死去の旨のみ伝える案もあります。
まとめ
今回は訃報について、伝える相手や連絡手段、書き方などを解説しました。
大切な家族が亡くなると、遺族は深い悲しみで自分のなすべきこともわからなくなるかもしれません。
しかし故人の死を悼む人は、家族だけではありません。
故人と親交があった人に対して礼を逸しないように、適切に訃報をお伝えしましょう。
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