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シニアのボランティア事情を解説|ボランティアの探し方と活動内容・注意点

voluntier

この記事のサマリ
  • シニアの3割以上がボランティアなどの社会貢献をしている
  • 若年層に比べてシニアのボランティアには利点がある(時間の余裕・経済的な余裕・世代間交流の機会)
  • シニアのボランティアはインターネット・自治体・イベントで探せる

ボランティアとは、自分ができることを周囲と協力しながら無償で行う活動のことです。

仕事をリタイアして生活に余裕がうまれたら、ボランティアをして社会に貢献しようとしているシニア層も多いでしょう。

今回はシニアのボランティア事情について解説します。これからボランティアを始める方はぜひ参考にしてください。

社会的活動をしているシニアは全体の36.7%

内閣府の「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査」によると、ボランティアや社会的奉仕・自治会活動など、何らかの社会的活動をしているシニアの割合は全体の36.7%です。

男女の性差による違いはほとんど見られませんが、結婚している方の方が離別・死別などの理由により配偶者がいない独身シニアよりも割合が高くなっています。

また住宅ローンを完済した持ち家のある方は賃貸住宅住まいの方よりもボランティア活動を行っている割合が高いなど、シニアのボランティアは経済的に余裕がある方の方が取り組む可能性が高いことが伺えます。

シニアが社会的活動をしている割合

画像引用: 内閣府|令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査

COVID-19でボランティア活動が減少

2020年から続いている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、残念ながらシニアのボランティア活動は減少しています。

日本国内のボランティア活動をしている60歳以上のシニア層の21.7%が、新型コロナウイルス感染症の拡大が原因で「ボランティア活動を止めた」もしくは「ボランティア活動をする日数や時間数が減った」と回答しています。

諸外国に比べて日本の割合は低いようですが、残念ながら新型コロナウイルス感染症の流行が収束するまではシニアのボランティア活動もある程度制限されると考えて良いでしょう。

コロナ禍によりボランティアが減った割合

画像引用:内閣府|令和3年版高齢社会白書

ボランティアをシニアがする利点

イベントで調理をする男性

新型コロナウィルス感染症の流行でシニアのボランティア人口は減ってはいますが、今現在でも各所でシニア層のボランティアは求められている存在です。

若年層と比べて、シニアのボランティアには以下のような利点があります。

時間の融通が利く

若い方や現役世代のボランティアは、学校や会社の合間にしかボランティア活動を行うことができません。

それに対してシニア層は仕事を定年退職したり、仕事を続けていても日数を減らすなどをしている方が多く、時間の融通が利きやすいのが特徴です。

子育てが終了して時間に余裕が出来たという女性も多いでしょう。

学生や社会人が参加できない平日日中帯でも参加が可能なため、平日イベントのお手伝いなどのボランティア活動がしやすくなります。

経済的な余裕がある

子供の教育費がかからなくなり、住宅ローンの支払いなども終了したシニア層は、現役世代に比べて経済的に余裕があると考えられます。

仕事をしなくても年金が受給できるため、生活費を得るために仕事をする必要がなく、空いた時間をボランティアに費やすことができます。

ただし、すべてのシニア層が経済的に余裕があるとは限りません。また日々の生活には困っていなくても、将来的な医療や介護に必要な貯蓄は十分に残しておく必要があります。

ゆとりある生活を送るために必要な年金生活者の貯蓄額は、以下の記事を参考にしてください。

年金手帳と年金計算 年金生活者の平均年収はいくら?老後の実態と対策を解説

世代間の交流ができる

シニアのボランティア活動への参加は、ボランティアをするシニア自身にとっても、ボランティアを受け入れる各団体側にとってもメリットがあります。

シニアがボランティアによって社会参加ができるのはもちろんのこと、核家族化が進む現在の日本では、子供や若者と老人の世代間交流が減少する傾向にあります。

年齢差のある方たちがボランティア活動の参加で一緒に行動することにより、未来を担う若い方たちにシニアの知識や経験を伝承する場が設けられるのです。

シニアの代表的なボランティア活動

横断歩道の見守りをする男性のイラスト

シニアができるボランティア活動はいろいろなものがあります。

すべてのボランティア活動の紹介はしきれませんが、一般的にシニアは以下のようなボランティアで日々社会に貢献しています。

地域への奉仕活動 ・自治会などの役員
・防犯・防災パトロール
・清掃・美化活動
・子どもの見守り活動
・ベルマーク収集
福祉活動 ・障害者施設のバザー等の手伝い
・点字朗読・手話通訳
・里親
・「いのちの電話」等の相談員
災害地域への支援活動 ・被災地のがれき撤去
・被災住宅の片付け
・生活物資の運搬
国際的な支援活動 ・外国人への観光案内
・国際イベントの手伝い

シニアのボランティアの探し方

虫眼鏡を覗く人形

「これからボランティアをはじめよう!」と思ったシニアは、いったいどのようにボランティアの場を探せばよいのでしょうか。

以下からはシニアがボランティアを探すときの探し方を説明します。

インターネットで探す

各施設やイベントの公式サイトでボランティア募集を探すこともできますが、シニア向けボランティア募集をまとめたマッチングサイトの利用もおすすめです。

参考 トップページシニア向けボランティアコーディネートサイト エール 参考 シニアも参加可能なボランティア募集Activo

ボランティアのマッチングサイトには多種多彩なボランティア案件が掲載されていますので、初めてのことにチャレンジする良いきっかけにもなります。

自治体で探す

各市区町村の社会福祉協議会が運営するボランティアセンターに行き、ボランティアコーディネーターから自分に合ったボランティア案件を紹介してもらう方法もあります。

自治体のボランティアセンターは管轄地域のボランティア情報に詳しいため、特にボランティアで地域に貢献したいシニアにおすすめです。

イベントで探す

社会貢献をテーマに開催されたイベントでは、イベントスペースの一角でボランティア募集を行っているケースが多くあります。

イベント会場でのボランティア探しは、実際にボランティアがどのような活動を行っているのか、運営団体の雰囲気などを肌で感じることができる点が利点です。

自分が利用客の立場で参加して「楽しい!」と思ったイベントがあれば、そこの運営スタッフにボランティア募集していないかを聞いてみるのも良いでしょう。

シニアがボランティアするときの注意点

不満足~満足のゲージ

楽しみながら社会貢献ができるシニアのボランティアは非常に有意義ではありますが、ボランティアに参加するときにはいくつかの注意が必要です。

以下からは、シニアがボランティアに参加するときの注意点をご説明します。

無理はしない

まだまだ元気だと思っていても、年齢を重ねたシニアは気力・体力が思った以上に落ちているため、無理は禁物です。

ボランティアに精を出しすぎて体に負担がかかり、健康を害したり思わぬケガをするかもしれません。

病気やケガでいきなりボランティアを休んでしまうと、運営団体やボランティア仲間にかえって迷惑をかけてしまう可能性があるため、無理のない範囲でボランティアに参加するようにしましょう。

自己満足のボランティアはしない

ボランティアすると周囲から感謝されることが多いため、その称賛の声を期待して、自己満足のボランティアを続けてしまう方もいます。

自己顕示と自己満足のために無意味な社会運動を行うことをスラックティビズムと呼びます。

《スラックティビズムの例》
・不必要な千羽鶴・古着などの送りつけ
・SNSによる不確実な情報の拡散

ボランティアに参加するときには、そのボランティアが本当に相手の役に立っている行動か、善意の押し付けになっていないかをよく考えましょう。

ボランティア保険に加入する

ボランティア保険とは、ボランティア活動中に起きたケガや病気に対して支払われる保険です。

参考 ふくしの保険社会福祉法人全国社会福祉協議会

一般的にはボランティアの主催団体が保険を設定するため、ボランティアの参加者は保険料を支払う必要はありません。

特にシニアの場合には転倒や熱中症などの思わぬトラブルで重篤になる可能性もあるため、ボランティアに参加する時には主催団体がボランティア保険に加入しているかどうかを必ず確かめましょう。

仕事の再開もシニアにはおすすめ

お金にもたれかかる男性のイラスト

社会貢献の場は、なにもボランティアだけではありません。

仕事を通じても、十分に社会への貢献は可能です。

さらに無報酬のボランティアと違って仕事であれば収入を得ることができるため、老後の資金が不安な場合にはボランティアよりも仕事の再開がおすすめです。

シニア世代に人気の仕事や、シニアの仕事の探し方などは、以下の記事で詳しく解説しています。

老後の仕事 老後に人気が高い仕事ランキング|シニアが仕事を続けるメリットは3つ

まとめ

手を合わせて協力するイメージ

今回はシニアの半数以上が参加しているボランティア活動について解説しました。

ボランティアは楽しみながら社会貢献ができて、老後の生きがいにもなる、シニアにとって有意義な活動です。

いつまでもいきいきとした人生を送れるよう、無理なく積極的にボランティアに参加していきましょう。

ライター紹介 | 杉田 Sugita
認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。

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