- 終活は2009年の雑誌連載時に登場してきた言葉
- 終活を始める年代は60~70代の人が多い
- 年齢が20代の人と70代の人では行うべき終活方法が違う
- 年齢に関係なく終活を始めた方が良い人もいる
最近では「終活」という言葉も一般的になり、テレビや雑誌などのメディアでも終活特集が多く組まれるようになりました。
第一次ベビーブームの団塊世代が後期高齢者に差し掛かりつつあり、多くの人が終活に取り組みはじめています。
しかし、終活はいつから話題になり出したのでしょうか、また実際に終活をするのはいつからが望ましいのでしょうか。
今回は「終活」が登場してきた経緯と、終活を既に始めている人たちの年代・年齢ごとの方法について解説します。
目次
終活はいつから言われ出した言葉?
そもそも「終活」とはいつから言われるようになったのでしょうか。
最初に「終活」の言葉を生み出したのは2009年の週刊朝日連載記事の「現代終活事情」です。
また2010年に出版された『葬式は、いらない』(島田裕巳著、幻冬舎、2010年)でも終活という言葉が使われ、ベストセラーになりました。
2012年にはユーキャン主催の流行語大賞にもノミネートされ、その頃から「終活」は一般的に使われるようになってきています。
多くの人は終活をいつから始めている?
それでは、企業や団体のさまざまなアンケート結果を元に、実際に終活を始めている人がいつから始めたのか、そのタイミングや始めた理由について見ていきましょう。
終活を始める年代トップ3
2019年の楽天リサーチのアンケート結果では、終活をいつから始めたいかという問いに対しては、以下のような回答がありました。
1位:65~69歳(21.6%)
2位:60~64歳(20.5%)
3位:70~74歳(18.1%)
画像引用:楽天リサーチ|終活に関する調査
多くの人が60代~70代で終活を始めたいと考えています。
しかし、数は少ないものの、29歳以下の人でもすでに終活を始めようとしている人もいるようです。
終活を始めるタイミングトップ3
仏事関連総合サービスの株式会社メモリアルアートの大野屋が過去に開催した終活セミナー来場者にアンケートを取ったところ、来場のきっかけとなった理由は以下のとおりでした。
1位:年齢的に必要と感じた(48.2%)
2位:パンフレットやチラシを見た(19.9%)
3位:友人・知人から話を聞いた(8.9%)
画像引用:PR TIMES|メモリアルアートの大野屋が開催する終活セミナーの参加者に聞いた!2016年下半期 終活に関する意識調査結果を発表
1位の「年齢的に必要」と感じた人の年代は、70代と80代が過半数を占めています。
終活を始める理由トップ3
終活の意向がある人に対して「どうして終活をしたいと思ったのか」と聞いた設問に対して、以下の理由が挙げられました。
1位:家族に迷惑をかけたくないから(75.9%)
2位:病気や怪我、介護生活で寝たきりになった場合に備えるため(46.4%)
3位:自分の人生の終わり方は自分で決めたいから(38.2%)
画像引用:楽天リサーチ|終活に関する調査
70%以上の人が家族への思いやりを理由にしていることがわかります。
年代ごとの終活方法
上記のアンケート結果からは、多くの人が終活に関心を持ち、すでに終活をスタートさせている人がいるということが分かりました。では、年代や年齢によってどのような違いがあり、各年代の人たちはどのような終活をしているのでしょうか。
20代の若年層が行う終活と、70代以上のシニア層が行う終活では、その方法も目的も異なってきます。
ここからは終活経験者を「10代~20代」「30代~40代」「50代~60代」「70代~」と各年代に分けて、それぞれの終活方法の特徴について説明します。
10~20代の終活
年代が10~20代の人では終活をするには早いと一般的には思われがちですが、実は国境なき医師団(日本)が行った調査では、遺贈(遺言に基づき財産を特定の個人や団体に譲ること)に一番前向きだった層は10代男性との結果が出ています。
画像引用:国境なき医師団(日本)|終活と遺贈に関する意識調査2017
特にボランティアや寄付の経験がある人は、社会貢献の選択肢として遺贈を意識しているようです。
エンディングノートについては以下の記事をご参照ください。
30~40代の終活
30代~40代の人は、結婚・子どもの誕生・マイホーム購入など、大きなライフイベントが起こりやすい年代です。
仕事の上でも責任が大きい仕事を任せられる年齢層なので、さまざまな意味で責任感が増し、いざというときのことも考え出してきます。
この年代で多く見られる終活方法は、保険加入や住宅購入などの資産設計を主とした終活です。万が一のときに配偶者や子どもが生活に困らないように資金面での準備を行っています。
50代~60代の終活
年齢が50代になると、自身というよりも親の介護や見取りを経験する人が多くなってくる年代です。
これまで他人事のように感じていた終活も、親の最期を目の当たりにすることで、いやおうなく実感が湧いてきます。
親の自宅の遺品整理や財産整理を行うことで、自身の生前整理も必要だとわかり手をつけ始める人が多いようです。
また60代には会社の定年退職により、人生の節目を考え出すときです。
これからの人生を豊かに過ごせるようにと、会社員時代には忙しくて出来なかった不用品整理などの生前整理を始める人もいます。
生前整理については以下の記事をご参照ください。
70代~の終活
葬儀社の公益社が2018年に行った葬儀・終活に対する意識調査によると、70代以上の終活経験者が挙げた終活内容は以下の3点です。
- 自分の身の回りのものの整理
- 終末期医療を考える
- 自分の財産や相続をまとめる
自分の最期が近くなってくるにつれ、終活の方法も具体的なものになってきます。
また、自分の死後だけでなく介護や終末期医療で「理想的な死に方」を検討し始めるのも、70代以上の年齢の人の特徴です。
参考:リサーチリサーチ|葬儀・終活に対する意識調査(45歳~79歳男女対象)
年齢に関係なく終活を始めた方が良い人
全年齢の人が終活に取り組んでいるとはいえ、50代以下の人は年代がそれ以上の人に比べて少数派であることは事実です。
しかし、その人の状況によっては、年齢に関係なく終活をスタートさせておいた方が良い人も存在します。
若いから終活はまだ先と思っている人も、以下に該当する場合は終活に着手することをおすすめします。
自営業者
自営業者や会社経営者が突然に亡くなると、家族だけでなく取引先や従業員にも大きな影響を与えます。
そのため事業を営んでいる代表者は、遺された家族に対する備えに加えて、事業の後継や後始末に関しても備えをしておかなければいけません。
おひとりさま
ひとり暮らしの人、いわゆる「おひとりさま」の場合は、自宅で突然亡くなったときに誰にもそのことが知られず、孤独死となってしまう恐れがあります。
終活の一手段として、一定期間自分と連絡が取れなくなった場合にどうして欲しいか、どこに連絡すべきかなどを親しい人などに伝えておきましょう。
ペットがいる人
自宅でペットの面倒をみている人は、自分がいなくなった後のペットの処遇も考えておく必要があります。
動物は言葉を話せないので、不具合があっても自分から訴えることができません。
お世話の仕方を家族と共有したり、ひとり暮らしの人は自分がいなくなった後の引き取り先も考えておきましょう。
見られたくないものがある人
特に違法なものでなくても、死後に見られては困るようなモノがある人は、いざというときに備えてそれらの処分方法を明確にしておくことをおすすめします。
最近ではパソコンやスマホなどに入っているデータも、デジタル遺品として遺品整理の対象になります。
気恥ずかしい内容のデータを保存している人は、フォルダを開く前にフォルダごと消去してもらえるように消してほしいフォルダ名を指示しておいても良いでしょう。
まとめ
今回は「終活」について、いつから言われはじめた言葉なのか、終活はいつから始めるべきなのか、年齢・年代ごとの終活方法について解説しました。
終活はいつ始めてもかまいませんし、いつからでも始められます。
それぞれの年齢にあった方法で「より良く生きる」ための終活を始めましょう。
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