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2026年12月に健康保険証はマイナ保険証に完全移行|高齢者のデメリットとは

この記事のサマリ
  • 従来型の健康保険証は2026年12月に完全終了する
  • 高齢者のマイナ保険証利用にはデメリットが存在する
  • マイナ保険証にはデメリットを上回るメリットもある

従来型の健康保険証は、2026年7月31日以降は段階的に使用できなくなります。

これからは原則として、マイナンバーカードを使った「マイナ保険証」を用いて診療を受けなければいけません。

しかし高齢者にとってマイナ保険証の使用にはいくつかのデメリットがあり、マイナ保険証への切り替えをためらっている人もいるようです。

今回は高齢者にとってのマイナ保険証のデメリットをきちんと見極めた上で、それでもマイナ保険証に切り替えるメリットについても解説します。

マイナ保険証とは

マイナ保険証と書かれたメモと文房具と診察券、おくすり手帳

マイナ保険証とは健康保険証の機能が追加されたマイナンバーカードのことです。

よく勘違いされがちですが、“マイナンバーカード=マイナ保険証”ではありません。マイナンバーカードを所持している人が健康保険の利用登録をすませてから、初めてマイナ保険証として使えるのです。

マイナ保険証の利用登録はマイナポータルやセブン銀行のATMから行えますが、もっと簡単な方法は病院やクリニック、または薬局などに設置されている顔認証カードリーダーで手続きする方法です。

登録は即時反映されますので、そのまますぐにマイナ保険証を使い診療が受けられます。

マイナ保険証の利用率

2026年3月時点のマイナ保険証の利用率は67.21%です。医療機関を受診した人のうち、すでに半数以上がカードタイプの健康保険証からマイナ保険証に移行しています。

参考 マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について厚生労働省

2024年から健康保険証がマイナ保険証に

健康保険証とマイナンバーカードを持つ男性

2023年に成立した改正マイナンバー法により、健康保険証とマイナンバーカードを一体化させて従来の保険証を廃止することが決まりました。

2024年12月からは、すでに従来型の健康保険証の発行は停止されています。

従来型の健康保険証は当初2026年3月末で終了する予定でしたが、医療機関等の混乱を防ぐために猶予期間が7月末まで拡大されました。

従来型の健康保険証の使用は最長2026/12/1まで

2026年7月31日以降に有効期限を迎える健康保険証は、期限満了後には順次使えなくなります。

たとえば75歳以上の後期高齢者や国民健康保険の加入者が持っている健康保険証の有効期限は2026年7月31日です。8月からは健康保険証が失効するため、従来型の健康保険証を病院に提示しても受け付けてもらえません。

有効期限が8月以降に設定されている健康保険証も順々に失効し、最終的には2026年12月1日をもって完全に終了します。

高齢者にはマイナ保険証のデメリットが多い

デメリットの文字を拡大する虫眼鏡

高齢者にとって、これまでと違ったやり方への変更は若い人よりも骨が折れるものです。

従来型の健康保険証からマイナ保険証へ移行するときにも、最初はとまどってしまう高齢者が多いでしょう。また高齢者にはそれだけでなく、マイナ保険証にしたくてもできない理由も存在します。

高齢者におけるマイナ保険証のデメリットを4つ挙げてみました。

1.受診のたびに持参が必要

従来型の健康保険証が健康保険加入状況の確認手段だった2024年までは、ほとんどの医療機関では月1回の確認が主流でした。

健康保険証は月の最初に受診する際に提示すれば良く、2回目以降に受診する際には持参が必要ありませんでした。

しかし現在では受診のたびにマイナ保険証を持って行かなければいけない点がデメリットです。マイナンバーカードには重要な個人情報が詰まっているため、紛失した際のセキュリティリスクが懸念されます。

2.暗証番号を忘れてしまう

顔認証カードリーダーは、マイナンバーカードの顔写真とカードリーダーで撮影した顔を照合して本人確認を行います。

マスクを着用しているなど、何らかの理由により顔写真での照合ができないときは暗証番号を入力します。ですが高齢者にとってランダムな数字の記憶は困難です。暗証番号を入力しようと思っても、認知機能の低下により番号が思い出せなくなる可能性があります。

暗証番号を3回間違えるとロックがかかってしまい、市区町村役場の窓口に行って暗証番号の再設定を行わなければいけません。再設定が完了するまでは健康保険の確認ができないため、医療機関から10割自己負担の支払いを要求されるかもしれないという経済的なデメリットもあります。

3.有効期限が切れたら使えない

マイナンバーカードには2種類の有効期限があります。

カード本体 発行から10年(18歳未満は5年)
電子証明書 発行から5年

マイナ保険証は電子証明書を用いてカードの証明を行っているため、カードを作ってから5年すると有効期限が切れて使えなくなります。

従来型の健康保険証であれば新しい健康保険証を自宅等に届けてもらえましたが、マイナ保険証の場合は期限切れから3か月以内に市区町村役場に出向いて電子証明書を更新しなければいけません。

足腰が衰えた高齢者にとっては、外出が大きな負担になる可能性もあります。

4.介護施設でマイナカードを管理できない

介護施設等に入居している高齢者の健康保険証は、かつては各介護施設が本人や家族から預かり、必要に応じて入居者がいつでも医療機関にかかれるように保管していました。

しかしマイナンバーカードは、従来型の健康保険証よりも多くの個人情報が一体化しており、紛失や取り違えの危険性が高まります。

紛失や取り違えを防ぐための施設側の管理負担も大きくなり、マイナ保険証の預かりを拒否する介護施設は少なくありません。

マイナ保険証が無い人は資格確認書を使用

資格確認書が入った封筒

マイナ保険証のデメリットが心配なために、マイナンバーカードを作らない、あるいはマイナ保険証の利用登録をしない人は、2026年8月以降は健康保険の利用ができなくなってしまうのでしょうか。

そう不安に思っている人がいるかもしれませんが、心配ご無用です。マイナ保険証がない人に対しては、自治体もしくは加入している医療保険者(国保・協会けんぽなど)から「資格確認書」が郵送されるからです。

資格確認書は従来型の健康保険証とほぼ同じように使え、介護施設等での預かりも可能です。介護施設では資格確認書の他にも、医療証や介護保険証などの預かりをしてくれます。詳しくは以下の記事をご覧ください。

親の施設入居が決まったら準備するもの|生活・契約・預入れ

資格確認書はマイナ保険証の未登録者に、申請不要で2025年7月~10月頃に郵送で送られています。もし万が一まだ受け取っていない場合には、早急に加入している医療保険者へ連絡してください。

マイナ保険証にはメリットもたくさんある

メリットの文字を拡大する虫眼鏡

上記ではマイナ保険証のデメリットを説明しましたが、マイナ保険証にはデメリットだけでなくメリットもたくさんあります。

以下からはマイナ保険証のメリットを5つ説明します。

1.検診結果や薬の処方履歴が確認できる

かかりつけ以外の病院にかかるときには、問診票に過去の病歴などの記載が求められます。定期的に健康診断を受けている場合は、検診結果についても質問される場合があるでしょう。

また薬を処方してもらう際には、禁忌の薬剤組み合わせが起きないように、処方されている薬の説明が必要です。

日頃からマイナ保険証を使用していれば、過去に処方された薬や特定検診の結果などの情報をマイナポータルから確認できます。うろ覚えの情報で間違った回答をしたために深刻な健康被害が出るのを防げます。

あらかじめ顔認証カードリーダーで医療情報の開示に同意しておけば、医師や薬剤師の側でも同様の確認ができるので、さらにスムーズな診療や薬の受け取りができます。

2.救急搬送時に迅速な対応が可能

高齢者は若い人よりも病気のリスクが高まります。自宅や外出先で突然に倒れて救急搬送される事態がいつ起こり得るとも限りません。

急病で苦しんでいるときに持病や処方薬に関する質問をされても自分では答えられませんが、マイナ保険証を活用した「マイナ救急」により、救急隊や搬送先の病院で迅速な治療が可能です。

マイナ救急は2025年10月から全国で開始された制度です。マイナ救急のおかげで命を取り留めた事例も多く報告されており、2026年以降はさらなる拡大が期待されています。

マイナ救急の活用の流れ

画像引用:総務省消防庁|あなたの命を守る「マイナ救急」

3.高額療養費制度の手続きが不要

日本の公的医療保険では、1ヶ月に支払った医療費の自己負担額が所得に応じた上限額を上回った場合には、超過分を払い戻してもらえます。これを高額療養費制度と呼びます。

高額療養費制度の利用にあたっては、かつては一度医療費を支払ってから申請して超過分を払い戻してもらう方法が基本でした。限度額認定証を医療機関に提示すれば窓口負担が上限額までに抑えられますが、書類のやりとりに時間がかかるなど面倒な点が多々ありました。

マイナ保険を活用するオンライン資格確認システムの普及により、現在では高額療養費制度の利用に限度額認定証が不要になっています。公的医療保険が適用される医療費であれば、患者側は何も手続きする必要はありません。

4.確定申告が簡単にできる

高齢者は病院にかかる機会が多いため、年間の医療費も高額になりがちです。

1年間に支払った医療費が10万円を超えたときには確定申告をすれば超過分の医療費が所得控除できますが、控除を受けるためには病院やクリニック、薬局などの領収書をまとめて「医療費控除明細書」を作成しなければならないなど、面倒な手続きが必要でした。

しかし現在ではマイナポータルで医療費の情報が管理できるため、マイナポータルとe-Taxを連携すれば医療費控除の確定申告が簡単に行えます。領収書を保管する必要もありません。

医療費控除の申告のしかたを詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。

実はカンタン・医療費控除をスマホとマイナンバーカードで申告するやり方

5.住所や保険の種類の変更後もすぐ使える

職場を定年退職する65歳の高齢者は、健康保険の種類が変更になります。

また引っ越しや介護施設の入居などの理由により住所が変わったときにも健康保険が変更になるため、新しい健康保険証が必要でした。

従来型の健康保険証では新しい保険証が届くまでに1~2週間を要していたため、保険証が届くまでの間に医療機関にかかる際には100%自己負担分の金額を支払わなければいけなかったのです。

マイナ保険証は健康保険の種類が変わっても同じマイナンバーカードが使えるため、空白期間が存在しません。オンライン資格確認システムにデータが反映され次第、新しい健康保険ですぐに受診できます。

定年後の健康保険については以下の記事で詳しく解説しています。

定年後に健康保険はどうなる?お得な選び方と無保険にならない具体的な対策

まとめ

病院でマイナンバーカードを読み込む女性の手

今回は高齢者におけるマイナ保険証のデメリットとメリットについて解説しました。

高齢者にとってマイナ保険証のデメリットは確かに存在するものの、それを上回るメリットも存在します。介護施設に入居していてマイナ保険証が利用できない人を除き、可能であればマイナ保険証の活用を検討してみましょう。

ライター紹介 | 杉田 Sugita
終活カウンセラー2級・認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。

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