- 高齢者のストレス要因は若い頃とは異なる
- 大きすぎるストレスは自律神経の乱れなど健康悪化の原因に
- 老後の楽しみを見つけてうまくストレスを解消する必要がある
- ストレス解消できる老後の楽しみを8種類ご紹介
老後になっても健やかに人生を過ごすためには、肉体の健康だけでなく精神の健康も大事です。
高齢者には、若い頃とはまた違うストレスが生じてきます。何らかの方法でストレスを解消しないと、精神の不調が肉体にも悪影響をおよぼし、フレイルや要介護の原因にもなりかねません。
老後の楽しみを見つけてうまくストレスを解消しましょう。
今回はストレスが解消できる老後の楽しみをご紹介していきます。心身ともに健康な老後を過ごすための参考にしてください。
目次
高齢者ならではのストレス要因
若者は人生に関する悩みが多く、年齢を重ねるに従ってストレスから解放されていくと一般的には考えられています。
しかし高齢者になったからといって、すべてのストレスから逃れられるわけではありません。
高齢者のストレスは、若い頃に感じていたストレスと同じものもあれば、違うものもあります。
以下からは若い頃とは違う、高齢者ならではのストレス要因を4つご紹介します。
ライフスタイルの変化
会社の定年退職や子供の独立など、老後にはライフスタイルが変化するシーンが多くあります。
ストレスは悪い理由だけでなく、良い理由によっても起こります。たとえ幸せな変化であっても、ライフスタイルの変化そのものがストレス要因になり、精神には負担がかかります。
加齢による心身の衰え
加齢による衰えは、高齢者にとって大きなストレス要因になります。
体力・筋力が落ち、若い頃にはなんでもなかった行動が老後には難しくなるため、いらだちや喪失感がストレスを生みます。加齢による衰えは避けようがないため「この先はどうなってしまうのだろう」と不安になることも同様にストレス要因です。
身近な人の病気・死
高齢者は若い人よりも「死」が身近にあります。
配偶者や兄弟姉妹が亡くなる寂しさや喪失感、また友人や知人の訃報を知って「いつかは自分も…」と不安になる気持ちを感じるシーンが多くなるでしょう。
身近な人のライフイベントが死ではなく、病気や要介護でも同じです。家族が病気になったり要介護になった場合には、看護や介護を自分が主に担わなければならないことが多いため、身体に無理がきかなくなった老後には大きな負担となります。
社会的孤立
老後には仕事をリタイアする人が多いため、社会活動に参加する機会が減少します。
特に男性はその傾向が強いと言われています。家庭をかえりみず仕事ばかりの生活を送っていていた男性は、会社を定年退職すると何をして良いかわからなくなり、仕事上の付き合いだった知人とも縁が切れてしまうため、社会的孤立がしやすいのです。
社会における役割を失った喪失感や、疎外感が大きなストレスになります。
ストレスによる自律神経の乱れは健康を阻害
多少のストレスであれば人体に影響はないものの、あまりにも大きすぎるストレスは健康を阻害するため注意が必要です。
ストレスを受けると自律神経のひとつである交感神経が優位になります。人間の身体は交感神経と副交感神経が交互に働いて「活発」と「リラックス」を繰り返しますが、交感神経の働きすぎにより自律神経のバランスが崩れて人体に悪影響を与えます。
特に高齢者は自律神経が加齢により乱れやすくなっているため、ささいなストレスが心身の不調につながる恐れが高くなっています。
高齢者の自律神経の乱れによる悪影響については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
老後の楽しみを見つけてストレス解消が必要
ストレスは良い出来事によっても悪い出来事によっても起こるため、人は生きている限りストレスは避けられません。
ストレスが大きくなる前に解消して、ストレスが身体に溜まらないようにすることが肝心です。
老後の生活をイキイキと過ごすためにも、老後の楽しみを見つけてストレスを上手に解消しましょう。
ストレス解消できる老後の楽しみ8選
ストレスの種類が若い頃とは違ってくるように、人生の楽しみも若い頃とは違ってきます。
老後の楽しみは何よりもまず身体に負担が少なく、華やかさや豪華さはなくても無理なく楽しめるものが長続きします。
以下からは、高齢者のストレスを解消する老後の楽しみを8種類ご紹介します。
食事
食事はどんな年代の人にとっても、お手軽なストレス解消の手段です。
豪華なレストランでの食事でなくても、おいしい食事はそれだけで気持ちを癒してくれるでしょう。
ただし高齢者は咀嚼や嚥下の機能が衰えるため、食事の内容には注意を払う必要があります。誤嚥性肺炎などのリスクを避けるために調理方法を工夫しましょう。
高齢者が食事するときの注意点を知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
テレビ
テレビは老後の楽しみの中でも、もっともお手軽な娯楽と言えます。
テレビ視聴時間は年齢が上がるほど増える傾向にあります。NHKの視聴率調査によると、7歳以上の全年齢における週の平均視聴時間は3時間43分だったのに対し、70代以上の男性は週平均6時間、女性では5時間31分視聴されています。
画像引用:NHK|高齢者とテレビ
高齢者になるとテレビ視聴が増える理由は、単純に時間があるからとも言えますが、それだけではなく日々の生活リズムを安定させるためだとも考えられています。
朝夕のニュースやワイドショー、毎週のバラエティー番組やテレビドラマを欠かさず視聴することで、時間や曜日の感覚を正常に保つことができます。
いつもの時間にテレビをつければ、いつもと同じ顔が見られるという安心感も精神の安定に役立ちます。
旅行
現役世代の人に老後の楽しみについてアンケートをとると、まず第1位に上がってくる楽しみが「旅行」だそうです。
会社勤めをしていた頃にはなかなか旅行もできませんでしたが、老後には自由な時間がたくさんあるため思うままに旅行ができます。
日常とは違う場所に身を置くことで日頃のストレスが解消できるでしょう。
各交通機関や旅館・ホテル、レジャー施設の多くがシニアユーザーを呼び込むためにシニア割引をしている点も、旅行の意欲をかきたてます。
主だったところのシニア割引は以下の記事でご紹介しています。旅行プランを立てる際の参考にしてください。
趣味
趣味を楽しんでいる高齢者は認知症になりにくいとの研究データがあります。
ストレスを解消しながら認知症予防ができるのは一石二鳥と言えます。
趣味とひとくちに言ってもさまざまな種類がありますが、老後の楽しみとしての趣味は身体に無理なく、費用もあまりかからないなど、長く続けられるものが良いでしょう。
高齢者に人気が高い趣味を知りたい人は以下の記事をご覧ください。
スポーツ
いつまでも健康でいられる身体作りを目指して、スポーツも老後の楽しみのひとつに付け加えたいものです。心地よく汗を流した後のの充実感でストレスが解消できます。
ストレッチや筋トレは自宅でも気軽に行うことができますが、外出が可能な高齢者はぜひ積極的にスポーツジムなどの運動施設を利用することをおすすめします。
運動施設に出かけることによって外出の機会が増え、よりアクティブに行動できるようになります。運動施設で知り合ったスポーツ仲間との交流も、老後の楽しみのひとつになります。
高齢者が行きやすい運動施設については以下の記事でもご紹介しています。あわせて参考にしてください。
仕事・ボランティア活動
年をとっても人の役に立ちたいと考えている人には、仕事やボランティア活動もおすすめです。
仕事の継続は老後の暮らしを経済的に豊かにしてくれる役に立ちますが、高齢者が仕事をする目的は金銭だけではありません。
年金をしっかりもらえて経済的な不安がない人は、仕事を金銭を得る手段だけでなく、楽しみのひとつとして行うことができます。報酬が発生しないボランティア活動も同様です。
これまで興味は持っていたがチャレンジするに至らなかった仕事にも、思い切ってチャレンジできるのが「楽しみとしての仕事」の利点です。
老後に仕事やボランティア活動をする利点については、以下の記事でも詳しく解説しています。
子・孫との交流
子供や孫がいる人にとっては、その子供や孫と触れ合えるときが一番の楽しみになり、ストレスが解消できる手段かもしれません。
離れて住んでいるためなかなか対面での交流ができない人は、インターネット上での交流もおすすめです。ビデオ通話で顔を見ながらおしゃべりしたり、動画や写真のファイルを共有してもらい、パソコンやスマートフォンで楽しむこともできます。
生前整理
最後にご紹介するストレス解消の手段は「生前整理」です。
生前整理とは終活の一環で、自分のモノなどを整理整頓することです。長い人生のうちには、気づかないうちに色々なモノが溜まってきています。いつかは片付けたいと思いながらも日々の生活に追われていたかもしれませんが、老後には多くの時間があります。
ヨガの断捨離と違い、生前整理は必ずしもモノを捨てる必要はありません。思い出のモノをひとつひとつ眺めて仕分けをしながら、長い人生を振り返ることも「気持ちの整理」につながります。
そして不要なモノを処分した後は、すっきりした気持ちになれてストレス解消の効果は抜群です。ぜひ生前整理を義務ではなく楽しみのひとつとしてトライしてみてください。
まとめ
今回は高齢者のストレスと、ストレスが解消できる老後の楽しみについて解説しました。
ストレスはいろいろな方法で解消できます。老後の楽しみをいくつも見つけて、ストレスに負けないアクティブシニアを目指しましょう。

終活カウンセラー2級・認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。

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