- 長生きしている人には共通点がある
- 長生きできるかどうかは生活習慣や環境が遺伝よりも影響する
- 長生きしたいなら健康寿命も延ばす必要がある
- 健康で長生きするための方法を9つ紹介
人間は誰しも「長生きしたい」と心の中で思っているものです。
どうしたら長生きができるのでしょうか。長生きしている人は、短命の人と比べてどのような点が違うのでしょうか。
今回は実際に長生きしている人の傾向を調べた調査結果をもとに、長生きするための方法をご紹介します。
目次
日本にいる100歳以上の高齢者数は9万5千人
現在、日本では9万5千人の人が100歳を超えて長生きしています。
令和6年(2024年)の住民基本台帳に基づく100歳以上の高齢者の総数は95,119人でした。うち2024年に100歳の誕生日を迎えられる人の数は47,888人です。
2000年(平成12年)時点で100歳を超えている人の総数は15,475人でした。この25年で長生きしている人の数が大幅に増加していることがわかります。
参考 百歳高齢者表彰の対象者は47,888人厚生労働省長生きしている人には3つの共通点がある
30年以上にわたって百寿者研究を続けている慶應義塾大学医学部百寿総合研究センターの研究によれば、100年以上長生きしている人には以下3つの共通点があるそうです。
《長生きする人の共通点》
1認知機能が高い(認知症になりにくい)
2フレイルではない(心身の衰えが少ない)
3心臓を中心とした循環器系血管が丈夫
特に「3」に関しては、100歳を超えて110歳まで長生きする人の重要な要素です。
心臓から分泌されるNT-proBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体)というホルモンの血中濃度が低いほど長生きする可能性が高く、特に105歳以降の余命と強く関連していることが明らかになっています。
参考 心血管病のバイオマーカーと血漿アルブミンが究極の長寿と関連―スーパーセンチナリアンの生物学的特徴の一端を解明―日本医療研究開発機構NT-proBNP は、定期的に歩行や運動をしている人ほど分泌が少ない傾向にあります。110歳まで長生きする人は少数ではありますが、長生きするためには運動習慣が大切だということを研究結果が物語っています。
寿命を決める要素は「遺伝」よりも「環境」
「親が短命だったから自分も短命だろう」または「親族のほとんどが長生きしているから自分も長生きできるに違いない」と、親や祖父母の没年齢を基準にして自分の寿命を推測している人がいます。
しかし長生きできるかどうかは、遺伝的要素よりも後天的な生活環境・生活習慣の方が大きく影響します。デンマークの双子研究によれば、寿命を決める要素のうち遺伝的要素の割合は15~25%程度だと推計されるとのことです。
つまり長生きできるかどうかは、自分ではどうしようもない「遺伝」が決めるのではないということです。自分の努力次第で老化の進行を遅らせ、寿命を延ばせると考えられます。
単に長生きするより「健康で長生き」
努力をすれば長生きができるとはいえ「ただ生きている」状態では本当の望みが叶ったことにはなりません。
寿命には2種類あります。生命が尽きるまでの「寿命」と、健康で自立した生活が送れるまでの「健康寿命」です。
いくら長生きできても、老化が進んで病気になり、常に医療や介護を必要とする状態では生きる喜びも半減してしまうでしょう。
長生きするための方法を見つけたい人は、ただ寿命を延ばすための方法ではなく「寿命+健康寿命を延ばすための方法」を見つけるべきなのだと理解しておいてください。
健康寿命については以下の記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
健康で長生きするための9つの方法
以下からは、長生きするための方法をご紹介します。
この方法を実践すれば、ただ単に長生きするためだけでなく、健康寿命も延ばすことが可能になります。9つの方法をすべて試してみましょう。
規則正しい生活をする
規則正しい生活習慣は生活リズムを整え、自律神経が正しく働くようになります。
仕事や外出の予定がなくても、朝早くから起きて身支度を整え、夜にはダラダラと夜更かしせずに早めに就寝しましょう。
メリハリのある生活が、身体や脳に心地よい刺激を与えてくれます。
良質な睡眠をとる
良質な睡眠は身体や脳の疲労を回復させてくれるため、長生きするためには良質な睡眠の確保は重要です。
《良質な睡眠のためにできること》
・身体を締め付けないゆったりとしたパジャマを着る
・寝室を暗くする
・適切な温度管理をする
・スマートフォンは枕元に置かない
ただし寝すぎは良くありません。必要な睡眠時間は年齢によって変動し、個人差はありますが一般的に高齢者で6時間程度の睡眠時間が確保されていれば良いとされています。
必要以上に長い睡眠をとり続けるとアルツハイマー型認知症の発症リスクが高まることも知られているため、ダラダラと寝続けることは避けてください。
栄養バランスを考えた食事をとる
長生きするためには毎日の食事にも気を配りましょう。
長生きしている人のほとんどは、1日3食しっかり食べています。また男女ともに間食する習慣がある人は半分以下です。
食事の内容は和食中心で、ご飯やパンなどの主食を9割以上が食べています。魚や野菜、果物をたっぷり採り、牛乳やチーズ・ヨーグルトなどの乳製品も毎日食べている人が多いです。栄養バランスが考えられた食事を毎日摂取することが長生きにつながります。
適度な運動習慣を身につける
健康な身体を維持するためには適度な運動習慣も大切です。
長生きしている人は、自分の無理のない範囲で運動を続けています。筋トレやジョギングなどの有酸素運動ばかりでなく、散歩や軽いストレッチ、掃除や洗濯などの家事で身体を動かすことも立派な運動です。
現代の日本では高齢者の75%が運動不足の状態にあるそうです。できるだけ身体を動かす機会を作り、運動不足を解消しましょう。
高齢者が運動不足を解消するための方法を以下の記事でご紹介しています。運動不足を自覚している人は参考にしてください。
節酒・禁煙する
「酒は百薬の長」とも言いますが、飲みすぎは健康に良くありません。
お酒はたしなむ程度にして節酒しましょう。
また喫煙は「百害あって一利なし」です。長生きしている人の中で喫煙習慣がある人はほとんどいません。長生きしたいのであればすぐに禁煙するべきです。
ちょっとした不調を見逃さない
病気にならないように予防をしっかりしていても、長生きしていれば徐々に身体の不調が出てきます。
病気になったときには初期の治療が肝心です。ちょっとした不調を見逃さず、すぐに適切な治療を受ければ悪化を防げ、進行を遅らせることが可能です。
そのためには常日頃から自分の体調を管理していきましょう。体温や血圧などを毎日測って記録しておくなど、健康なうちから身体の声に耳をすましていると、いつもと違う状態に気づきやすくなります。
積極的に社会とのつながりを持つ
社会とのつながりがあるかどうかは、長生きできるかを決める要素にもなります。
同居家族以外の第三者とコミュニケーションをとる機会が週1回未満の人は、毎日その機会がある人に比べて要介護2以上の認定リスクが1.4倍、認知症の発症リスクが1.39倍になるとの研究結果が出ています。
さらに頻度が月1回未満の場合には、早期死亡する確率が1.34倍です。
長生きするためには積極的に社会とのつながりを持ち、第三者と対話する機会を増やすようにしましょう。
生きがいや人生の楽しみを見つける
いくら長生きできても、人生に何の楽しみもなかったら長生きしたくもならないでしょう。
長生きするためには、人生の楽しみや生きがいを見つけて「今が楽しいから長生きしたい」と思えるようにする必要があります。趣味を楽しむなどして、毎日の生活を楽しいものにしましょう。
特に趣味がない人は、高齢者でも始めやすいおすすめの趣味を以下の記事で探してみてください。
楽観的・ポジティブに考える
楽観的な人に対して「長生きするよ」と皮肉交じりに言う人がいますが、実際に楽観的な性格の人は長生きできる傾向にあります。
米ボストン大学の研究によると、性格が楽観的な人の寿命は平均寿命に対して11~15%長かったそうです。
クヨクヨ悩まずに「なるようになる」とポジティブに考えることで、ストレスの悪影響を受けずにすむため、精神と肉体を健全に保つことができます。
まとめ
今回は長生きするための方法をご紹介しました。
長生きしている人は、人生の思い出をひとつひとつ積み重ねてきた人です。長生きできるよう努力しながら「長生きできて良かった」と思えるように、人生の喜びをひとつひとつ増やしていきましょう。

終活カウンセラー2級・認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。

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