- 高齢者の地方移住を歓迎している自治体が多い
- 老後の移住先を選ぶポイントを6つ説明
- 老後におすすめの移住先を10市町村ご紹介
老後には都心の喧騒を離れて、自然豊かな地方に移住しようと考えている人は少なくありません。
今回は老後におすすめの国内移住先を紹介します。セカンドライフをどこで過ごすか迷っている人は是非参考にしてください。
目次
地方自治体が高齢者移住を歓迎している
超少子高齢化の現在、老後移住に対する注目が高まっています。
国内のシンクタンク日本生産性本部が日本創生会議において、都市圏の高齢者急増に伴う医療・介護サービスの不足を解消する策として、希望する高齢者の地方移住を提言しました。
これを受け国の政府が2015年に、「まち・ひと・しごと創生基本方針」を発表し、高齢者の地方移住を推進する対策を始めています。
参考 高齢者移住と地域活性化─高齢者誘致戦略の可能性と限界日本総研地方の各自治体としても、所得や資産を持つ高齢者が移住して来れば税収アップにつながり、国内全域で発生している空き家問題の解消にもなるとシニア世代の移住を歓迎しています。
老後の国内移住は移住する側と迎える側の双方にメリットがあり、これからますます活性化していくと考えられています。
老後の国内移住先を選ぶ6つのポイント
国内の自治体数は、2023年時点で1,724市区町村あります。
老後の移住先をどこにするかを検討するとき、全国1,724市区町村の中から何を基準にして選べば良いのでしょうか。
以下6つのポイントを確認し、移住先の候補を絞り込んでいきましょう。
気候や地形が安定していること
住みやすさを考えたときに、気候は重要な要素となります。
厳しい寒さや、極端に暑い地域での生活はストレスを与えます。若い頃なら多少の無理はききますが、老後の体力を考えるならば快適な環境を優先して選んだ方が良いでしょう。
また、災害のリスクをできるだけ避けるという意味では、地形についても考慮しておく必要があります。
交通の便が良いこと
高齢になり運転免許の返納をした高齢者は、公共交通機関が主な移動の手段になります。
地方によっては公共交通機関が充分に整備されていない可能性があるため、移住先を選ぶときにはよく確認しましょう。
自治体により独自のコミュニティバスやタクシー代の助成があるため、公共交通機関の不足を補完できる制度があるかどうかも要チェックです。
医療・介護制度が充実していること
病気のリスクが跳ね上がる老後生活では、医療や介護の充実度も重要なポイントです。
昨今では地方の医師不足も取りざたされているため、いざ病気になったときに適切な診療を受けられない環境下では、最悪の場合には命にかかわります。
自治体内の病院・クリニックだけでなく、隣接自治体にある大きな総合病院と医療連携されているかどうかも確認しましょう。
介護についても自治体の高齢者サポート制度をしっかり確認してください。
趣味が活かせる場所があること
仕事をリタイアした老後生活では、移住先の場所で自分が楽しめる要素があるかどうかも移住先選択のポイントになります。
山歩きが趣味の人には、安全にハイキングができる登りやすい低山があるか。また読書が好きな人には、公共の図書館に行きやすいかかどうかも選定の基準になるでしょう。
趣味のために外出することは、高齢者の健康維持や社会性維持のためには必須です。楽しんで出かけられる先がどのくらい見込めるかを想像しながら移住先を検討しましょう。
移住支援の制度があること
知らない土地に移住するときでも、移住先のサポートがあれば新生活がスムーズに開始できます。
空き家バンクや地域住民との交流、老後にも仕事をしたい人に向けての就労支援など、各自治体によりサポート内容は異なります。
移住後のミスマッチを避けるために、本格的な移住前の「お試し移住」などの制度がある自治体であれば、さらに安心です。
自治体の財政が健全なこと
移住先を検討する際には、移住を受け入れる自治体の財政についてもきちんと調べておかなければいけません。
財政難の自治体では予算を節約しなければいけないため、道路整備やごみ収集、あるいは公立病院や公園などの整備などの公共サービスが手薄くなりがちです。
住み心地が悪くなると人口流出が進み、移住先の自治体自体が消滅の危機に陥ってしまう可能性が否定できないため、終の棲家を探す老後移住では予めしっかり調べておきましょう。
老後におすすめの国内移住先10選
以下からは、シニア世代の地方移住先としておすすめの自治体を北から南まで10種類ご紹介します。
今回ご紹介する自治体以外にも、高齢者の暮らしを良くする工夫をしている自治体や、移住者に対して特典を設けている自治体は数多く存在します。以下の自治体を参考にしながら、他の自治体についてもぜひ検討してみてください。
北海道伊達市
北海道は厳しい冬の寒さで知られていますが、伊達市は北海道の中では降雪量が少なく、比較的温暖な地域です。四季を通じて温かい気候のため「北の湘南」とも呼ばれています。
また伊達市では高齢者の定住化を目的とした「伊達ウェルシーランド構想」を立案し、老後でも暮らしやすいまちづくりに取り組んでいます。老後の安心・安全な生活が期待できる自治体です。
参考 だて移住ガイド北海道伊達市栃木県小山市
国内の各自治体では人口減少が叫ばれていますが、栃木県小山市は例外的に人口が増加している自治体です。
東京からの交通アクセスが良いため、東京にある自宅を保持したまま小山市で暮らすプチ移住先としても人気が高まっています。
小山市では移住を検討している人に向けて、現地の人に小山市を案内してもらえる「おやま暮らし妄想ガイド」や、市民や他の移住検討者と交流できる機会などを設けています。以下リンクよりチェックしてみてください。
参考 おや!まあ!おやまライフ栃木県小山市長野県佐久市
東京から長野新幹線で1時間半かからずに行ける長野県佐久市も移住先として人気が高い自治体です。移住者の中でも特にシニア世代の人気が高まっています。
人気の理由は医療や健康面でのサポート体制が充実している点です。佐久市では未来の都市構想として「快適健康都市」を目指しており、市民が健康的な生活を送れるようにさまざまな取り組みを行っています。
大きな総合病院が複数あり、地域のクリニックとの医療連携が整っている点も老後の移住先として安心できます。
参考 移住情報サイト 佐久にくらす長野県佐久市群馬県嬬恋村
群馬県嬬恋村は人口1万人足らずの小さな自治体ですが、軽井沢に近く万座温泉などの有名な温泉地が複数あるため、四季を問わず多くの観光客が訪れています。
嬬恋村の空き別荘を空き家バンクから取得し、老後は本格的に別荘暮らしをするのも良い案です。近隣に住む人も移住者がほとんどとなるため、同じ価値観を持った移住者仲間付き合いが可能になります。
参考 移住あるある群馬県嬬恋村山梨県北杜市
北杜市は個人の移住だけでなく、企業誘致にも積極的に力を注いでいる自治体です。
2027年にはリニア新幹線が開業して東京から山梨県までのアクセスが良くなるなど、経済的にもこれからますます発展が期待できます。自治体の健全性は数ある移住先候補の中でもトップクラスだと言えるでしょう。
世界文化遺産の富士山を間近に見ながら生活できるなど、自然豊かな環境も魅力的です。
また北杜市では高齢者向けの政策にも取り組んでいるため、老後になってから移住しても安心して生活ができます。
参考 ほっとするまち、北杜市山梨県北杜市兵庫県淡路市
淡路島にある兵庫県淡路市は、大阪や神戸などの関西都市圏に住む人の移住先として人気が高い自治体です。明石海峡大橋を渡ればすぐに神戸に行けるため、島に住みながら利便性の高い暮らしが期待できます。
高齢者になると自家用車の運転は難しくなってきますが、淡路市では市内に在住する高齢者に対して月4回の外出支援サービスを提供しているため、老後につきものの病院通いについての不安も解消できます。
参考 淡路市移住相談サポート窓口兵庫県淡路市静岡県静岡市
静岡県は国内の各都道府県のうち、健康寿命(介護の必要がなく健康に暮らせる期間)が第1位です。自立した生活を営んでいる高齢者の割合が85%と、他の都道府県に比べて群を抜いて高くなっています。
中でも静岡市は県庁所在地なので、行政機関や文化施設(美術館・コンサートホール等)が集中しています。老後には普段の買い物だけでなく、趣味活動でもアクティブに外出したいと考えている人に便利な移住先です。
参考 いいねぇ。静岡生活静岡県静岡市岡山県玉野市
岡山県玉野市は、瀬戸内海に囲まれた風光明媚な自治体です。気候が温暖なため1年中快適に過ごせます。
県庁所在地の岡山市に隣接しており、運転免許を返納した高齢者が行政機関や大きな総合病院に移動する際にはコミュニティバスや乗合タクシーを利用できるため生活上の移動手段も確保されています。
反対にフェリーで小豆島や近隣の離島へもすぐ行けるため、レジャーを楽しむうえでも場所にこと欠きません。
参考 たまののくらし岡山県玉野市福岡県宗像市
福岡県宗像市は山・海・川・島の自然が一度に楽しめる土地柄です。治安も良く静かに暮らせるため、以前より移住先として人気が高い自治体です。
老後の心配事のひとつとして認知症が挙げられますが、宗像市では認知症高齢者が安心して暮らせるよう、万が一の徘徊時にはGPSの貸与や「認知症高齢者捜してメール」により地域のサポーターが協力して捜索できる体制が整っています。
参考 むなかたに住む。福岡県宗像市沖縄県
特定の自治体に限らず、沖縄県全体は老後の移住先候補として非常に人気が高い県です。
冬でも温かく過ごせるのはもちろんですが、実は沖縄県は四方を海に囲まれた海洋性気候のため、気温が35度程度には上がらないと言われています。気温上昇が続く昨今の本州よりも、夏に涼しく快適に過ごせるのです。
沖縄県内の各自治体における移住支援制度は以下リンクからご確認ください。
参考 おきなわ島ぐらし沖縄県まとめ
今回は老後の国内移住について解説しました。
定年を迎えて通勤地にしばられなくなった老後は、新しい生活に踏み出すチャンスです。
これまでと違う土地で、これまでと違う自分自身を手に入れましょう。

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