将来のスムーズな相続をサポートする終活アプリ「そなサポ」▶︎CHECK

年金受給額の平均と将来もらえる年金が増やせる5つの対策|2024年最新版

この記事のサマリ
  • 2024年の国民年金受給満額は2年連続で引き上げが決定
  • 国が発表した年金受給額の例よりも全国平均の年金受給額は低い
  • 年金受給額が下がる理由は未納期間・給与額・繰り上げ受給など
  • 将来的な年金が低い人は受給開始年齢前から対策がおすすめ

自分が将来もらえる年金受給額が、他の人と比べて多いのか少ないのか気になっている人は多いでしょう。

今回は厚生労働省が発表した2024年の年金受給額の例と、最新の統計による日本全国の年金受給額の平均を比較しながら、平均より自分の年金が低い人でも今からできる年金受給額を増やすための対策を解説していきます。

2024年度(令和6年度)の年金受給額例が発表

年金手帳と電卓

2024年1月19日に、厚生労働省が2024年度の年金額改定を発表しました。

年金受給額は、物価変動や賃金変動率に応じて毎年改定されています。2024年度は前年度から2.7%引上げられました。

2023年の前年、2022年にも年金受給額の引き上げが行われたため、2年連続で年金がプラスされたことになります。

参考 令和6年度の年金額改定について厚生労働省

2024年度の国民年金受給額の例

国民年金保険に加入していた人は、65歳以上になると老齢基礎年金が受給できます。

老齢基礎年金の受給者は、年齢により新期裁定者(68歳以下)既裁定者(69歳以上)にわかれます。

2024年度に決定した新期裁定者と既裁定者それぞれが年金を満額受給した場合の受給額は以下のとおりです。

新期裁定者 月額68,000円(年額816,000円)
既裁定者 月額67,808円(年額813,696円)

なお2023年度の新期裁定者は月額66,250 円、2022年度で月額64,816円でした。

2024年度の厚生年金受給額の例

企業等で働いて厚生年金保険に加入していた人は、65歳以上になると老齢基礎年金だけでなく老齢厚生年金も受給できます。

厚生年金保険は標準報酬月額(給与・賞与の額)によりもらえる年金受給額が変わります。夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金受給額は、月額230,483 円です。

なお2023年度の標準的な年金受給額は224,482円、2022年度は219,593円と発表されています。

国が発表の年金受給額と平均受給額は異なる

財布と電卓を手に悩む男女

2024年に厚生労働省が発表した国民年金と厚生年金の年金受給額を見て、結構もらえる年金が多いなと安心した人も多いかもしれません。

しかし、短絡的な安心は禁物です。いま年金受給者が実際にもらっている年金の平均額は、厚生労働省の発表額よりだいぶ低い金額だからです。

上記で紹介した国民年金の受給額は、あくまでも満額もらえるときの金額です。また厚生年金の受給額も、平均的な給与をもらっていた人が夫婦2人で年金を受給したときの想定額です。

国が発表した年金受給額は、本当にもらえる年金受給額とは異なるということを覚えておきましょう。

年金受給額の計算方法

電卓で計算する高齢者の手元

実際に自分の年金がいくらになるのかは、以下の計算方法で導き出せます。

国民年金

老齢基礎年金(国民年金)受給額の計算方法は以下のとおりです。

2024年度の満額受給額は、新期裁定者が年額816,000円、既裁定者が年額813,696円です。ご自身の年齢に該当する金額を、以下計算式にあてはめてください。

満額受給額 × 納付月数 ÷ 480ヶ月 = 年金受給額

厚生年金

老齢厚生年金(厚生年金)受給額の計算は、2つの計算式を合算して導き出します。

(1)平均標準報酬月額(給与)× 7.125/1000 × 加入月数(2003年3月まで)
(2)平均標準報酬月額(給与+賞与)× 5,481/1000 × 加入月数(2003年4月以降)

 

(1)+(2)= 年金受給額

2003年の3月までと4月以降で計算が変わる理由は、2003年に総報酬制が導入されて賞与からも厚生年金保険料が徴収されるようになったからです。

総報酬制の導入により被保険者は賞与をもらうときの手取り額が目減りしましたが、その分もらえる年金受給額が多くなっています。

最新の平均受給額を確認

年金手帳とねんきん定期便2024年2月時点で発表されている最新の平均年金受給額は、令和4年度(2022年度)に支給された支給額を元に算出されています。

国民年金保険に加入していた人が2022年中に受け取った老齢基礎年金の平均月額は56,000円、うち新期裁定者のみの平均月額は54,000円です。

厚生年金保険に加入していた人が2022年中に受け取った老齢基礎年金+老齢厚生年金の平均月額は145,000円です。

同じ2022年の国民年金新期裁定者の満額は、月額64,816円でした。満額よりも平均月額は10,816円も低い金額となっています。

また厚生年金に関しても2022年度の標準額219,593円よりも平均受給額の方が74,593円も低くなっており、国が発表する年金受給額の例だけをうのみにしてはいけないことがよくわかります。

年金受給額の平均が満額から減る理由

年金受給開始年齢と女性

どうして厚生労働省が発表している年金受給額の満額と、平均的な年金受給額にはこれだけの大きな差が生じてしまうのでしょうか。

以下からは、想定される年金受給額の満額より平均的な年金受給額が減る理由を4つ説明します。

国民年金の未加入期間・未納期間がある

国民年金保険に加入している人は全国一律の保険料を毎月支払い、40年(480ヶ月)納付すれば年金が満額受給できるようになります。

加入期間が40年よりも少ないと満額受給はできなくなるため、想定される年金受給額よりも減ってしまいます。

特に1971年3月以前に生まれた人は注意が必要です。2024年現在では20歳以上の学生は収入がなくても国民年金に加入することが義務付けられましたが、1991年までは任意加入でした。

1971年3月よりも前に生まれて学生のときに国民年金未加入だった人は、社会人になるまで年金保険料を支払っていないこととなり、加入期間が2年足りないため満額受給の条件を満たさなくなります。

国民年金の免除制度を利用した

国民年金に加入していても、保険料の未納期間が発生していると満額受給はできません。

国民年金は失業などの理由により収入が減少して年金保険料の支払が困難になったときには免除制度が利用できますが、保険料支払いを免除された期間分の年金受給額は通常に比べて2分の1として計算されます。

なお免除制度を利用せず、ただ単に年金保険料を支払わなかった場合には、未納期間分の年金受給額は0円になります。

給料額が平均より低かった

厚生年金に加入していた人の年金受給額は、加入期間だけでなく働いていたときの給与額によっても変動します。

厚生年金の等級はもらえる給与によって決まり、給与額が高い人は高い等級、給与額が低い人は低い等級となります。

平均よりも低い等級の人は納める保険料も少なくすみますが、将来的な年金受給額も少なくなります。

繰上げ受給をしている

最後の理由は、国民年金と厚生年金に共通する理由です。

年金は老齢基礎年金・老齢厚生年金ともに原則として65歳から受給できるようになりますが、本人が希望すれば60歳から受給できます。これを繰り上げ受給と呼びます。

繰り上げ受給をすると、受給開始月から65歳に到達するまでの月数だけ年金受給額が0.4%~0.5%ずつ減額されます。一度繰り上げ受給をした人は元には戻せません。

詳細な減額率は以下の日本年金機構サイトでご確認ください。

参考 年金の繰上げ受給日本年金機構

受給予定額が平均以下の人におすすめの対策

金の生る木イメージ

将来的に自分がもらえる年金受給額の予定は、定期的に郵送される「ねんきん定期便」や、日本年金機構の公式サイト「ねんきんネット」で確認できます。

参考 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています日本年金機構 参考 ねんきんネット日本年金機構

ねんきん定期便やねんきんネットで確認した結果、自分の年金受給予定額が平均よりも低かった場合には、今から平均値まで上げることはできるのでしょうか。

以下からは年金受給額が平均より低い人におすすめの対策を5つご紹介します。

国民年金保険料を追納する

国民年金の免除制度を利用したり、何らかの理由で未納が発生していた人は、10年以内であれば追納ができます。

追納は、現在働いていて収入が高い人にとって特におすすめの方法です。

収入に応じて支払う所得税を計算するときには、健康保険料や年金保険料が収入より差し引かれます。そのため追納した保険料分の所得税率が下がり、年金受給額が上がるだけでなく節税にもなります。

任意加入を続ける

国民年金の加入期間が40年に満たないため年金受給額が平均より低い人は、国民年金の任意加入を続けて加入期間を伸ばすのも良い方法です。

国民年金の任意加入は、年金受給開始年齢となる65歳まで継続できます。65歳になっても加入期間が10年に満たない場合には、さらに特例任意加入ができ70歳まで継続可能です。

任意加入の期間中には年金受給はできませんが、今すぐ年金をもらわなくても生活に支障がない人にはおすすめです。

付加年金をプラスする

国民年金には通常の年金保険料に加えて月400円の付加保険料を上乗せして支払うことで、将来もらえる年金受給額を増やすことができる仕組みがあります。

付加年金をプラスした場合に上がる年金受給額は以下のとおりです。

付加保険料を納めた月数×200円=毎月の付加年金額

仮に60歳から65歳まで5年間付加年金に加入した場合、年金受給額は年額12,000円も増え、年金をもらえる間ずっとその額は変わりません。

繰り下げ受給する

年金が減る理由として「繰り上げ受給をしている」と上記で説明しました。

逆に繰り下げ受給をすれば、もらえる年金受給額は増やせます。

繰り下げ受給は60歳から75歳までの間で好きな期間を選択できます。繰り下げによる年金受給額の増額は0.7%です。

詳細な増額率は以下の日本年金機構サイトでご確認ください。

参考 年金の繰下げ受給日本年金機構

なお、特別支給の老齢厚生年金には繰り下げ受給の制度はありませんのでご注意ください。

個人型確定拠出年金(iDeCo)に入る

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は毎月掛金を拠出して年金資金を積み立て、老後に運用益を含めた年金をもらえる私的年金です。

iDeCoに加入できる人は基本的に60歳未満までですが、国民年金の任意加入をしている人は65歳未満まで加入できます。

参考 トップページiDeCo公式サイト

公的な老齢基礎年金・老齢厚生年金の受給額が平均より低い人は、公的年金で足りない分をおぎなうためにiDeCo等の私的年金保険への加入がおすすめです。

iDeCoに預けた掛金は所得控除の対象になり、運用益も非課税なので、年金を受け取る前にも後にも節税メリットがあります。

まとめ

 

今回は2024年1月に厚生労働省が発表した年金受給額の例と平均的な年金受給額を比較しながら、年金受給額が低い人が今から行える対策について解説しました。

年金受給額が大きくなると、老後の人生はより豊かになります。年金をできるだけ増やす対策をして、安心できる老後に備えましょう。

ライター紹介 | 杉田 Sugita
終活カウンセラー2級・認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。

そなサポ
「そなサポ」は、大切な資産や継承者を事前に登録することで、将来のスムーズな相続をサポートするもしもの備えの終活アプリです。

受け継ぐ相手への想いを込めた「動画メッセージ」を残すことができるほか、離れて暮らす子どもたち(資産の継承者)に利用者の元気を自動で通知する「見守りサービス」もご利用できます。

▶︎今すぐ無料ダウンロード!