- お墓の種類は6種類(一般墓・合祀墓・納骨堂・樹木葬・海洋散骨・手元供養)
- 6種類のお墓の中でもそれぞれに種類がある
- 一般墓の墓じまいをして違うお墓に変更ができる
- お墓選びは一人ではなく家族や墓友と一緒に検討した方が良い
- 余裕があるうちに終活としてお墓を探すと後悔しなくてすむ
お墓と言えば昔ながらの「〇〇家先祖代々の墓」しか実質的には選択できなかった昔に比べて、現代ではいろいろなお墓が選べるようになりました。
しかし選択肢が多ければ多い分だけ、どのお墓を選べば良いのか迷ってしまう方も多いでしょう。またお墓の種類が多くなりすぎて、今はどんなお墓があるのかわからない方もいます。
今回はお墓の種類を6種類紹介し、それぞれのお墓のメリット・デメリットもあわせて解説します。
これからのお墓選びのために、ぜひ参考にしてください。
目次
お墓の種類は全部で6種類
2022年時点での日本におけるお墓の種類は、大別すると以下の6種類に分類できます。
- 一般墓
- 合祀墓(永代供養墓)
- 納骨堂
- 樹木葬
- 海洋散骨
- 手元供養
上記の6種類の中でも、それぞれに細かな違いがあります。今回はこれから説明する6種類のお墓の概要とメリット・デメリットを確認していきましょう。
一般墓
一般墓とは従来からある、墓石を建立して代々の子孫が引き継いでいく形式のお墓です。今回紹介する6種類のお墓の中ではもっとも費用が高いお墓だと考えられます。
近年では一般墓の中でもいろいろな種類が出てきています。いわゆる先祖代々の家墓(累代墓とも呼ぶ)だけでなく、1人だけが入る個人墓や、夫婦2人で入る夫婦墓、または結婚した女性が実家と嫁ぎ先の親族をまとめて供養する両家墓などがあります。
なお、お墓の継承者は基本的に本家の長男です。結婚した次男以降は別のお墓を建てることが一般的とされています。
一般墓のメリット
- ポピュラーなお墓なため親族や知り合いに受け入れられやすい
- 本家の人間は別途お墓を用意しなくてすむ
一般墓のデメリット
- お墓の継承者が必要
- 維持費が高額(年間管理費・寺院へのお布施など)
合祀墓(永代供養墓)
合祀墓(ごうしぼ)とは不特定多数の遺骨を一緒の納骨室に埋葬する形式のお墓です。遺族が年忌法要を開催しなくても墓所の管理者が代わりに永続的な供養をしてくれるため、永代供養墓(えいたいくようぼ)とも呼ばれています。
檀家となっている寺院の合祀墓や、信仰している宗派の本山の合祀墓、また宗派にこだわらない合祀墓に埋葬するなどが選べます。
なお合祀墓への埋葬では遺骨を骨壺ではなく骨袋に入れるか、何にも入れずにそのまま埋葬します。そのためいったん合祀墓に遺骨を収納すると、その後取り出すことはできません。
合祀墓のメリット
- 年間管理費などの維持費がかからない(例外あり)
- お墓の継承者の心配をしなくてすむ
合祀墓のデメリット
- 見知らぬ他人と一緒のお墓で眠ることになる
- 納骨後は遺骨を取り出せない
納骨堂
納骨堂とは遺骨を屋内に安置する形式のお墓です。一般墓を建てられる場所が少ない都心部では特に納骨堂形式のお墓が人気になってきています。
もともとは納骨堂とは、故人の四十九日が終わるまで遺骨を仮安置しておく場所のことでした。しかし現代では四十九日が過ぎても納骨堂から遺骨を移動させずに、そのままお墓として利用する方が増えています。
近年では仏壇型・ロッカー型・自動搬送型・位牌型・墓石型・棚型などさまざまな種類の納骨堂が存在しています。
納骨堂のメリット
- 天候が悪い日でも雨に濡れずにお墓参りがしやすい
- ほとんどの納骨堂では継承者が不要
納骨堂のデメリット
- 一定の契約期間が満了すると合祀墓に移動される
樹木葬
樹木葬とは、墓地の中に大きなシンボルツリーを植えてその周りに埋葬したり、または納骨場所の代わりに草花を植えたりする形式のお墓です。
故人の氏名や戒名がわからない形式の樹木葬もありますが、シンボルツリーの周囲に故人の氏名などを書いたプレートを埋め込んで墓石代わりとしている樹木葬もあります。お墓参りをする方はそのプレートに手を合わせるか、シンボルツリーに向かって手を合わせてお参りを行います。
樹木葬の埋葬形式は、骨壺を納めるタイプと遺灰を土に埋めるタイプの2種類があります。遺灰を土に埋めるタイプの樹木葬の場合には、埋葬後に遺骨を取り出すことはできません。
樹木葬のメリット
- 緑が豊かで明るい雰囲気になり開放的
- 墓の掃除やお供えが不要
- 費用が比較的安価
樹木葬のデメリット
- 納骨できる人数が限られる
- 冬場には寂しくなる可能性がある
- なじみがない形式のお墓に理解できない方がいる
海洋散骨
海洋散骨とは、遺骨を粉末状に加工して海に撒く形式の供養方法です。つまり海洋散骨の場合には、大いなる海全体がお墓だと考えられます。
海洋散骨のやり方は、業者に遺骨をあずけて粉骨(粉末状にすること)から散骨まですべてまかせる代理散骨、クルーズ船をチャーターして遺族が散骨する個別散骨、または複数の遺族が合同で散骨する合同散骨の3種類に分けられます。費用が一番安価なのは代理散骨で、およそ3万~8万程度が相場となります。
なお海に遺骨を撒く海洋散骨ではなく、遺骨を納めたカプセルを宇宙に飛ばす宇宙葬を請け負っている葬儀業者も存在します。
参考 銀河ステージの宇宙葬スペースメモリアル株式会社銀河ステージ海洋散骨のメリット
- 「海に還りたい」との願いが叶えられる
- 費用が安い
海洋散骨のデメリット
- 一般的な「お墓参り」ができない
- すべての遺骨を海洋散骨すると後々に遺骨を取り戻せない
手元供養
手元供養とは遺骨を墓所に納骨せず、また散骨もせずに自宅等にそのまま置いておく供養方法です。遺骨を納めたり加工したアイテムが墓代わりとなります。
他の埋葬方法でも四十九日が終わるまでは遺骨を自宅等に安置しますが、手元供養の場合には四十九日が過ぎた後でも半永久的に遺骨を保管できるようにしている点が異なります。
手元供養の方法には加工型(人工宝石などに加工する方法)と納骨型(専用のミニ骨壺に収納する方法)の2種類があります。
手元供養のメリット
- 故人を身近に感じられる
- お墓参りに行く必要がない
手元供養のデメリット
- 費用がかかる場合がある(人造ダイヤへの加工など)
- 遺族が死去などした後の処分に困る
終活としてのお墓選び
自分が将来的に眠るお墓を生存中に考えておく行動は、終活の一環です。
終活にはお墓探し以外にもいろいろな活動の種類があります。お墓探し以外にはどのような終活の方法があるのかは、以下の記事でご確認ください。
終活とは?3つのメリットと7つの手順を紹介終活でお墓探しをするときには、霊園などからお墓の資料を取り寄せて見比べたり、実際にお墓を見に行く、生前契約するなどが行えます。
お墓の契約者が一人でお墓探しをしてももちろん構いませんが、できれば一緒のお墓に眠る予定の配偶者や、将来的にお墓参りをしてくれる子供らと一緒に検討することをおすすめします。
配偶者や子供がいない「おひとりさま」の場合には同じ目的を持つ墓友を探して、仲良くそれぞれのお墓を探しても良いでしょう。
墓友については以下の記事をご覧ください。
墓友とは?おひとりさまが終活で墓友を探す方法、注意点を解説お墓の種類を変更も可能
すでに一般墓を持っている方でも、後々の継承者となるべき人物がいないなどの理由により、お墓を手放して別のお墓に変更ができます。
一般墓を処分して遺骨を合祀墓や他のお墓に移動することを墓じまいと呼びます。
墓じまいにはある程度の費用もかかりますし、なかなか面倒な作業です。将来的に墓じまいを検討している方は、自分の気力・体力があるうちに後のばしにせず着手することをおすすめします。
墓じまいのやり方や費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
墓じまいにかかる費用を確認|遺骨改葬方法の選択がコストを左右するまとめ
今回はお墓の種類について解説しました。
上記で紹介した6種類のお墓にはそれぞれにメリットもデメリットもあり、お墓の種類によってはやり直しが効きません。
いざお墓が必要になってからあわててお墓を選ぶと失敗のもとです。それぞれのお墓のメリットとデメリットを見極め、自分だけでなく家族や周囲の意向もよく確認した上で、後悔のないお墓の選択をしましょう。
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