- 親の介護や看取り経験から自分の終活を考え出す50代が多い
- 50代から終活を始めた方が良い理由は5つ
- 既婚者がやるべき終活方法と独身者がやるべき終活方法は異なる
人生100年時代とすると、50代はちょうど人生の折り返し地点です。後半戦に向けてそろそろ老後のことを考え始める時期でもあります。
さらに先を考えると、介護や自分の終末期に向けて事前に対策しておく終活についても頭をよぎります。
50代の人が終活に取り組むにはまだ早いでしょうか?それとも既に他の50代は終活をスタートさせているのでしょうか?
今回は50代が終活を行うべき理由と、50代の終活方法を既婚者・独身者別にご紹介します。
目次
50代は親と自分の終活を考える世代
50代の人だと親の年齢が80代になっている人も多いでしょう。
親の介護や看取りに直面した結果、自身の身の回りも整理しておかなければいけないと痛感した人もいるようです。
つまり50代は親と自分の終活を両方考えるべき世代と言えます。
親と自分の終活をダブルで行うのは大変じゃないか?とも思えますが、反面、終活でやるべきことや手順が明確になるという利点もあります。
50代に終活が必要な5つの理由
楽天リサーチのアンケート調査では、終活の意向がある人の年代は男女ともに60代が一番多いという結果でした。
画像引用:楽天リサーチ|終活に関する調査
男女別では、50代女性は60代女性とほぼ変わらない割合で終活の意向がありますが、50代男性は他の20代~60代から比べても割合が一番低くなっています。50代男性は終活をしたいという気持ちが比較的少ないようです。
しかし終活は50代のうちから始めた方が良いという考え方もあります。
ここからは50代から終活をした方が良い5つの理由をご説明します。
理由その1:身体が衰えはじめる
まず1番の理由は、50代になると健康上のリスクが増えてくるという点です。
「まだまだ元気」とは思っていても、以前に比べて身体的な衰えは避けられません。
生活習慣病(成人病)を持つ人の割合は40歳以降で増加するため、50代になった人はさらに注意が必要です。実際に厚生労働省の調査では50代男性のうち糖尿病にかかっている(もしくはHbA1c値が6.1%以上)人の割合が15.6%に上昇しています。
画像引用:日本生活習慣病予防協会|40歳以降で生活習慣病が増加 【2010年国民健康・栄養調査】
高血圧などの他の生活習慣病やガンのリスクも40代~50代にかけて増加します。
また女性の場合、閉経後に女性ホルモンが減少するために甲状腺疾患や膠原病などの自己免疫疾患のリスクが増加します。
あまり考えたくはないことですが50代以上になると、いつ健康を害してしまうかわからないということです。
理由その2:公私ともに責任がある
昔に比べて女性が妊娠・出産する年齢も上がっていますので、現在50代の人の中には、子供がまだ10代で学校に通っているという家庭も多いです。被扶養者の世帯主が亡くなると、収入が途絶えた配偶者や子供が経済的に困窮する可能性があります。
また会社でも50代は役職についている人が多く、仕事上でも責任が大きくなってきます。
万が一のときに、遺された人が困らないためにはどうすれば良いかを公私ともに考えておく必要があります。
理由その3:人生の節目を迎える人が多い
先ほど「50代は親と自分の終活を考える世代」と申しましたが、親の介護や看取りが実際に発生すると、自身の生活が大きく変化する可能性があります。
また子供の就職や結婚で巣立つことにより夫婦2人の生活もしくはひとり暮らしになるなど、住環境が変わる人もいます。
人生の節目を機に、これまでの生活を見直してこれからの生活スタイルを考えるのも終活に取り組むチャンスです。
理由その4:社会的信用度が高い
終活の方法によっては、50代の方が始めやすい場合があります。
個人型確定拠出年金(iDeCo)は個人で加入できる年金で、老後と終末期の資産を準備しておくためには資産形成の手段として検討しておきたい方法です。
iDeCoは20歳以上60歳未満の人が加入することができ、年金の受け取りには60歳以上かつiDeCoの加入期間が10年以上あることが条件となります。
画像引用:iDeCo公式ホームページ|iDeCo(イデコ)の仕組み
iDeCo以外の資産形成を検討する場合にも、会社勤めしている人は社会的信用度が定年後に比べて高いため、金銭面での終活手段の幅が大きく広がります。
理由その5:余裕のある終活ができる
まだ現役であろう50代から終活をスタートさせれば、時間的にも体力的にも余裕を持った終活が行えます。
早い段階から段階的に、定年後の資産の形成や趣味づくり、健康管理などの50代ならではの終活の幅も広がり、余裕が持てます。
また、50代であれば終活セミナーやイベントなどに参加するにも、いろいろなところへ出歩きやすいのでおすすめです。
50代の終活でやるべきこと
50代から終活を始めるべき理由がわかったところで、実際には、50代の人はどのような終活をしていけば良いでしょうか。
ひとくちに50代と言っても、その人が結婚しているのか、それとも「おひとりさま」なのかによって、やるべきことは異なります。
今回は「50代の既婚者向け」「50代の独身者向け」それぞれにおすすめの終活方法を見ていきましょう。
50代の既婚者が終活でやること
結婚している50代の人は、自分の死後に配偶者と子供が困らないような終活をしていきましょう。
1. エンディングノートの作成
エンディングノートを書いておくことで、もし万が一、何かあった場合に配偶者や子供が死後事務を進めやすくなります。
市販でもエンディングノートは売っているので、書きやすそうなものを購入してもいいですし、普通のノートに必要項目を書き出してみる形でも十分です。
具体的なエンディングノートの作成については以下を参考にしてください。6個の質問に答えるだけで、エンディングノートを作成することができます。
終活(エンディング)ノートが10分で完成。6個の質問に答えるだけ
2. 生前整理(断捨離)
生前整理を事前に行っておくことで、意外と大変な遺品整理を最低限に抑えることができます。まだ、50代であるため、大掃除の延長くらいの気持ちで臨むといいでしょう。生前整理のポイントは以下を参考にしてください。
3. お金の整理
お金の整理とは、生命保険や住宅ローンなど、自分の資産と負債を明確にしておくことです。保険証券の保管場所などを家族に伝えておかないと、いざというときに遺族が保険請求ができなくなるなど、困る場合があります。きちんと整理をしておくことで、期限のある相続手続きもスムーズに行うことができます。
4.交友関係の整理
交友関係の整理とは、現在でも交流している人と、子供が学校に通っていたときのママ友など交流がなくなった人をある程度区別しておくことです。そうすることで、もし何かあった場合にスムーズに連絡をすることができます。
50代の独身者が終活でやること
「おひとりさま」の50代の人は、自分が死亡した際のことを踏まえ以下の2つをプラスして行うようにしましょう。
1.遺言書の作成
親や兄弟などの親族以外に財産を譲渡(遺贈)したいという意向がある場合に備えて、遺言書により遺贈先を明確にしておくことをおすすめします。
遺贈については以下の記事に詳しく記載がありますので参考にしてください。
遺贈とは?相続・死因贈与との違いと遺産の残し方を検討するポイント2. 身元保証サービス
身分保障サービスとは、配偶者や子供など身近な親族がいない人が病気・ケガで入院する場合や、老後になってから介護付の老人ホームなどに入所する場合に身元保証人となる民間サービスです。
主な身元保証サービスの利用者は70代以上の高齢者ですが、50代のうちから相談や加入の検討をしておくと後々に役立ちます。
セキュリティには十分に配慮しつつ、いざというときに信頼のおける第三者が管理できるような措置を取る必要があります。
まとめ
今回は50代から始める終活について解説しました。
50代のうちでは、まだまだ自分の死期については想像しにくいかもしれません。しかし、どんな人でもいつ何時なにが起こるかはわかりませんし、備えをしておいて損はありません。
また終活は、これからの長い人生をより良く生きるために有効な手段でもあります。
万が一の備えと身の回りの整理をして、人生の後半を有意義に過ごしましょう。
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