- 介護ストレスは精神的不調の原因
- 介護の悩みは第三者への相談で解決できる可能性がある
- 無料で悩み相談ができる相談先を紹介
「介護がつらい、でも誰にも相談できない」と悩んでいる方は大勢います。
今回は介護の悩みや不安を安心して相談できる公的機関やNPO、民間の相談先を15種類ご紹介します。それぞれの状況にあわせて適切な相談先を見つけ、自分が抱えている苦しみを少しでもラクにしましょう。
目次
介護者の精神的ストレスは大きい
家族の介護をする上では、さまざまな場面で精神的なストレスを感じてしまうことがあります。
しなければいけないことが多く、要介護者のお世話に時間をとられて自分の時間を捻出することもできません。仕事と介護の両立に悩んだり、自分自身の健康に不安を感じることもあるでしょう。
介護休業制度をご存知ですか?制度の内容や給付制度などを解説ストレスが大きくなりすぎると、介護うつなどの精神的不調につながります。介護者のストレスが溜まった結果、痛ましい事件につながる可能性もあります。
介護者と要介護者が共倒れの事態にならないためには、介護者の精神的ストレスをどこかで解消する必要があります。
介護の悩みは誰かに相談すればラクになる
悩みは、誰かに話を聞いてもらうだけでも気持ちがラクになります。
また専門家や介護に詳しい方、経験者に話をすることで、ストレスの元になっている介護の悩みについての解決策が見つかるかもしれません。
「こんなことを相談して良いんだろうか」と思わず、介護の悩みは積極的に誰かに相談しましょう。
無料で介護の悩みを相談できる場所15カ所
以下からは、介護に関する悩みを安心して相談できる相談先を15カ所ご紹介します。
今後の具体的な相談・情報を得られる場所・愚痴をこぼせるところなど、相談できる内容はさまざまです。
相談費用はすべて無料です。対面・電話・SNSのチャットなど相談方法もいろいろありますので、自分が相談してみたいと思った先に連絡してみてください。
地域包括支援センター
これから介護を始める方、介護についてわからないことがある方、介護に関する悩みがある方は、最初に地域包括支援センターに相談しましょう。
地域包括支援センターとは高齢者の生活全般について相談にのってくれる、高齢者支援の拠点です。各市区町村に最低1箇所、全国では5,000箇所以上設置されています。
地域包括支援センターには保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーなど介護の専門家が常駐しており、介護に関するあらゆる相談に対応が可能です。
介護保険の申請等も地域包括支援センターをとおして行えるため「困ったらまず包括」と覚えてください。
全国の地域包括支援センターの場所は以下リンクからも探せます。
参考 地域包括ケアシステム厚生労働省自治体の相談窓口
多くの自治体では、介護に関する相談を受け付けています。
窓口の名称は自治体により異なります。「福祉課」「高齢者支援課」「介護保険課」などの窓口を探すか、もしくは総合窓口で質問し、適切な窓口を教えてもらいましょう。
また自治体によっては住民および住民を介護する家族を対象にした相談ダイヤルを設けている自治体もあります。お住まいの地域の自治体ホームページなどでご確認ください。
参考 家族介護者ほっとあんしんダイヤル葛飾区医療ソーシャルワーカー
病気やケガで入院し、退院後も介護の必要が想定される場合には、退院前に病院の医療ソーシャルワーカーに相談してみましょう。
医療ソーシャルワーカーとは、医療機関に所属している福祉の専門職です。入院・通院患者およびその家族を社会福祉の立場からサポートしてくれます。
医師や看護師と連絡を取り合い、要介護になった患者の詳細な状態にあわせた適切なアドバイスが可能です。また介護保険の手続きや行政支援、病院から介護施設への転院についても相談ができます。
ケアマネジャー
すでに介護が始まっていて、契約中のケアマネジャーがいる場合には、そのケアマネジャーが一番自分たちの介護について詳しい方となります。
介護に関する相談も、実状をわかってくれている方であれば話がしやすいでしょう。
ケアマネジャーは介護保険制度に詳しいプロなので、いまの悩みを解決するために介護サービスの見直しが必要なときには新たなケアプランも作成してくれます。
社会福祉協議会
各地域に設置されている社会福祉協議会では、地域の特性にあわせた介護サービス・福祉サービスに関する相談ができます。
管轄区域内の高齢者向けボランティアや地域の高齢者支援活動についても詳しいため、地域独自の情報を知りたい方におすすめです。
在宅介護支援センター
在宅介護支援センターは、高齢者の在宅介護について総合的な相談ができる施設です。法律上の名称は「老人介護支援センター」です。
多くは居宅介護支援事業所や老人ホームを兼ねていますが、介護に関する相談は誰でもできます。
2023年現在、多くの自治体では在宅介護支援センターの役割を地域包括支援センターに移行させており、在宅介護支援センターを廃止した自治体も多いです。お住まいの自治体に在宅介護支援センターがない場合には、地域包括支援センターに相談を行ってください。
民生委員
民生委員は厚生労働大臣から委託されたボランティアの相談員です。担当地域における福祉・介護・育児などさまざまな相談にのり、支援が必要なときには行政や専門機関とのパイプ役を担ってくれます。
民生委員は対象地域で暮らす一般の方ですが、福祉やボランティア活動に理解と熱意があり、民生委員にふさわしいと推薦された方しかなれません。
守秘義務があり相談した方の秘密は固く守られますので、安心して悩みを相談できる相手です。
シルバー110番
シルバー110番は都道府県ごとに設置されている、高齢者と高齢者家族が抱える悩みや不安を電話で相談できるサービスです。別名「高齢者総合相談センター」とも言います。
固定電話・スマートフォンで「♯0808」をダイヤルすると、電話をかけた場所の管轄地域にあるシルバー110番につながります。
シルバー110番では主に介護や認知症、介護費用の悩みについて相談できます。問題の解決に専門的な知識が必要と判断された場合には、医師や弁護士などの専門家からのアドバイスも受けられます。
家族会
介護中の家族が集まり、互いの相談や情報交換をするなど交流を深められる場所が家族会です。
家族会は病院や介護施設などの施設が主体となる家族会や、認知症や難病にかかっている方の家族が入る家族会など、さまざまな種類があります。
なお「公益財団法人 認知症の人と家族の会」では、会員以外からの電話相談も受け付けています。
参考 電話相談認知症の人と家族の会認知症カフェ
認知症カフェとは、認知症の方とその家族が気軽に悩み相談や世間話をできるカフェ形式の交流イベントです。
主に自治体やNPO法人、地域包括支援センターが運営しています。常設ではなく月に1~2回、公民館や地域センターなどで開催されています。
介護なんでも相談室
「介護なんでも相談室」は、総合福祉事業を展開するケア21が運営する会員制介護相談サービスです。
入会金無料で、会員登録すればケア21専属ケアマネージャーが相談に応えてくれます。
相談方法はメール・電話・Zoom・LINEが選べ、電話とZoom以外は24時間いつでも相談できます。
また会員サイトの掲示板でも相談が可能です。掲示板の過去ログで他の人の相談と回答が閲覧できるため、探していた答えが相談前に見つかる可能性があります。
参考 トップページ介護なんでも相談室よりそいホットライン
「よりそいホットライン」は一般社団法人 社会的包摂サポートセンターが運営する、暮らしの困りごとや悩みを電話・FAX・チャットで相談できる相談窓口です。
介護生活で孤立を感じたとき、思うままに苦しい気持ちを打ち明けられます。
参考 トップページよりそいホットラインただし「よりそいホットライン」のカウンセラーは介護の専門家ではないので、具体的な対策については上記でご紹介したような専門家がいる窓口でご相談ください。
こころのほっとチャット(SNS)
「こころのほっとチャット」は、NPO法人東京メンタルヘルス・スクエアが運営するSNS相談サービスです。
LINE・Facebook・WEBチャットを使用したチャット形式でのSNS相談ができます。東京都在住の方以外でも相談が可能です。
参考 こころのほっとチャット ~SNS相談~東京メンタルヘルス・スクエア「こころのほっとチャット」ではカウンセラーが相談者の悩みを聞き、どうすれば悩みが解決できるかを一緒になって考えてくれますが、こちらも上記の「よりそいホットライン」と同様にカウンセラーは介護の専門家ではありません。
「こころのほっとチャット」に悩みを聞いてもらった後は、他の相談先にもあわせて相談されることをおすすめします。
友人
介護について何の知識がなくても、相談者のことを一番知っていて、大切に思っている友人に悩みを打ち明けても良いでしょう。
友人とおしゃべりするだけで心が軽くなるかもしれませんし、悩みを相談した後で、介護とはまったく関係ない話に花を咲かせるのも気分転換になります。
家族
兄弟姉妹など、同じ目的を共有する家族が相談者にとって一番の理解者と言えるかもしれません。
配偶者の親を介護中のときの兄弟姉妹や子どもなど、介護には関わりない立場だったとしても、身近な家族であれば恥ずかしい気持ちも少なく、本音を打ち明けやすいでしょう。
家族はいざというときに助け合える存在です。介護にかかわらず悩みがあるときには、自分の身近な家族にまず相談してみましょう。
まとめ
今回は介護の悩みを相談できる場所をご紹介しました。
ひとりで悩みを抱え込んでいる必要はありません。誰かに相談して、心の中の重たい荷物を少しでも軽くしてみてください。
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