- お墓参りでやってはいけないことは「第三者の迷惑になる行為」と「お墓を破壊・劣化させる行為」
- お墓参りに行ってはいけない日はない
- お墓の種類やお墓参りの方法は時代につれ変化している
冠婚葬祭の中でも「葬」に関する部分は、特に礼を欠いてはいけないと言われています。では、葬に関連する「お墓参り」については、何かやってはいけないことはあるのでしょうか。
普段あたり前のように行っているお墓参りにも、知らなかったタブーやNG行為が存在するのかもしれません。
また、世間で「お墓参りではこれをやってはいけない」と言われているNG行為の中には、根拠もない迷信で、実際にはNG行為でもタブーでも何でもないこともあります。
今回はお墓参りでやってはいけないとされている NG行為や、行ってはいけない日とされている日程や時間帯が、それぞれどうしてタブー視されているのか、その理由をわかりやすく説明します。
目次
お墓参りでやってはいけないこと
お墓参りでやってはいけないことは、おおむね以下の2点に大別されます。
- 墓地の管理者など第三者に迷惑がかかる行為
- 墓地や墓石を破壊・劣化させる行為
以下からはお墓参りのそれぞれのシーンで、どのような行為をやってはいけないかを確認しましょう。
掃除のタブー
お墓の掃除をするときに、お墓の周囲だけでなく内部まできれいにしたいと、墓石をずらしてカロート(納骨棺)まで掃除しようとする人がいます。しかしこれは墓石が倒れて事故の原因になるため、絶対にやってはいけないNG行為です。
画像引用:有限会社むらまつ石材|墓石のかたち
カロートを開閉するつもりはなくても、掃除に夢中になるあまり墓石を強く押したりするとやはり事故につながるため注意しましょう。
またお掃除の際には、墓石に付着した泥汚れやコケを落とすためにタワシで磨く場合があります。
しかしそのとき、金属タワシは使ってはいけません。金属タワシを用いると、細かい金属が墓石の隙間に入り込み、墓石が劣化する恐れがあります。
普通のタワシでも、あまりにゴシゴシこすりすぎるとNG です。できればスポンジなどを使って、故人の身体を洗うようにやさしく汚れを掃除してあげましょう。
お参りのタブー
お墓は亡き人をしのんで供養する場所なため、あまり大声で騒ぎ立てる行動は望ましくありません。
小さいお子さんと一緒のお墓参りだと、お子さんが普段と違う場所にはしゃいでしまい、墓地を走り回ったり石造物で遊び始めてしまうかもしれません。事故の原因や他の参拝者への迷惑になりますので、やってはいけないときちんと説明しましょう。
大人であっても、懐かしい友人などのお墓参りの際に故人と酒を酌み交わす気持ちで酒盛りを始めるような行為は当然NGです。
お供えのタブー
故人が好きだった食べ物やお酒などを墓前にお供えすること自体はやってはいけないことではありませんが、お供えした食べ物や飲み物はお墓参りがすんだら必ず持ち帰りましょう。
お供え物を残したままにしておくと、カラスや動物などが食べ物を荒らす可能性があります。
また、ドラマなどでは故人に飲ませたいと墓石の上から日本酒などをかけるシーンが存在しますが、これは絶対にやってはいけません。
墓石材には目に見えない微細孔がたくさん空いています。微細孔にアルコールが染み込み、カビや細菌が繁殖して墓石を劣化させますのでお酒やジュースなどをかける行為は厳禁です。
その他のタブー
その他、寺院や霊園でお参りのルールが定められている場合には、そのルールに従いましょう。
例えば霊園でペット持ち込み禁止と定められている場合には、たとえそのペットが故人のかわいがっていた大事な家族だとしても、お墓参りは一緒にはできません。
また有名人や芸能人が眠る墓所では、ファンの人たちが大勢訪れるために独自の決まりを設けているケースがあります。
線香の本数などを限定している可能性もあるので、不特定多数の人が訪れる可能性があるお墓では、独自の決まりを調べてから参拝しましょう。
参考 hideお墓参りについて・皆様へのお願いhideモバイル-JETS-お墓参りに行ってはいけない日
お墓参りでやってはいけないことを確認した後は、お墓参りに行ってはいけない日についても確認しましょう。
基本的には、お墓参りに行ってはいけない日はありません。故人に会いたいと思えば、1年365日いつでもお墓参りに行けます。
しかし、できればお墓参りは避けた方が望ましい日と考えられている日も存在しています。
以下の日程や時間帯はその例です。絶対に行ってはいけない日ではありませんので、参考までにご確認ください。
日程
お墓参りに行ってはいけない日程とされている日は以下のとおりです。
日程 | 理由 |
お盆の時期 | 故人の霊が帰ってきているから |
毎月29日 | 「二重に苦しむ」につながるから |
仏滅 | 凶日とされているから |
友引 | 葬儀をしてはいけない日程とされているから |
なお、仏滅や友引はもともと中国で生まれた暦注(日時・方位の吉凶占い)です。お墓参りとは何の関係もありませんので、仏滅や友引にお墓参りに行ってはいけないと言われているのは俗説に過ぎません。
画像引用:日本の暦|暦の中のことば
時間帯
逢魔が時(おうまがどき)とも呼ばれている暮れ六つ(17時~19時)の時間帯は、避けた方が望ましいと言う人もいます。
画像引用:歌舞伎用語案内|習俗と遊里-時刻
しかし、暮れ六つの時間帯にお墓参りに行っても何の問題もありません。逢魔が時はお墓参りを避けた方が良いという考えは単なる迷信に過ぎませんので、安心してお墓参りに行きましょう。
ただし、夜間や深夜のお墓参りには行かない方が無難です。
そもそも夜間には寺院や霊園が閉所しているケースが多いですし、人気のない夜間のお墓では防犯上の危険も考えられます。
墓の種類によりNG行為になる可能性も
他の墓では問題にならなくても、お墓の種類によっては「やってはいけないこと」に分類されるお墓参りのやりかたがあります。
一例を挙げれば、シンボルツリーの根元や周囲に遺骨を納める供養方式の樹木葬では、火事の原因になるために線香を供えることは禁止されています。
また、室内型の納骨堂でお墓参りをする際には、一般的なお墓のようにひしゃくで水をかけたりしてはいけません。
日本で選択できるお墓は6種類|概要とメリット・デメリットを解説時代とともに変化するお墓参りのタブー
お墓参りの方法については、かつては「1人で行ってはいけない」「他の墓を拝んではいけない」「他の用事のついでにお参りしてはいけない」など、さまざまなタブーが取り沙汰されてきました。
しかし今は、お墓の種類も、お墓参りもさまざまな方法が選べる時代です。
代理墓参やオンライン墓参、また、海洋散骨した人の場合は海に向かって手を合わせるなど、お墓参りのスタイルも多種多様です。
従来のお墓も、継承者がいないなどの理由で墓じまいする人が増えています。これまでタブーやNG行為とされていたお墓参りのやりかたも、時代にあわせて見直していく必要があるでしょう。
墓じまいにかかる費用を確認|遺骨改葬方法の選択がコストを左右する故人をしのぶ気持ちがなによりも大切
「お墓参りは目上の人に会う気持ちで」と、華美なファッションや肌の見えるファッションはNGと言う人がいますが、服装を気にしすぎてお墓参りを止めてしまっては本末転倒です。
お墓参りは、故人をしのぶ気持ちがなによりも大切です。
もちろん故人や同じ墓に眠る人、そして墓所全体に配慮するためにマナーを欠かしてはいけませんが、ファッションに限らずマナー違反を恐れるあまりにお墓から足が遠のく方が、故人にとって寂しいであろうことを忘れずにいましょう。
まとめ
今回はお墓参りでやってはいけないNG行為と、行ってはいけない日程や時間帯が、どうしてタブーとされているのかの理由を解説しました。
お墓参りでやってはいけないことも、行ってはいけない日程や時間帯も、常識的なふるまいをしていれば避けられることばかりです。
お墓参りだからと言って必要以上に身構えず、懐かしい故人と気軽に会話するような気持ちで、できるだけ頻繁に故人に会いに行ってあげましょう。
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