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熟年再婚のメリット・デメリット|幸せになるためのチェック項目

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この記事のサマリ
  • 過去の経験を活かした夫婦生活が送れるようになる
  • 子どもを持てる可能性がある
  • 周囲の反対や遺産トラブルなどの問題が発生することもある

人生経験が豊富な熟年同士の再婚は、かつての経験を活かせることで幸せを掴みやすいと言われています。一方で、周囲の反対に遭ったり連れ子と関係性を築けなかったりと、熟年再婚ならではのトラブルも考えられます。

あらかじめ問題になりそうなポイントを知り、再婚前に話し合いを重ねることが大切です。

そこで今回は、熟年再婚のメリット・デメリット、考えられる問題点について紹介します。

熟年再婚のメリット・デメリット

メリット

前夫(妻)とのトラブルは繰り返さない

熟年再婚の場合、前のパートナーと離婚しているか死別しているかのどちらかです。離婚の場合は、何らかのトラブルによって信頼関係が損なわれたということが考えられます。

かつての幸せな生活を、自分の態度や振る舞いが原因で崩しまった過去があるかもしれません。熟年再婚では、その時の経験を活かすチャンスがあります。

熟年再婚では「今度は上手くやりたい!」という想いが相手への気遣いにつながります。相手にも同じように気遣ってもらうことで、幸せな家庭を作ることができるでしょう。

自分の弱点を知っている

離婚があったということは、そこに至るまでに何らかの原因があります。仮に相手の浮気が原因だとしても、自分に足りない部分があったのかもしれません。

相手を不快にさせてしまったかもしれない「自分の弱点」を見つめなおす機会もあるでしょう。

年齢や社会経験を重ねて、若い時より成長しているはずです。それを活かせるが熟年再婚といえます。

国や地方自治体の補助を受けられる

パートナーとして恋愛している場合、とくに国や自治体からサポートを受けられるわけではありません。

結婚して初めて、以下のようなメリットを享受できます。

  • 世帯主の扶養に入って税金が免除される
  • 公営住宅に入居できるようになる

子供を持てる可能性もある

不妊治療の技術が向上したことで、高齢でも子供を産める可能性はあります。

高齢出産にはリスクはつきものですが、それでも子供をほしいと思う熟年夫婦もいらっしゃるでしょう。あるいは自分で産めない場合でも、パートナーが子供を連れてくるかもしれません。

両方に子どもがいなければ、養子を迎えるという選択肢も考えられます。

デメリット

周囲から反対される可能性がある

二人が愛し合っていても、周囲が祝福してくれるとは限りません。

「今更結婚しなくても…」と周囲から反対を受けることもあるかもしれません。あくまで本人たちの幸せを考えてのアドバイスですが、かえって傷つくこともあります。

これに関しては、二人で根気よく周囲を説得していくしかないでしょう。

連れ子との関係性に不安が残る

再婚する年齢次第ですが、熟年再婚の場合はどうしても連れ子との関係性が課題になります。

小さい子供のうちなら「新しいお父さん(お母さん)」として馴染んでもらいやすいと思われますが、50代になった親の子どもは成人していることも珍しくありません。社会人として働いていれば、信頼関係を築く時間も場所もないことが多いと思われます。

どうしても連れ子から見れば、他人と思えてしまうのは覚悟しておく必要があります。

再婚した時に連れ子にどう接するのかはパートナーと話し合いを重ねましょう。

熟年再婚で考えられるトラブル

再婚 分かれ道

遺族年金が打ち切りになる

元配偶者と死別で「遺族年金」を得ていた方は、再婚では特に注意が必要です。

再婚をした時点で遺族基礎年金・遺族厚生年金を受け取る権利を失います。5~10万円程度の収入がなくなるため、この収入に頼っていた方には痛手になるでしょう。再婚後にこの金額をあてにできないことは覚えておく必要があります。

正式に籍を入れない内縁(事実婚)でも同様です。手続きしないで受け取り続けると不正受給にあたり、返金を求められるだけでなく罰金が科されることもあります。

ただし、元配偶者との間に子どもがいれば、代わりに遺族年金を受け取ることができます。子どもが再婚した親と生計を同じくする場合は遺族基礎年金は受け取れませんが、遺族厚生年金はいずれにしても受け取ることができます。

老々介護の可能性

熟年再婚の場合、老々介護の可能性があることは理解しておきましょう。

熟年再婚したパートナーに両親がいる場合、70~80歳以上であっても驚くことではありません。その年齢では、介護を必要とする方も多いはずです。入籍直後から、新婚生活とは程遠い介護ばかりの生活になるリスクもあります。

パートナー自身も50~60歳以上であれば、今は元気でも少し時間が経てば病気になることは考えられます。

このようなことを防ぐためには、交際している段階で家庭環境や介護状態になった場合の対応についてオープンに話しておくことです。「パートナーに嫌われたくない」と事実を隠していると、かえって夫婦関係が悪くなる原因になります。

再婚前に考えておきたい問題点

再婚 人形

前の配偶者が眠るお墓の問題

1人目の元夫(妻)と死別している場合、すでには元夫(妻)は元夫(妻)のお墓に入っています。

妻と死別した男性が新しい女性と再婚するケースを考えてみます。

新しく入籍する後妻の立場からすると「前妻と同じ墓には入りたくない」という気持ちが働くこともあるでしょう。再婚した本人自身も前妻と後妻が一緒の墓に入ることは気になるはずです。

新しい夫(妻)は別のお墓に入るのか、新しい夫(妻)と同じ墓に入りたいのか、あらかじめ決めておく必要があります。

前妻・後妻と子供との遺産相続問題

前の家庭との遺産相続トラブルは、熟年再婚にあたって特に気を付けておきたい部分です。本人は配偶者と離婚しているため配偶者が亡くなってもが相続に参加する権利はありせんが、元配偶者の間に生まれた子供には相続権があります。

元配偶者も再婚していて後妻とその子供がいるため、「相続の場でいきなり顔合わせ」という事態が発生します。信頼関係がなにも構築できないまま遺産相続に臨むため、上手く話がまとまらないことが考えられます。

熟年再婚の成功のために|再婚チェックシート

再婚 ハート

「子どもを産むか」の意見は一致しているか

20代・30代の若い世代で結婚するなら「子どもがほしい」という意見は一致するでしょう。

一方の熟年離婚では簡単にいきません。現在は不妊治療の技術の発達で、50代でも子供を産むことが不可能ではなくなりました。

とはいえ、出産で母体にかかる負担は相当なものです。女性の場合、当事者になる不安から出産を諦めることもあります。

子どもを持つかどうか、入籍前に話し合っておくことが大切です。実子でなくても、養子を迎えて育てるという選択肢もあります。

老後の生活設計の話し合いはできているか

老後の生活設計は人それぞれです。

「せっかく仕事から解放されたのだから」と旅行に行ったり趣味を楽しんだりと第二の人生を謳歌したい方もいれば、パートナーと自宅でゆっくり過ごしたい方もいます。

パートナーだからといって、必ずしも意見が一致するわけではありません。

相手に自分の生き方を強要してもうまくはいきません。自分の趣味を楽しんでいる姿を見てもらい、「こんな楽しみ方もある」と理解してもらいましょう。

2人だけで生活できるお金はあるのか

2人で生活を楽しむなら、先立つものがないと始まりません。

50代以降は「役職定年」によって今まで管理職で高給取りだった方も年収が20%程度カットになることがあります。さらに進んで60代、定年退職した後は貯金と年金だけが収入源という家庭も少なくありません。

年齢を重ねると病気にもかかりやすいですから、お金に関する不安はつきまとます。

2人で最後まで生活できるだけの蓄えがあるのか、最初にシミュレーションしておきましょう。

老後に必要な生活資金の目安

「老後2,000万円問題」がお茶の間を騒がせたのは記憶に新しいのではないでしょうか。金融庁が2019年6月に公表した「高齢社会における資産形成・管理」において、30年で約2,000万円の取り崩しが必要という数字が一人歩きして社会問題になりました。

もとになったのが総務省「家計調査(2017)」です。

「高齢夫婦無職世帯の平均収支」にて、収入が20万9,198円に対し、支出が26万3,718円でした。

参考:金融庁「高齢社会における資産形成・管理」|10P

その差額にあたる5万円を毎月取り崩して生活すると、30年で2,000万円が不足するという試算になります。

とはいえ、これはあくまでも一例にすぎません。自分事として捉えるためには「自分の理想とする生活にはいくら必要なのか」を計算し、今の貯金と将来の退職金や年金収入で実現できるかをシミュレーションすることが大切です。

婚前契約書・遺言書を書いておく

熟年再婚では、「再婚までに作り上げた財産」をどうするかが問題になることがあります。

65歳などの引退後に再婚した場合は財産の形成時期は完全に終了しており、残された財産はお互いが築いたものよりも前妻(夫)と築いたものがほとんどです。

入籍すればそのような事情にかかわらず、配偶者であれば相続権を得ることになります。

再婚相手が亡くなった場合、残された実子ではない子供と自分で遺産相続をすることになり、前述の経緯から揉めることも考えられます。

まとまった遺産があり、それとは別に夫婦生活で築き上げる財産を管理したいと思う場合、再婚前に婚前契約書を作って取り交わしておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。

相続以外にも家事の分担、財産の管理、親の介護のことなど同居後にトラブルになりそうなことをまとめて契約書にまとめておくことで、今後の生活の道しるべになるでしょう。

相続に関することは、生前に話し合い遺言書を作成しておくことも重要になります。公正証書で正式な遺言を作り、将来の遺産分割の方法を元気なうちから残しておきましょう。

まとめ

熟年再婚は「今度こそ幸せになりたい」というお互いの想いが強いものですが、「両親の介護はどうするか?」「子どもは持つのか?」といった熟年ならではの悩みが尽きないのも事実です。

一方で、一人で迎えるはずだった老後に心強いパートナーを得られるという魅力もあります。

同居後に問題になりそうなことは隠すことなく、オープンに話し合っていきましょう。

ライター紹介 | 高柳政道 Takayanagi Masamichi
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。老後に安心して暮らすための知識とノウハウを紹介いたします。

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