- 墓友とは家族以外に一緒のお墓に入る仲間
- 「墓友」はNPO法人エンディングセンターが商標登録している言葉
- 従来の価値観の変容・おひとりさまの増加により墓友に注目が集まっている
- 墓友はサークル・終活イベント・介護施設などで探せる
人は誰しも亡くなるときはひとりですが、それでは寂しいと感じる方もいるでしょう。
誰かと一緒のお墓に入れば、寂しさも和らぐかもしれません。
血縁関係がなくても一緒の墓に入る友だち、およびその交友関係を墓友と言います。今回は墓友とは何か、おひとりさまが終活で墓友を探す方法やメリット、デメリット、注意点について解説します。
目次
墓友(はかとも)とは
墓友は「はかとも」と読み、一般的には以下の意味があります。
墓友(はかとも)とは日本において見られる交友関係の一形態。死後には共同墓地などといった同じ墓に入ることを前提として付き合っている交友関係のことを言う。
引用:Weblio辞書|墓友
墓友という言葉は2014年に特定非営利活動法人エンディングセンターが商標登録して社会に発信し、世の中に広まりました。
参考 トップページ認定NPO法人エンディングセンター「墓友」は商標登録されている言葉
前項で説明したとおり、墓友は特定非営利活動法人エンディングセンターが第41類役務に対しての商標登録を行っている言葉です。
参考 登録5720501(商願2014-064138)特許情報プラットフォーム商標権を保有している特定非営利活動法人エンディングセンター以外の企業や団体は、セミナーやイベント企画・主催や各種のメディア活動などを行う際に墓友の名称を使用することはできません。
ですが最近では墓友の理念自体が多くの方に広まり、墓友は既に「お墓友だち」の略称としての一般用語として扱われています。
一緒に終活を行う仲間を「墓友」と呼ぶ場合も
「お墓友だち」をもっと広い意味で捉え、終活の一環でお墓探しをして一緒に墓所めぐりをする友だちのことを墓友と呼ぶケースもあります。
この場合、墓友同士が実際には同じ墓に入るとは限りません。
墓友と一緒に入るお墓の種類
では、墓友と一緒に入るお墓はどのような形態のお墓なのでしょうか。
基本的には墓友が入る墓所の種類はすべて永代供養墓となりますが、商標登録された墓友と、お墓友だちの略称としての墓友では、種類が異なる場合があります。
- 商標としての墓友→樹木葬(桜葬)
- 略称としての墓友→永代供養墓(合祀型)
樹木葬(桜葬)
墓友を商標登録している特定非営利活動法人エンディングセンターでは、桜の下で眠る「桜墓」を主に紹介しています。
つまり同団体の趣旨から考えると、厳密には墓友が入るべきお墓は樹木葬(桜墓)がベースとなります。
樹木葬については以下の記事も参考にしてください。
参考 樹木葬って何?埋葬スタイルや費用に合わせた後悔しない選び方をご紹介!GoldenYears永代供養墓(合祀型)
広い意味で「知り合いと一緒に入れるお墓」と考えれば、樹木葬以外にもお墓の種類は増えます。
不特定多数の遺骨を一箇所に納める合祀型の永代供養墓なら、仲の良い友人と一緒のお墓に入るという目的は達せられます。
家族以外の墓友と一緒に入れるお墓は、以下のサイトからも調べられます。
参考 「友達と一緒」の条件に合うお墓ソナエ 安心のお墓探し墓友が注目を集める理由
2014 年に墓友が商標登録されるなど、墓友を求める活動も広がってきています。
なぜ多くの方が、終活で墓友探しをしているのでしょうか。
ここからは、墓友が欲しい方の理由について見ていきましょう。
価値観の変容
従来、人が最期に眠る場所は先祖代々のお墓であり、承継者がお参りや管理をすることが当然と考えられてきました。さらに、先祖代々のお墓がない場合には新たに家族墓を購入することが一般的でした。
しかし近年では少子化の影響もあり、お墓に対する価値観も変化しています。
2015年に保険クリニックが行った調査では「お墓を託せる相手がいない」「子供に面倒をかけたくない」などの理由により先祖代々のお墓がない方のうち59.5%の方は、お墓を購入しないと回答されています。
画像引用:保険クリニック|墓じまい?最近の葬式事情や埋葬方法を調査!
また同調査では、配偶者と同じお墓に入りたくないと回答した方は男性10.6%・女性26.4%との結果も出ています。
女性が挙げた理由として「死んでまで一緒にいたくない」「義父母と一緒のお墓に入りたくない」などがあり、家族意識や夫婦のありかたにも変化が感じられます。
おひとりさまの増加
未婚率や離婚率の増加によりおひとりさまが増えたことも、墓友が注目されている理由として考えられます。
平成29年版少子化社会対策白書(全体版)によると、1970年に行った総務省国勢調査では年齢が50歳で結婚していない未婚者の割合は男性1.7%・女性3.3%でしたが、2015年度の国勢調査では男性23.4%・女性14.1%まで上昇しました。内閣府の推計では、今後も50歳時の未婚割合は上昇が続く予測です。
画像引用:内閣府|平成29年版少子化社会対策白書
お墓の承継者がいないおひとりさまが、死後の絆を求めて終活で墓友探しをするケースも見受けられます。
おひとりさまの場合は、墓友探し以外にもしておくべき終活があります。以下の記事を参考にしながら、おひとりさま終活のスタートを早めにすることをおすすめします。
おひとりさまこそ終活が必要|終活すべき3つの理由とおすすめの方法を解説終活で墓友を作るメリット・デメリット
終活で墓友を作ると、どのようなメリットがあり、どのようなデメリットが考えられるのでしょうか。
墓友を作るメリット
まず墓友を作るメリットとしては、以下の点が挙げられます。
- 死後にも独りきりではないという安心
- 先立った場合、お墓参りをしてくれる仲間がいる
- 同じ理念を持った方と出会える
高齢者になると新たな友人を作ることが難しくなりますが、墓友との交流により交友関係がより豊かになるでしょう。
墓友を作るデメリット
反対に墓友を作るデメリットとしては、以下の点が挙げられます。
- お墓の形態に妥協が必要
- 墓友と仲たがいした際に気まずい
上記で説明したとおり墓友と一緒に入るお墓は基本的に永代供養墓となりますので、個人墓や散骨を望んでいる場合には妥協が必要になる場合もあるでしょう。
ただし遺骨を分骨すれば複数種類の納骨も可能です。
終活で墓友を探す方法
昔から仲の良い友人が墓友になって一緒のお墓に入れれば良いですが、人それぞれに価値観は異なるので、仲の良い友人が必ずしも同じ考えであるとは限りません。
同じ理念を持つ仲間は、どこに行けば見つかるのでしょうか。
ここからは墓友探しができる場所をいくつかご紹介します。
墓友サークルに入会する
墓友を商標登録している特定非営利活動法人エンディングセンターでは、墓友サークルを作って墓友同士の交流を図っています。
参考 【東京】もう一つの我が家お知らせ認定NPO法人エンディングセンターお墓を通じて新たな友人関係が芽生えたり、さまざまな情報交換ができるので墓友サークルに加入するのはおすすめできます。
老人ホーム建立の共同墓に入る
有料老人ホームなどの民間介護施設の中には、施設で亡くなった方が入れる共同墓を建立しているところもあります。
参考 “入居者仲間”から“墓友へ”。高齢者住宅の共同墓長谷工シニアホールディングス 参考 共同墓苑介護付き有料老人ホーム 油壷エデンの園同じ施設内で寝起きする仲間と死後にも一緒にいることになるので、共同生活者としてだけでなく墓友としても交流することも良い案です。
終活イベントで墓友探しをする
日本各地で開催されているさまざまな終活イベントに参加して、その中で墓友を探すという方法もあります。
参加者交流が活発なイベントなら、同じ目的を持つ仲間も探しやすいでしょう。
終活イベントの詳細については以下の記事も参考にしてください。
終活イベントで学べる内容・種類・探し方・参加時の注意点をまとめました終活で墓友を探すときの注意点
墓友探しを行う際は、いくつかの注意事項があります。
いざお墓に入ってからはやり直しがきかないため、墓友を探すときには以下の点をよく確認しましょう。
合祀後は遺骨を取り出せない
家族墓や個人墓と違い、合祀型の永代供養墓ではいったん遺骨が収納されると再び取り出すことはできません。
散骨や手元供養を併せて望む場合には、分骨する旨を事前にエンディングノートなどで指示しておきましょう。
終活(エンディング)ノートが10分で完成。6個の質問に答えるだけ供養方法・供養期間は要確認
永代供養と言っても、実際にはすべての永代供養墓が永久的に供養してくれるわけではありません。
上記でご説明した特定非営利活動法人エンディングセンターの桜葬では供養の期間は無期限となっていますが、合祀型ではなく骨壺を収納するタイプの永代供養墓だと、おおむね33回忌~50回忌を目途として弔い上げをするのが一般的です。
さらに施設や霊園によって供養方法や法要・読経の方法も異なるため、永代供養墓を生前契約するときには十分な確認が必要です。
家族の意向も要確認
ご家族がいる方の場合、もっとも重要なのが家族の意向をよく確認しておくことです。
人によっては、合祀型の永代供養墓へのお墓参りは誰に向かってお参りをしているのか分からないと感じる方もいます。
墓参りをする方は主に遺されたご家族ですので、家族の意向を無視して勝手にお墓を決めてしまわないように注意しましょう。
また配偶者のいる方は、一緒にお墓に入りたい相手が自分ではないという事実にプライドを傷つけられるケースもあり得ます。
夫婦関係に支障をきたさないためにも、自分の考えをよく説明し、理解を得られるように努力しましょう。
まとめ
今回は血縁関係がない方が一緒のお墓に入る墓友について解説しました。
葬儀やお墓に対する価値観の変化や、家族のありかたの変化により、共にお墓に入る相手も自由に選べる時代となりました。
もし墓友を作りたい場合はメリットやデメリットを把握したうえで、信頼できる墓友を探してみましょう。
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