- NTT固定電話を利用している人は2割近く減少している
- 不要な固定電話契約はNTTに解約申し込みも一案
- 電話・インターネットでの解約方法を解説
- NTT解約申し込み前に確認すべき注意点は4つ
近年スマートフォンを持つ人が増加したため、自宅の固定電話を使って電話をかける機会が減少しました。
家に固定電話はあるものの、最近ではかかってくる電話のほとんどは営業電話や迷惑電話ばかりという人も多いのではないでしょうか。
使う機会がない固定電話は、この際思い切って解約してしまうのも良案です。
今回はNTT固定電話の解約について解説します。
目次
不要品を手放す「生前整理」は終活の一環
これまでは何となく「あるのが当然」だったモノでも、よくよく考えてみれば今の自分には必要でないモノは、見回してみると案外多いものです。
必要なモノと必要でないモノを仕分け、不要品を売却・廃棄その他の手段で処分する行動は、終活の一環である「生前整理」にあたります。
固定電話の解約も、不要なモノ(電話機)と契約(NTT)を手放す行動ですので、生前整理のひとつと考えて良いでしょう。
生前整理について詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてください。
電話加入権は相続の対象
NTTの電話加入権は、契約者が亡くなったときには相続財産になります。
現在は電話加入権の価値が下落しているために大きな財産にはなりませんが、遺された家族が相続財産を調べるときには余計な手間が増えてしまうため、電話を使う機会がなければあらかじめ解約してしまっても良いでしょう。
なお相続手続きを行う際には、電話加入権以外にも多くの相続財産を調べなければいけません。詳しくは以下の記事をご覧ください。
NTTの固定電話を解約する人が増えている
実際に、NTTの固定電話を解約する人は増えています。
総務省が2024年に発表した「令和5年通信利用動向調査」によると、一般家庭が保有している固定電話の割合は全世帯の57.9%でした。
平成26年(2014年)時点の同調査では75.7%の世帯が固定電話を保有していたため、この10年余りで2割近くの世帯がNTT固定電話を解約していることになります。
参考 令和5年通信利用動向調査の結果総務省NTTの固定電話を解約する理由
それでは、どうして固定電話を解約する人は増えているのでしょうか。
NTTの固定電話を解約する理由としては、主に以下の3点が考えられます。
1.携帯電話・スマートフォンの普及
上記でご紹介した総務省の通信利用動向調査では、固定電話ではなく携帯電話やスマートフォンを保有している世帯の割合は97.4%でした。
特にスマートフォンの保有率は急激に増加しています。2010年時点ではわずか9.7%しかなかったスマートフォンの保有率が、2023年時点では90.6%と、ほぼ10倍です。
画像引用:総務省|令和5年通信利用動向調査の結果
固定電話も携帯電話・スマートフォンも、利用の有無に関係なく毎月の基本料が発生するため、利用頻度が減った固定電話を解約すれば月々の固定費が節約できます。
2.特殊詐欺やアポ電強盗の被害に遭う危険性
「オレオレ詐欺」などの特殊詐欺電話や、電話で資産状況や家族構成を聞き出して強盗に入る「アポ電強盗」の被害に遭う高齢者世帯が増えています。
参考 アポ電に注意!!大阪府警犯罪者が使用している電話の名簿は、携帯電話番号よりも固定電話番号の方が圧倒的に多いと言われています。
非通知の受電をブロックするなどの対策もできますが、近年では実在する警察署の電話番号を偽装した特殊詐欺電話もあるため、完全には悪質な電話をシャットアウトすることはできません。
3.電話加入権の暴落
かつては固定電話の加入権は、立派な資産でした。
NTTと新規契約を結ぶときに必要とされていた電話加入権(施設設置負担金)の価額は72,000円でした。電話加入権の売買も可能で、質権として設定することもできたため、含み資産として保有していた人も多いと考えられます。
しかし2025年現在の電話加入権の価額は1,500円です。価値が暴落したため、持っていても財産としては意味がなくなっているのが現状です。
NTT固定電話の解約方法
NTTとの固定電話契約は、NTT東日本もしくはNTT西日本へ解約の意向を伝えて解約手続きをします。
具体的な解約方法は以下のとおりです。
電話での解約方法
電話で解約申し込みをする場合は、NTT固定電話から「116」の番号に電話します。「116」はNTT東日本・NTT西日本とも共通の電話番号です。
NTT以外と契約している固定電話や、携帯電話・スマートフォンからは「116」ではかけられません。フリーダイヤル0120-116-000に電話してください。
電話を受けたオペレーターに解約の意思と解約希望日を伝えるだけで解約申し込みは完了します。解約後には電話回線(引き込み線)の撤去工事をする必要があるため、敷地内に作業員が立ち入ります。工事当日に立ち合いたい場合はオペレーターにその旨を伝えてください。工事費は無料です。
またNTTからレンタルしている機器がある場合には、オペレーターの指示に従い返却してください。
インターネットでの解約方法
インターネットで解約申し込みをする場合は、お住いの地域を管轄するNTT東日本またはNTT西日本の公式サイトから申し込みを行います。
参考 電話の休止・解約NTT東日本 参考 加入電話・INSネット 解約NTT西日本解約申し込みの流れは電話での流れと同じです。申し込み受理メールを受け取れるメールアドレスが必要となります。
また、NTTとの契約内容によってはNTT担当者から電話で連絡が入る場合があります。解約する固定電話番号以外の連絡先電話番号も入力が必要です。
NTTへの解約申し込み時に必要な情報
電話でもインターネットでも、NTTへ解約の申し込みをする際には以下の情報が必要となります。
スムーズに申し込みできるよう、あらかじめ必要な情報を手元に控えておきましょう。
- 契約者名
- 解約する電話番号(またはお客さまID)
- 電話を利用中の住所
- 料金の支払い方法
料金の支払い方法を伝える際には、詳細についても伝える必要があります。
口座振替で支払い | 引き落とし口座の銀行名・支店名 |
クレジットカード払い | クレジットカード番号 |
請求書払い | 請求書送付先名・住所 |
他社とのおまとめ請求 | おまとめ請求の内容および支払先名 |
解約申し込みは原則として本人しかできない
NTT契約に関する申し込みは、原則として契約者本人しか行うことができません。
配偶者や子供であっても基本的にはできないので注意してください。
ただし契約者本人が何らかの事情で申し込みができず、本人の同意に基づき申し込みをするときや、契約者本人がすでに亡くなっているときには本人の代わりに契約手続きが代行できます。
家族等の第三者が解約申し込みを行う際に必要となる書類は以下のとおりです。
《契約者本人の同意がある場合》
・委任状
・申し込みする人の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードの控え等)
《契約者本人が亡くなっている場合》
・契約者本人の戸籍謄本
・死亡診断書の控え(NTTの求めに応じて)
・申し込みする人の本人確認書類
NTTの固定電話を解約するときの注意点
以下からは、NTT固定電話の解約申し込みをするときの注意点を4つご案内します。
同じ電話番号が二度と使えなくなる
NTTの固定電話の解約を解約すると、利用していた電話番号の権利も一緒に手放すことになりますので、二度と同じ電話番号を利用することはできません。
解約してから電話番号の必要性に気づいても復活できないので、解約したい電話番号に紐づいた会員登録などがないか十分に確認してください。
FAXが使えなくなる
FAXは電話回線を経由して送受信する仕組みのため、電話を解約するとFAXも使えなくなります。FAXメールなどでデジタル送受信している場合も同様です。
FAXの利用頻度が多い人には、固定電話の解約はおすすめできません。
災害時の通信手段が減る
地震や台風などの災害が発生して、ライフラインである電気が止まったときにはスマートフォンの充電にも苦労する可能性があります。非常時における携帯電話各社の通信規制により電話がなかなかつながらないといった事態も考えられるでしょう。
アナログ回線から電力を供給するタイプの固定電話であれば、災害時に停電したときでも利用できる可能性があります。災害弱者になりやすい高齢者世帯の場合は、いざというときに家族や支援者と連絡が取れる連絡手段をひとつでも多く確保しておいた方が安全です。
高齢者世帯の災害対策は、連絡手段の確保以外にも考えておくべきことがたくさんあります。詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてください。
通話料が高くなる可能性がある
一般的に、携帯電話の通話料は固定電話の通話料よりも高く設定されています。かけ放題パックなどのお得なプランがある通信キャリアも存在しますが、何も気にせず固定電話と同じように電話していると、請求明細を見て驚くようなことにもなりがちです。
長電話する回数が多い人は通信キャリアのプランや通話料をきちんと確認し、あらかじめ固定電話の料金と比較検討を行ってください。
固定電話は解約でなく休止や一時中断も可能
NTT固定電話を解約するかどうか迷っている人は、いったん解約ではなく利用休止や一時中断して、毎月の基本料がかからない状態でゆっくり検討することもおすすめできます。
利用休止または一時中断であれば、NTTの電話加入権は手放さずにすみます。固定電話の利用を止めてから再び使いたいと思ったときには復旧が可能です。
ただし利用休止・一時中断にはそれぞれ条件があります。解約と利用休止・一時中断を十分に比較し、自分にとってより望ましい方法を選択してください。
参考 電話の休止・解約NTT東日本まとめ
今回はNTT固定電話の解約方法などを解説しました。
時代に合わせて通信手段は変化しています。今の自分に必要な通信手段は何かを見極め、固定電話の必要性を十分に吟味してください。

終活カウンセラー2級・認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。

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