- 老後の仕事に役に立つ資格は現役時代と異なる
- 老後の働き方は大きく分けて3パターン
- シニアワークで役立つ資格は取得しやすさ・活用の仕方・求人の豊富さで選ぶ
年金の受給開始年齢は現在65歳ですが、今後引き上げられる可能性もあります。
会社を定年退職した後も年金だけに頼らず、どのように暮らしていくかを事前に検討することも必要です。
老後と呼ばれる年代に入っても、働いて収入を得られるように、今のうちから何か資格を取っておこうかと考えている人も多いでしょう。
しかし、老後になってから働く場合にはどのような資格が良いのでしょうか?
今回は仕事で有利な資格と老後の働き方についてご紹介します。
目次
老後に役立つのは取得しやすく働きやすい資格
どの世代であっても、就職に有利な資格というのは存在します。例えば医師免許や弁護士資格、薬剤師や公認会計士の資格等です。
これらの資格を持っていれば若いときでも老後でも、働く先を探すのは比較的簡単でしょう。しかし働き口に困らない分、資格取得は総じて難しいと言えます。
また、働く上で体力や筋力を使う仕事は、その仕事をするために必要な資格を持っていたとしても、老後の働き方としてふさわしくありません。
老後も働くために必要な資格は、高齢者でも働きやすい仕事をするのに役立ち、しかも取得しやすい資格がおすすめです。
老後の働き方3パターン
人生100年時代、会社を定年退職してからも働き続けるのは当然とも言えるようになりました。
しかし、どうやって働くかは人それぞれ違います。その人によって老後の貯蓄額はもちろん、配偶者や子供の有無、持ち家があるかないか等の状況が異なるからです。
まずは、老後になったら自分がどのように働きたいかを考えてみましょう。
1.定年延長・再雇用を目指す
厚生労働省では高齢者雇用を促進するために、65歳以上への定年引上げや高年齢者の雇用管理制度の整備などを行った企業に対して助成金の制度を設けています。
定年延長制度を利用して長く働き続けるか、一旦退職した後でも嘱託等で再雇用されたり、別の会社で新たに正社員として雇用される等の就業方法です。
この場合、現役時代と同じ位の収入が得られる可能性があります。
ただし定年延長や再雇用では資格を持っているだけでなく、健康管理、仕事のスキル、モチベーション、コミュニケーション能力も必要です。
2.起業する
手に職があったり有利な資格を持っている人は、それを活かして起業することもできます。
経営者であれば定年は関係ありませんので、体力が続く限り、働き続けることが可能です。
ただし経営には、売上の元となる仕事の能力に加えて経営能力も必要です。
また開業への初期投資も必要となり、十分な貯蓄があることが前提となります。
3.アルバイト・パートで働く
アルバイトやパートで働くのは一番簡単、かつ高齢者でも働きやすい仕事です。
仕事の内容や働く時間も選べるため、体力に自信がなくなってきても比較的仕事が見つけやすいでしょう。
最近ではミドル向け・シニア向け専用の求人サイトなども存在します。
アルバイト・パートは無資格OK未経験OKの求人も多いですが、要資格の求人はそれだけ時給も高く、待遇も良くなる傾向があります。
働くシニアが持っていると有利な資格7選
ではここからは、老後も働くために持っていると有利な資格を7つご紹介していきましょう。
自分にはどの資格が向いているか、どの資格が取れそうかを比較してみてください。
介護福祉士
日本の超高齢化に向けて、介護業界は今後の成長産業です。
体力的に厳しい面もありますが、いざ老後になる前に介護福祉士の資格を取って実務を5年以上経験すれば、その先ケアマネージャーへの道が開けます。ケアマネージャー試験に合格しランクアップすれば、独立開業も可能です。
また介護の知識を得ることにより、将来的な自分自身の介護の選択肢が増えるのもメリットです。
資格の種類 | 国家資格 |
受験資格 | 福祉系高等学校卒業もしくは3年以上の実務経験 |
試験難易度 | 合格率70%程度 |
調理師
調理師免許は飲食店やスーパーのパートで働くときにも、専門性の高い仕事を任されて時給がアップする可能性があります。
料理に自信がある主婦や、パン作り・蕎麦打ちなどを趣味にしていた人は、スキルを活かして独立開業するのも良い案です。
飲食店の開業をするには調理師ではなく食品衛生責任者と防火管理者の資格が必要になりますが、この2つは1日講習(テストを含む)を受け、取得できる資格です。
資格の種類 | 国家資格 |
受験資格 | 調理師養成機関卒業もしくは2年以上の実務経験 |
試験難易度 | 合格率60%程度 |
登録販売者
登録販売者は2009年の薬事法改正により誕生した資格です。登録販売者の資格を持っている人は薬剤師でなくても第2種・第3種の一般医薬品を販売することができます。
薬局やドラッグストアの求人では登録販売者の時給を一般パートタイマーより上げている場合があるので、同じ時間働くのであればより高い収入が得られます。
資格の種類 | 自治体の公的資格 |
受験資格 | 不問(登録販売者として働く場合には2年以上の実務経験が必要) |
試験難易度 | 合格率43%程度 |
宅地建物取引士
宅地建物取引士は不動産会社で働く際に有利になる資格です。合格率の低い難関資格ですが、学歴不問・経験不問で受験できるのが利点です。
民法や宅建業法等の法律を広範囲に覚え理解するのに時間を要しますが、定年退職後の空いた時間を試験勉強に充てられるシニア層には有利な資格とも言えます。
資格の種類 | 国家資格 |
受験資格 | 不問 |
試験難易度 | 合格率15%程度 |
マンション管理士
住み込みでマンションの管理人として働く際には、マンション管理士の資格が採用の確率を高めてくれるかもしれません。
住み込みの管理人でなくても、マンション管理会社ではマンション管理士を在籍させる必要がありますので、新築マンションが増えている都市部では特に需要が見込めます。
またマンションに対する専門知識を身につけられるため、老後になるにあたって一軒家を手放してマンションを購入しようという人にとっては、マンション管理士としての知識が役立ちます。
ただし試験の合格率は8%とかなり難関です。
資格の種類 | 国家資格 |
受験資格 | 不問 |
試験難易度 | 合格率8%程度 |
ファイナンシャルプランナー(FP)
FPはお金のプロフェッショナルとして、家計診断や保険の見直し・ライフプランに応じた資金計画などの相談に乗ることができる資格です。
金融業界や不動産業界などFPを必要とする業種も多く、持っていると仕事の幅は大きく広がります。
FP資格には国家資格と民間資格があり、国家資格のFP技能士は1級・2級・3級の3段階に分かれます。
民間資格のCFP資格とAFP資格は、CFP資格の方が難易度の高い資格です。CFP資格はFP技能士1級とほぼ同水準です。
FP技能士3級であれば比較的チャレンジしやすいので、まずは3級を取って、そこからステップアップを目指すのも良い案です。
資格の種類 | 国家資格・民間資格 |
受験資格 | 不問~5年以上の実務経験(等級による) |
試験難易度 | 合格率10~70%程度(等級による) |
子育て支援員
最後の「子育て支援員」は、実際には資格ではありません。ですがこの資格を持っていると保育園や児童クラブなどの保育補助として採用されやすくなるため、資格の1種として追加しました。
介護業界と同様に、保育も今後の成長が見込まれる産業です。最近の保育士不足により、正社員・アルバイト・パートともに求人に応募した際の採用の可能性も高くなっています。
子育て経験のある主婦が取り組みやすい仕事であることも魅力のひとつです。
子育て支援員は自治体の研修を受ければ無試験でなることができます。年齢・性別・学歴・経験が一切不問で、研修も無料で受けられる(別途テキスト代他)ため、取っておいて損はない資格の類と言えます。
画像引用:内閣府|「子育て支援員」研修について
資格の種類 | 対象外 |
受験資格 | 不問 |
試験難易度 | 自治体研修を履修すれば取得可能(無試験) |
まとめ
今回は、老後になっても仕事をしたいと希望する人のために、シニア層が取りやすく、役に立ちやすい資格等を7つご紹介しました。
最初に説明した3パターンの働き方に合わせて、どの資格なら自分にも取れそうか、どの資格を取れば老後に働く上で役立ちそうかをよく比較してみてください。
資格を取得することで今後の働き方にも自信が持てます。
できるだけ長く働いて、老後とは呼ばせない生き生きシニアを目指しましょう。
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