- 生前整理はモノ・情報・気持ちを仕分ける人生のお片付け
- 終わりのない生前整理を成功させるにはモチベーションの維持が重要
- 不用品処理の際は悪徳業者に注意
断捨離ブームも世の中にすっかり定着し、「人生がときめく片づけの魔法」の“こんまり”こと近藤麻理恵さんの世界的な活躍も話題になっています。
近藤麻理恵オフィシャルブログ「こんまりのときめき片づけDays」
いらないモノを整理するのは「人生のときめき」にも役立ちますが、いつかはやってくる人生の終焉にも役立ちます。
自分が亡くなったときに備えて、あらかじめモノや情報、自分の気持ちを整理しておくことを「生前整理」と言います。
今回は生前整理の方法についてお伝えします。
目次
生前整理とは
最初に、生前整理とは何かを理解しましょう。
断捨離と混同しがちですが、生前整理と断捨離は厳密には違います。
生前整理とは自分が他界した後に遺族が困らないように、あらかじめ身辺整理をすることです。整理する事柄はモノ以外に情報や、その人の気持ちも含まれます。
モノについても何でも捨ててしまうのではなく、誰が見てもモノの引き継ぎ先がわかるように決めておくのも生前整理のひとつです。
身じまいを整えていくと自然にモノも片付いていくため、結果として片付けや断捨離ができるという訳です。
画像引用|生前整理普及協会|幸せな人生の見つけ方
若いうちから生前整理をはじめるメリット
生前整理と聞くと、死期が迫った人や高齢者だけが行うものと考えている人がいます。しかし、それは誤った認識です。
年をとると身体も思うように動かせなくなり、大量のモノを運びづらくなります。
また、不要品は年々増えていくものです。長い間整理していないと、いざ生前整理をしようというときに膨大なモノの量に圧倒されてしまいます。
若いうちから定期的に生前整理しておけば、1回ごとの労力は少なくすみます。
生前整理の方法
それでは、実際に生前整理を行ってみましょう。
生前整理はいつから始めても構いません。いつまでに終わらせなくてはならないという期日もありません。
自分の好きなタイミングと好きなペースでコツコツと進めていくのが、生前整理がうまくいくポイントです。
一度に全部終わらせよう!と気負いすぎると、結局やりきれずに挫折してしまうかもしれないのでご注意ください。
生前整理4つのステップ
生前整理は以下4つのステップを踏んで進めると、効率よく行えます。
ステップ1:要るモノと要らないモノを分ける
ステップ2:要らないモノを処分する(廃棄・売却・譲渡)
ステップ3:財産目録を作る
ステップ4:残ったモノを死後どうするか書き残しておく
自分で処分できないモノは代行業者へ
重たい家具や家電は、不要になっても自分で処分するのが困難です。細かい不用品も大量になるとまとめるだけで一苦労です。
また、家族の思い出の品など、処分すべきかどうか判断に困るものも多いです。
ひとりで整理するのが難しいと感じたら、無理せず代行業者におまかせしたり、片付けを手伝ってもらうことをおすすめします。
不用品やごみの回収を依頼したいときにはインターネットで「不用品 回収」などと検索すると、多くの回収業者を見つけることが出来ます。買取も同時に行ってくれる業者もありますので、ブランド品や骨とう品を処分する際の回収費用が節約できます。
荷物の仕分けからお願いしたいときには、生前整理作業技能士などの民間資格を持つ人が自宅に来てくれる片付けサービスに依頼するのも良いでしょう。
例えば、生前整理普及協会が運営する「あったかい生前整理」では、片付けから仕分け、廃棄処分(買取含む)、簡易清掃までトータルに行ってくれます。(2020年2月時点)※サービス内容の変更がある場合もあるので、サイトでご確認ください。
エンディングノートを作ると安心
死後に残ったモノや情報をどうしてほしいか家族に伝えておくためには、エンディングノート(終活ノート)を作成しておくと安心です。
残された遺族としても遺品の処分方法に悩まなくてすみ、「価値がある品物を捨てられてしまわないか」と心配する必要もありません。
遺言書と違ってエンディングノートには法的効力はありませんが、自分の意思を紙に書いておくことで相続人同士の争いを未然に防ぐ確率が高まります。
▶エンディングノートの参考はコチラ
『終活(エンディング)ノートが10分で完成。6個の質問に答えるだけ』
生前整理のモチベーションを上げる方法
いざ手をつけてみると、やるべきことがあまりにも多くて挫折してしまいがちなのが生前整理の特徴です。
生きている限り作業が続くため、長年モチベーションを維持し続けるのは困難です。
生前整理をずっと続けられるように、ここからはモチベーションをアップさせる方法を3つご紹介します。
セミナーに参加する
終活ブームの影響か、近年では日本各地で生前整理に役立つ内容を教えてくれるセミナーが開催されています。
生前整理そのものを題材としたセミナーもありますし、断捨離や片付けに関するセミナー、エンディングノートの書き方セミナー、不用品売却のためのメルカリ使用法セミナーなど内容はさまざまです。
上記のサイトなどで見つけたセミナーに参加して、ノウハウを身に付けたり講師やアドバイザーに相談すると、効率よく生前整理が進められます。
ブログを書く
最初ははりきって始めた生前整理も、続けている間には気持ちがゆるんできます。
忙しさにまぎれて「今日はいいや…」と後回しにして、そのまま止めてしますのもよくある話です。
初心を忘れないためにブログで生前整理の進捗を公開していくのは良い案です。
インターネットで検索すると、生前整理に関するいろいろなブログを探すことができます。気に入ったブログを見つけたら、それを参考にしながら書いていくのも良いですね。
無料ブログサービスの中にはブロガー同士の交流を推奨しているところもあるので、その中でブログ友達を作ることもできます。
ブログ友達とお互いをはげましあいながら、生前整理への気持ちを高められるのがメリットです。
生前整理アドバイザーに相談する
生前整理の上手いやり方がわからないときや、途中でつまづいてしまったときには、生前整理アドバイザーに相談すると良い知恵がもらえるかもしれません。
生前整理アドバイザーとは、モノの片付けだけでなくエンディングノートの書き方や終活全般まで相談にのってくれる有資格者です。
1級アドバイザーであれば相続関連の法律知識も備えていますので、生前整理により明らかになった財産の譲渡についても相談に応じてくれます。
生前整理をするときの注意点
生前整理によって出された不用品を処分する際には、業者選定に注意しましょう。
見積り金額と異なる高額な費用請求をしたり、依頼していないモノまで持っていってしまうような悪質な業者も横行しています。
画像引用:環境省|不用品回収業者に関する調査結果について(別添1:消費者アンケート結果)
悪徳業者にだまされないために、以下のポイントに注意しましょう。
- 一般廃棄物収集運搬業の許可をとっているか
- 賠償責任保険に加入しているか
- 見積の算出方法は明確か
- 営業拠点を見積書等に明記しているか
また、女性だけの世帯では防犯上の不安もあります。心配な人は、女性スタッフが訪問してくれる家事代行サービスや不用品回収業者を選ぶと安心です。
まとめ
今回は生前整理のやり方について解説しました。
生前整理はやるべきことも多く面倒だと思いがちですが、面倒と思いながらやると長続きしません。
気楽に面白くできる方法をいろいろ模索して、楽しみながら生前整理をしていきましょう。
行政書士事務所経営。専門は知的財産ですが、許認可から相続まであらゆる業務を行っています。また、遺言執行や任意後見関係を専門とする社団法人の理事もしています。アドバイスや業務遂行でお客様の問題が解決するととても嬉しくやりがいを感じます。行政書士ほか、宅地建物取引士、知的財産管理技能士2級の資格所持。
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